空洞化 – 1

空洞化、という事を思う。

〜「多数派が空洞化することへのリスク」として理解すべきことではないかと思っている。
– 内田樹

しきりに言われるのが「産業の空洞化」。

311以降は電力不足による企業のダメージの一つとして、多用されることばだ。
そこから引き出そうとしている解は見え透いている(原発再稼働)。

だが、空洞化は円高、労働賃金の削減(「コスト削減」という大義名分)から、ここ10年ほどの間に進んだものであり、
原発と結びつけるのは詭弁に過ぎないと感じる。

なぜなら、日本の企業が生み出す電力に対して、たとえそれが火力であろうと原子力であろうと、
対価を企業が払うという構図ならば、それは日本国内で金が回るということであり、
外国の電力会社に(いくら見かけ上、安いとしても)支払うよりは正常な経済活動の筈だ。

それが機能しないということは、国内で支払われた電気料金が企業に正しく還元されていない、という事を意味する。
還元されないから、企業は国内の電力会社に対価を支払うモチベーションを下げる。だから出て行く。
つまり、料金が「不当」ということ。

一方、原発推進保護システムを守る側は、報道を見る限りでも、様々な形で還元を受けている。
人事、受注、政策という面で。

結局、見返りの流れ、というものが偏っているがために、
話がどんどん合わなくなっていく。
一方はグローバル化を推奨しながら、自らはグローバルの流れに飲まれないように、安全なところで取り決めを行っている。
偏ったシステムを作っておき、修正機能も不十分でありながら、片方の視点でしか物を見れずねじれが深まって行く。

これって、これこそが空洞化と違うのか。

日本のシステムはOS Xから10.7どころか、10.1にもバージョンアップしていないんじゃないか、
そんな事を、思う。

この国のユーザーとして、思わせてもらう。

重要な歴史

古米の保存の為に、とある方法で密閉保存を試みている。

いわゆる、オフシーズンの衣類や布団を仕舞う為の吸引型袋を使うのだが

何回も失敗しているうちに、遂に究極の袋に出会う。

ただのビニール袋と思ったら、ヤケドしちまうぜ。

大阪の 石崎資材株式会社 謹製、Made In Japan.

チロルとグレイン

意外っちゃ意外なことに

先週末のレセプションライブ模様が こんなとこ に載ってました。

まぁ、場が場だけに、こゆこともあるか。

Hasro & Bokka はたぶん、今後何十年も無名のバンドだけど
ひょっとしたらどこかで何かの肴になってるかもしれやせん。

どこかの風景のグレインや、鼓膜の中のテープにでも残っていれば
それはそれで、本望でござい。

ともあれ僕は、この素晴らしい帽子を、今後もかぶることにしたのでした。

統一見解とデフラグメント

昔、Music Life という雑誌を読んでいた中学生の僕は あるページでは持ち上げられ、あるページではけなされるミュージシャンの立場に どないやねん、この雑誌はと訝っていた。 メディアとしての統一見解ってないんか? ってやつだ。 その頃は、とても強くそう思っていた。 今。一般社会での新聞なんか読むと 新聞社によって方針ががちがちに固められてるのがわかる。 クライアントの方針。 団体からの圧力。 メディアとしての統一見解って、気色悪い。 そう、強く思う。 思えば Music Life で感じたことは、いい肥やしだったのかもしれない。 だが。 たとえば世論調査が有線電話に対するランダム自動発信によって行われてるとして その対象に携帯を使う「ふつーの人」がほとんど含まれないならば ものすごく偏った調査にすぎないということ、 同様に世代によって都知事選の結果も大きく異なっていたように 大新聞社にしても、ライター全員に同じバイアスをかけることなど不可能なはずで、必ず現状を変えようという人が存在するはず。極めて、ニュートラルに。 そもそも、何々社だからね、何党だからね、 というのは、もっとフレキシブルな筈の人間の頭脳を デフラグメントしているということ。 デフラグ。分類をきちっとすることにより、効率化を図る。 しかし、デフラグは必ずしも人間的ではない。 また、あらゆる活動を行えば、必ず人間のやることはフラグメントを起こす。 生きるとは、エントロピーを増やすこと。 その上でさらにデフラグを試みるなら 人々は、たとえ群れるにせよ、常に新しく変わっていくのだと 理解しなきゃいけない。 違う意見を持たないシステムは維持できない。 遺伝子を組み替えた食物は人間を生きながらえさせることはできない。 ある特定の企業や官僚が生き延び続けることはできない。

チカの壁

メルトスルーした燃料の地下拡散停止。

地下壁建造にはおよそ1000億円の工費と、東電は債務超過を危惧して工事開始を渋っている。
とんでもなく阿呆な判断だが、たぶん連中の頭をクリーンインストールしないと治らない。

そもそもこの工費、東京都が負担したらどうなんだ?
オリンピックに使うカネがあるんだよな。まずはこれまで東京都を潤してくれた福島第一に対して
責任を果たしてからそういう事やるのが、日本男児じゃないのかい。

favorite
The Man’s Too Strong / Dire Straits

かぜのあとのよる

風車の回る夜

光ってる文字

月が読んでる

白いのが「人間カプセル」

オレンジが「リトル地球」

どちらにも たくさんのおやすみ

米の中

Wall Street Journalより*

 以上のことから、私がなぜ「どちらが先進国でどちらが発展途上国なのか」という根本的な疑問を呈したのか、読者にわかってもらえると思う。次の疑問は、「なぜこうした状況が起きているのか。米国は何をすべきか」である。
正直に認めよう――我々は敗北しつつある。米政府は大幅な改善を実現できそうにないからだ。問題が発生すれば、すぐに対立状態に陥り、メディアによって、対立はますます深刻化する(メディアは注目を集めたり、視聴者を増やしたりするため、極端な意見が必要だ)。一方、独裁的な中国の指導部は、迅速に事を成す(今は、独裁者の方が非常に効率的なようだ)。

米国体制と中国体制、どっちがいいですか。
いや、どっちがいいっていう問題じゃないんだよな。

日本はどちらも含んでいる。そして遥かに狭い国土に、問題意識と辺境意識の同居した我々が住んでいる。

極東にして、極西

地球上での文明の中心は、いつだって動いて行くし、一つじゃない。
バグダッド、カルタゴ、ローマ、オランダ、パリ、ロンドン、ニューヨーク、上海、ソウル

諸行無常

ピークが超えた事が問題じゃないし、山を下らないと判らない事がある。
そもそも、先進国かどうかというくくり自体、きっと無意味になっていく。

ただ、よく言われるように1980年代が日本のピークだったとは、僕は思わないし、
これから、もっといい日本になると、どこかで信じている。

* 2020年現在リンク切れ、復旧不能

favorite

Homem Da Rua / Lo Borges

1997-2011

だいたい読んだ。「原子炉を眠らせ、太陽を呼び覚ませ」

いろいろと示唆に満ちている。14年目にして第4刷っていうのもマイナーだが、今年は売れるのだろうか。

この人はもともと核の専門家であり、なにがなんでも反核、ではなく、利用出来る部分は利用すべき、という方向だ。

まさに今回のような放射能事故への対策としても、正確な情報開示と
ガイガーカウンターの普及、それを使いこなせる人を育てる必要性、をずっと言ってきた。
ただ、使いこなせるために、「安全な」放射性物質アルゴン42とやらの普及(学校で学ばせるなど)も目指していた。
そのへんは科学者的な発想。ジャンバ・ジュキーバ博士的かもしれん。

他にも、いくらか、どうだかなぁ、という発想もある。
だが。きれいごとだけ言ってる人よりこういう人の方が響くこともある。

いくつか引用させていただきます。

『なによりも重大なことは、核兵器の保有とは明らかに「殺人の意思表明」だということだ。核兵器はその本質から言って無差別殺戮をおこなうための攻撃兵器でしかなく、防衛用の意味はまったく持たないものである。孫子の兵法からすれば、最低、最悪の兵器なのである。』p70

要するに都知事は、孫子から見てもその程度の為政者だということやね。
ただ、孫子ならぬ、亜細亜を駆ける孫氏の兵法もどうも気になるけどね。

『そもそも放射能とか原子力というものは、一般の人びとにはきわめてわかりにくいものである。そのため、万が一のためにいかに安全対策をおこなうか、とかんがえるべきところが、いつの間にか一般に向けて「原子力は安全です」という宣伝・説得をすることへとすり替えられてしまっている。』p82

『ダチョウは外敵が来ると砂の中に首を突っ込んで安心し、逃げるのをやめてしまうという。この原子力関係者のダチョウのような態度はいったいどこから来るのだろうか? 〜 いまではあらゆる手段を駆使して「原子力発電は絶対に安全だ」という宣伝をするのが「推進派」の仕事になっている。滑稽な話だが、ある有名大学の原子力工学科には、かつて「PR専攻コース」というのがあったそうだ。』p90

これはこの時点から20110311まで、全く変わっていなかった。この蓄積されたテクニックは、今まさにすり替えられて使われている。

核融合炉の導入について

『「あと何年でできるか?」という予測は、本当なら毎年一年ずつ減ってしかるべきなのが、変わらないどころか、逆にだんだん伸びていっている。』p150

小出助教授が国会答弁で言ってた、もんじゅの実用性についての話と全く同じやね。

『「高価な核融合炉は、使いはじめれば一年はもたないだろう」という話を聞いたことがある。〜 この劣化はたいへん厳しいもので、金属がひどく弱っていくことがわかってきたという。その問題の解決のために役立つ方法として、ヘリウム3をトリチウムの代わりに使うというアイディアがある。このヘリウムは月の表面から取ってくればよいといことなのだが、こうなると、話はまたSFの世界に戻ってしまったようである。』p150

現在も、外務省のサイトには核融合炉計画「イーター(ITER)」について記されている。

月から材料を採ってくるのなら、こちらの方がよっぽどいい。月より近いし。
宇宙太陽光発電

『悪く勘ぐれば、電気冷房には電力会社や原子力産業というパトロン、ガス冷房にはガス会社というパトロンがついているが、太陽は慈悲はくれても、直接お金はくれないからではないだろうか?』p187

『日本では、長期計画はきわめて注意深く、石橋を叩くようにして練られるが、いったん決定すると、もはやそんな計画は無意味だとわかっていてもやめられない 〜 〜 この矛盾をなんとかして避けて通るために、官僚がとる方法がまたいけない。そのやり方とは年次計画のほうを先送りにずらすというものだ。』p189

合議をくりかえすことによって責任や意味自体があいまいになり、時間が経ち修正が必要になった頃は誰も責任をとらなくなるばかりか、当初の意味すら忘れてしまう。無駄な合議ではなかったと思いたい「面子」だけが、妖怪のように残る。

『天の御光により、呪われた核の世界をもっと明るいものに変えていく事業を始めること。これこそ、日出ずる国・日本のなすべき使命ではないだろうか。』p213

そのとおりやね。

逆アコースティック

田中けいしゅうという、双葉町出身の政治家が、
高速道路の遮音壁を太陽光パネルにしようと発案しているらしい。

全国に跨がるし、角度上の不利はあるが立地上無駄にならない。

それはそうだが、むしろ遮音壁で発電する方がいいやんか。

太陽光パネルに遮音効果はなく、差し替えるとみんな困る。
それは誰でも判る筈。

遮音壁は、音エネルギーの振動を熱エネルギーに変えてる…という。
(実感としてはなかなかわかないんだが)

しかし、熱に変えられるなら電気に変えられない筈がない。

高速道路脇に行けばわかることだが、そこに溜まる音圧は相当なもの。
脇にビルでもあればえらいことになってる。
それこそ、都市が持ってる「通奏低音」ってやつだ。

ここに逆アコースティック技術を使い、振動を最大化し、その「ヘソ」となる部分に
ピエゾピックアップを仕込む。

もちろんその次はアンプではなく、エネループやで。

リフレイン

明日はManda-La 2にて、矢野誠さんのソロライブ。

だけど、行けなさそう…
悔しいので、公演の成功を祈りつつ、前回観た時に思ったことをひとつだけ。

「エンディングノート」

曲の終わりの音を、矢野さんはどう弾くか。

去年の夏、ひらたよーこさんとのデュオライブでの何かの曲で、
矢野さんが最後の音を、なんだかとても、言葉で表せないタイミングで弾いたのを覚えている。

だけど、そのせいで何を感じたかは、言葉にできる。

「時間が、数秒戻った」

そして

「最後の詞が、もう一度きこえた」

ピアノでこんなことができるって、すごくない?