カテゴリー: record

水彩画あじさい

シンガーソングライター 弥花 さんの 1st にて、2曲お手伝いしました。

水彩画あじさい / yahana

flexlife 大倉健の編曲・演奏・録音
青木里枝による撮影というプロジェクト。

九州で海苔屋さんと歌い手さんをされている弥花さんのオリジナルソングス5曲。
湘南のご出身と知って「あ、わかる」という空気感と、自由な詩世界。
視点の豊かさ、みたいなものが随所に垣間見れるなー、と思いました。

配信はなく直売のみのようですが、ご興味あればぜひ こちら から。

僕は
1「小さな瞳」
5「水彩画あじさい」
にリモート録音で参加しました。

どちらも自然でいい曲、歌世界です。
録音は6.24、とある公共の音楽室にて。
水彩画あじさい は、Charlie Haden に僕を通過してもらったかな。

そして僕が参加していないのですが

2「わけありりんご」
これにはすっかりやられました。レトロモダン。
ぜひ CD で聴いてみて欲しいですね。

るいをよもう

るいをよもう / Ray Kondo
moon x moon series #18
2020.9.17

あかりの来ない夜は
何を読もう

新月、曇り空。月と太陽は共に昇り、雲の背中で過ごし、沈む。


これを書いたのは…歌詞ページに日付特定してありますが
ハンディレコーダーによると、その辺り。

その頃は一体何を考えていたんだか。
ベーシストとして、割と忙しくしていた頃、
この辺の写真 もヒントだろうか。

詩集 “flat five” を作る前には曲ができてたわけで
だから早い順番 – 三つ目 – に収めてました。
にも関わらず遅めのリリースです。

もっともこの詩の原型はさらに以前にあって、最初の一行しか残していないのですが。

So Green – R.I.P, Gary

Gary Peacock が亡くなった。

この気持ちはとても書き表すことができないので、
僕の人生を決定付けたアルバムを。

Gary Peacock, Art Lande & Eliot Zigmund / Shift In The Wind

最初に聴いたのは彼のペンによる Last First。
知人からのダビングカセットを聴いたとき、
時間が止まり永遠になった。

その後アルバムを手に入れ、ずっと聴き続けた。

冒頭の So Green は Art Lande の曲とされ、
コード進行などは Last First と類似形だ。
どちらがどちらに影響を与えたのかわからないが、
共に僕の中では、Gary の代名詞のような
何ものにも替えがたい、音楽。

まるいみらいと九月

まるいみらい / Ray Kondo
moon x moon series #17
2020.9.2

9月の満月は唐突に。
今年の中秋の名月は10月頭のようです。

この曲は2日前に思いついて一気に作りました。とてもシンプルなスローアコースティック。
弓弾きを重ね、編成は

vocal
gut guitar
double bass (piz / arco / body tap)

これだけです。


夏がセミのように短く鳴き、秋は確かにやってきた。


ジャケットについて

自分の姿は、昨年の11月4日、横浜若葉町 WHARF
あなんじゅぱす の幻灯演奏会「夜の江ノ電」での演奏風景です。
当日の幻灯投影の合間に撮ってくださった田中流さんの写真を、使わせていただきました。
たまたまなのですが、田村隆一さんの「満月」という詩を演奏しているところです。

右側の沢山ある丸い光は、路上で何かを撮ろうとしたとき、焦点合わずに写っていたもの。
場所は上海、大橋トリオのアジアツアーの打ち上げ後か。2017年、何故かこれも11月4日でした。

全体にかかっているのは、砂浜。これは昨年の8月21日で、なんで海に行ったんだろう
石ころや足跡が何か語っているようで、何かに使いたいと思っていました。

Wild Flowers / sugar me


10.7 release
sugar me / Wild Flowers

5曲参加しました。sugar me こと寺岡歩美さんには solo 1st から呼んでもらって、3作連続。
2013年11月、彼女の録音を手伝ったことが、後の神谷洵平くんとの出会い〜大橋トリオツアー参加(一度も合わせずに)につながるので、そういった意味でも感謝に堪えませんが、テリーさんは本当に多くの人を引っ張って仕事をし、プロダクションできるという、アーティストの鑑のようなところがあります。
ラリーレーベルから独立し、個人レーベルでこれだけのものを仕上げられるという。脱帽です。

北欧やフレンチ、アコポップ、的なところも彼女の持ち味なのでしょうが、音楽の振れ幅は本当に広く、前作のこれは Saravah が出しててもおかしくない位。このアレンジの babi さんも凄い。

今回も、これまでと全然違った姿を見せてくれます。

参加したのは5曲。すべて Rickenbacker 4001、ライン直で弾きました。
録音はプリプロも兼ねた神谷くんスタジオで1曲、その後コロナ禍に入ったので、僕の部屋で4曲
昔からよくやってた PU 全開セッティング、フロントだけ、オールドスタイル、ピックなど、アプローチは様々です。歪ませたりしないでもリッケンは表情が豊かなので、何年経っても一番のお気に入り。

アルバム終盤の Table For Two は、歌も、ドラムもピアノもエンドウシンゴさんアレンジのストリングスも感動的な曲で、ベースは、すごく素朴な音でカウンターラインを弾いてます。

Flower In Anger も超かっこいいよ。

リリース日をお楽しみに。

まぼろし

先日から読み直して(27年ぶりに)いる本 “Musicians in Tune” 「素顔のミュージシャン」であるが
大変なボリュームがあるので少しずつしか進めない。

とてもいいことが沢山記されている。ミュージシャンを志す人ばかりではなく
続けている人、途中でやめた人、リスナーとして楽しむ人、初心に帰りたい人
いろんな人に、それぞれの刺激があると思う。やはりお薦めです。

先日書いた Genesis の “Land of Confusion” についても、Mike Rutherford の作詞観がしっかりインタビューされてあった。
やはり、昔読んだときはいろいろ、理解を超えていた事が多い。当時は歌詞についても理解が浅はかだったが、無論人生としても経験が殆どなく、ただ「(音楽による)ピーク体験って、すげぇな、なんとなく、わかる気がする」みたいなところだった。

やはり Keith Richards の名セリフが随所に光っている。Anthony Kiedis もいい事いっぱい言ってるね。

実際に社会的、政治的影響力も持っていたロックスター達が、どう権力や社会的影響を捉えていたか。という参考にもなる。


僕自身の曲であるが、今朝起きたら曲が浮かんでいたので、しかと捉えることができた。
満月のうただ。九月の。

歌詞も一気に書き上げて、楽器と唄全部録音してしまった。人生最速。
ミックス、マスターがどこまでできるかわからないが、これを「るいをよもう」のかわりに9/2にリリースしたい、と思っている。

ジャケットをどうするかという問題はあるが。
まぁなんとかなるっしょ。

Mystery To Me

Fleetwood Mac 関係続き。

70年初頭の作品を聴いているが、これは中でもジャケットのセンスが聴く気を全くそそらない、73年作。

…Buckingham / Nicks が取ってかわった Bob Welch って、いったい何者だろう、と、3枚聴いていくと、ギターも歌唱も面白い。次にバンドを引っ張った Lindsey のギターは超絶に上手いけど整いすぎて何か軽くて、長い間好きになれなかった(今すごさがわかるが)。
Bob ともう一人の Bob Weston のギターはもっとわかりやすく、好きな音色とフィールだ。イギリス録音(共同生活していた郊外のマンション、でっかいんだろな)というのもあるのだろうか。

曲調や音質にあまり節操がないのもよくて、その辺は75年以降も同じかもしれない。ドラマーとベーシストのユニットなので。

Christine McVie の歌が生き生きしていて、Stevie が加入してからは意識的に抑えたのか? というぐらいシャープな気がする。ピアノも Rick Wakeman かってぐらい風格がある。英国の音楽一家からロックとアートに走った人だから、当然のことか。

テクニカルになりすぎない Mick Fleetwood のドラムは、この頃もいい音とビートをしてて、その後の売れたアルバムよりもいいプレイかもしれない。一曲、ドラムマシンなのがとんでもない違和感なのだが。次の曲が CHIC もどきみたいだったり(年代的には逆すね)、Somebody の最後の一発が、なんか井上堯之バンドを連想させたり。違うか。

John McVie のベースは、明らかにこっちの方が躍動感がある。

やっぱアレだろうか。長く続くバンド、ピークはいろいろなところにあるのだろうけど、バンドマンとしてやり切った後で別のところにプロダクションの意識が行って、そこから作品の完成度につながるのだろうか ? ?  ??  ???

どうなんだろう。一方で問題はそんなことじゃなくて、単純に「ジャケットの魅力」かもしれないが。

「噂」”Rumours” があれだけ爆発的に売れ、今も知られ続けるのは Stevie Nicks の歌や他のメンバーの円熟味ももちろんだが、彼女と Mick のジャケットでの佇まい、pose があまりにも、目を惹きつけるから、誰にも取ってかわれない、気品と下品が一体になった魅力を放つからだと思う。僕はアルバムとしての「噂」は Stevie がリードの曲しか気持ちよくなくて、通して聴いてグッと来たことは殆どない。

そんなんで、ジャケットに映れなかった Lindsey って、フロントマンでありながらサイド扱いされて、どれだけ鬱憤溜まったかな、とも容易に想像できるのだ。


レビューの仕事もインタビューの仕事も、されることもすることもないので、好きに書くのは楽しいし、備忘録にも、自分のためにもなる。日々、浅いことばかり綴って失礼。


上弦の月、沈んでしまった。

次回の moon x moon 満月の巻、まだ曲の見通しが立ちません。

が、2年前にだいたいのところまで作った「るいをよもう」を形にしようか、と思っています。前回書いた「並行して作っている3曲」の2つ、”F” と “R” はしばらくお預け。何かいいジャケットイメージが浮かぶことを願う。

ごきげんよう。

planetarian 3

こちら の続き。

学校を卒業する前に録音したのが、Voice of Marble という作品だ。
ちょうど Rastko の誕生日、1998.11.7
… 僕の仲間には霜月生まれが多い

Vardan Ovsepian のすばらしいピアノと Rastko Rasic の風吹くような奔放なドラム、僕の生々しい(荒っぽい)ベースを収めるべく、Charlestown のスタジオに行った。アーティスティックで、適度に殺風景で、心地のいいスタジオだった。
コーヒーよりも東洋茶が好みだというエンジニアもナイスガイだったが、誤算はピアノだった。古い、雰囲気のあるその楽器で全曲録音した後、Vardan はそこに置いてある Fender Rhodes も弾きたいな、と言った。

ローズはずいぶん久しぶりだ、とのこと。
ほとんどの曲を Rhodes のテイクでも録った後、の彼
「ピアノテイクはカットしたい」

曰く、音色もイメージとかなり違う、演奏も不本意なので形に残したくない。
君のリーダーアルバムだが、どうか考えてくれないか、という。

僕にしてみれば、音楽のイメージがピアノだったので、? が7つぐらい宙に浮かんだと思う。
ピアニストにとって楽器との相性はよほど大事なんだろう、か。
学校のボロボロのアップライトやグランドでも素晴らしい演奏をしていたけれど、
そこの楽器はキャラも違い、許容範囲外だったんだろうか。

アルバムとしてのコンセプトは、また構築 – 空想し直すとしよう。

それでも空気感と雰囲気のあるピアノテイクは(勿論演奏もとてもいい)捨て難かった。
しかも、ピアノとドラムにスタジオの主要なマイクは使い果たし、ベースはほぼピックアップに補助のミニマイクをつけた程度で、とても硬質だった。
当時僕のベースの好みはかなり攻撃的な音だったが、そんでも難しい。MiniDisk に挿して使うようなそのへんの「プラグインパワーのマイク」(そんなん今あるのかな)の方がよほど好きな「音」をしてる。

それをカバーする響きのアコースティックピアノが、アンプも使わない Rhodes になったのでは、音がきついな、というのがあった。

とはいえ、Rhodes テイク(凄いプレイだ)を生かすべく、それから試行錯誤をした。エンジニアと話したり、調べたり。

彼を少しは知ってる者とすれば、ピアノと一体化した時の彼のプレイの凄まじさを収録できていないのだから、な。

だが、Rhodes トリオというフォーマットのアルバムにまとめられたのは、結果的によかった。
カラーが出たと思う。

1999の春ごろまで、次のアルバムの録音(Ramsey らとのもの)と並行して、働きつつ、スタジオに通いミックスを調整してもらった。

僕はその年の暮れに帰国した。
スタジオでのミックスもだいぶ良くなったが、まだ数曲、イメージではなかった。
あとは自分でやった。

音源は色々な人に聴かせた。
すぐライヴがみたいと言う人、リリースしたいと言う人、Fuji Rock の DJ でプレイしちゃったという人、仲良くなった人、いろいろな縁ができた。だいたい、一瞬で反応をくれた。
それだけでも大きかった。

2001〜2005ぐらいのころだ。
だが彼らを呼んでのライヴまでは実現しなかった。

リリースも、条件が合わずに見送った。
僕は変拍子のものを出したかったが、先方はアルバム中唯一4/4の曲を、まずは翌年のコンピに、という提案だった。待てないかなぁ、と思った。今にしてみればそれぐらいは一瞬だったんだろう。

他には、クラブミックスにしようとか音圧をあげようとか、その頃の日本の状況に寄せれば? という声もあった。僕はそういう方向には、全く興味がなかった。申し訳ないのだが。

まぁその手の、「思い通りにならなかった話」はいくらでもある。それは僕の世渡りの話であり、今更取り返せるものでもない。

これから残された時間、やれることをやるだけだ。

ともあれ、この作品には、技術的にはいろいろと課題はあるが、
自分が作った最初の音楽作品として、なかなかの出来だったと思う。

Vardan の活躍は本当に嬉しく、励みにもなる。ずっと彼でいてほしい。
Rastko にも会いたい。ずいぶん長く連絡を取っていないが元気だろうか。

いつか、何らかの形で共演できれば、嬉しいな、と思う。

Z-A


moon x moon #13 – full moon, July 5
Z-A / stillbeat

ひかりのなかま

Apple Music

歌詞はこちら


<バックヤード>

ずいぶん長く、部屋にこもっていた。
ひょんなことから ohT 氏のリハーサル、配信ライヴ、そして収録もあり
「外」に出たわけだ。

このジャケットは、その時のコックピットからの模様。
Z かポルシェか RX-7 といいたいけど、スイフトなんだな。
と、こちらが実体の、無人の川辺を自転車で走った模様。
錆びた橋の接合部があまりに美しく、虹に見えたので。

もともと、どこかのハイウェイをドライブしながら浮かんだ曲。
LA とでもしときましょう。
歌詞が全くできなかったが、去年の末から今年になってのことが
いろいろと自分の中ではまってきて、形にしたくなった。

まちってなんだろな

っていうのがテーマのひとつ。

都会からは離れて久しいが、

自分に馴染みと記憶のある、ふたつの街にも、すこし、交互で登場してもらっている。

もうひとつは

おわり と はじまり

かな。「ん-あ」みたいな。

テールランプの後ろは前、だし。


音楽的なことは聴いておわかりのとおり

いたって明るいものです。

無音のギターというものを織り重ねました。

Go Deep & The Cover / Mana Nagao


Mana Nagao / Go Deep / The Cover
2020.6.10 release

長尾真奈さんとの出会いは2011年に遡る。
ある午後、数年ぶりかにドラマー田中慶一から連絡をもらった。
シンガーソングライターのライヴというお誘いだった。
慶一とは、Mika Arisaka バンド、とらジャム、ハミングキッチン、そして 01 [ゼロワン] 以来のリズムセクションであるし、当時は最強だと自負していた(僕のごく周囲の話だ)。彼が Urb やアフロックスで活躍してから疎遠になってしまったが、久しぶりに一緒に音を出せるのならと即応した。

真奈さん、慶一、そしてギターの田島拓くんと出会ったのは下北のスタジオだったか。
その前に送ってもらっていた曲たちがあまりにもユニークで、歌が透き通っていて、どうなるかとても楽しみにしていた。ピアノとギターとドラムと、フレットレスベース。

ベルベットサンで行ったライヴは、彼女を以前から知るだろうファンにも溢れ、スリルと新鮮さと落ち着きがまじった素晴らしいものだった。慶一はハコの古い Yamaha のキットを叩き、拓ちゃんはファズが強力に響いてたっけ。真奈ちゃんはピアノ弾き語りなので舞台の下手にいてあまり客席から見えず、僕は真ん中で座って、これでいいのかと若干居心地が悪かった(ピアノの人とやるといつも、ベーシストの立ち位置、座り位置では悩むものなのです)。終わった後のお客さんの一人のセリフ「まなちゃん、デビューしなよ」が、記憶に残っている。


それから彼女の自主制作アルバムに呼んでもらった。僕は宅録でのベース録音とデータ送付 – 今でいうリモート – だったが、彼女は西へ東へ、毎週旅してアルバムを作り続けたらしい。”First Light” は関西チームの録音も含めて、全編、純粋な曲と躍動感に満ちている。これもいずれ配信されないかなぁ。

翌2012年には渋谷や蒲郡、リリパも含めて数回ライヴできたが、2013年からしばらく間が空いてしまう。その間、別の現場でも仕事をしていたバンドの二人とも、やがて疎遠になってしまった。こちらがお願いしていた現場がなかなか動かなかったことも一因ではあるが、他にもっと機会をつくれなかったのか、悔いが残る。慶一はやがて、旅立った。


いつか都内で活動を再開した彼女に、ギグで久々にご一緒できたのは…2017年か。カバーとオリジナルを交えて大磯プリンスホテルのロビーでやった2度の演奏は、デュオも、トリオも(オープンスペースのフリーライヴ企画だったが)、いい音楽を聴いてもらえたな、と思っている。

その際に今のレーベル Reborn Wood の方々にお会いし、いつか録音でも、という話をいただいていた。
トリオでドラムをお願いしたのが、神谷洵平くんだ。

そしてオリジナルアルバムを2018年末に録音し、カバーアルバムを2019年末に録音した。
カバーアルバムの方は、選曲や、アレンジの方向性など、ディレクションにも参加させていただいた。

そして今年春リリース。より確かになったオリジナルと、原曲が生まれ変わったようなアコースティックでのカバー。

長いような短いような、コロナ禍もあって僕はライヴにも協力できず、歯痒さもあるのだが、彼女の素晴らしい歌と音楽が、世界中に広がることを、願っているのです。

2019年、オリジナルアルバム完成後のトリオライヴ、7th floor にて。

Carnelian

Turtle Neck

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