カテゴリー: book

ミッシー解説

詩集 river silver については神谷くんがいろいろと書いてくれていますが
(あることないこと)

この中で一番古い詩はどれかなぁ、と思い返すと
「ミッシー」のようです。
題名は最近つけた、つまり一番新しいのですが
ミッシーとは’99年ごろケンブリッジの一軒家に学生7人で住んでいたとき
家にいた猫のことで
とてもお腹が大きく指が6本あり
ドアを前足で器用に開けられるくせに
50cmの高さから降りることもできない
それは和む存在でした。

そもそもの詩はもっと昔、京都にいたころに
最初の一節をRhodesか何かを弾きながらMTRに録音し
くたびれたのでそのまま寝かせて
たぶん2010-12年のある夜中に肉付けしたのだと思います。

さて特別に
ミッシーの姿を載せよう、と思いましたが
よく考えたら、それってイメージを限定してしまいますよね。
写真で光ってる目だと、なんだか怖いし。

やはり想像にまかせることにしましょう。

私の想像

タイムマシン五七五 – 於金沢

きみだって タイムマシンに あこがれる
これがありゃ 思い通りの 過去未来

過ぎ去った やつにいつでも 会えるかな
厄介な ピンチが来ても さきまわり
こりゃいいや 食べる前から 味わかる

新幹線 くるっと回せば 後ろ向き
かがやきで 二時間三十 五分だよ
列車では 未来は過去に 向かってく

想い出は すぐそばなのに 届かない
海に出りゃ うずまきばかり きみを追う
彼女はね 眠る前から 起きている

タイムマシン おぼえてたけりゃ 忘れよう
タイムマシン 忘れるために おぼえてる
タイムマシン すべてはきみの いま次第


5.12 朗読。詩集未収録。
季語がないという指摘には、季語は「タイムマシン」である、ということにしときましょう。

詩集

昔からぼくは不思議なやっちゃ、と言われ続けているのですが

本人いたってそんなつもりなく、ただ興味あることをふわふわと考えたり
頭上にいつも「?」マークを浮かべてたギタリスト詩人や
彼をそう形容した 映像作家 を、変わってるなぁと眺めたり(即ち彼彼女に比べたら全然フツー)
真面目に考えすぎて書き連ねては、よくわかんなくなったことを行を遡って蒸し返したり

そんなことを繰り返しているうちに、詩が結構たまっていました。

SSW 気取って歌ってみたりもするのだけど
どうも人前に出せる味にならない
というよりぶっちゃけ〇◉すぎる

Donovan でいいんだけどなぁ
Marc Bolan (初期)でいいんだけどなぁ
Green Gartside がいいんだけどなぁ

妙に理想が高い

そんなことを繰り返しているうちに年月日が経って
このままじゃもう退場だな、と思っていたところ
チャンジュンたちに背中を押されたこともあり
詩集を刷ることにしました。

詞なんて
人に歌ってもらえばいいじゃん、とか
メロダインで直せばいいじゃん、とかボカロPでいいじゃんとか
言われてますが、僕のはどうもそんな感じでもないし
「そのうちレコードにします」とだけ言い残して。

でも言葉だけの作品もいいのかもね。

僕はかつては、曲の歌詞など一切興味持たず、インストか、(すぐに理解できない)洋楽しか受け付けない人でした。日本語の歌詞が直接耳に入ってくるのが、好きじゃなかった。それがあるとき、言葉に興味を持ちはじめ。

人の興味など、わからないものです。
言った尻から変わってきたりもする。

入れた詩は、自分としてはわかりやすいものを集めたつもり。
前のめり 後ろのめり だが踏みおろした地面には穴が空いてて
そこは空だったりする。

でもどうだろう。紙に載せてみるとまた味が違ってきてる気もするプレパラート。

初版まさかの完売につき、増刷中です。
よかったら。

Blue n Gold

公式タイトルは HALL TOUR 2017 だけど、誰もが Blue と呼んでいたツアーもファイナル。
青い舞台での19本はあっという間だった。

わかってはいるものの、楽しい時って、あっという間。
疲れ知らず。

振り返る間もなく次がくるので先に向かいますが
この3ヶ月に起こったことは
いろいろと、糧になるだろう、と思っています。

ソロアーティストのサポートでありながら
バンドのように楽しませてもらったトリオどん、メンバー、スタッフ、
観てくださったみなさん、ありがとうございました。

次は J-Wave Live にてお会いしましょう。

なおツアー最終盤、土壇場になって編纂した詩集は
まだありますので、ご希望の方は こちら をどうぞ。

mobiles

こちらは暗くない話。

暗い話も、音や光のもとだと、思ってますけどね、わたしは。* darkness

さいきんの見聞

union soda
ショップスペース、ギャラリースペース共に広がりがあって気持ちいい。
urabe fumiyuki さんのモビール、欲しい…

kedi başkan
ハンバーグかサンドか迷い、サンドにしたところ
そちらの具が切れてしまったようで、代わりのサンドを作ってくださったのですが
それがとんでもなく、美味しかった。
置いてある本も面白くて、エンデの「影の縫製機」に魅入られてしまった。

とある駅
ホームをつなぐ跨線橋に、全く広告がない。
こういうのもいいですね、うるさくなくて。

月の岬
カメラも持たずにバスに乗ると、あまりに美しい満月。
名前だけのことはあるな、と散歩。また行くことはあるのだろうか?

GREENROOM
快晴、5月だというのに灼熱。
ずーっと奥まで見渡せる、気持ちいいステージでした。
待機中の散歩で見た yusuke hanai さんのブースにパワーを感じる。
we are here” のジャケを描いた方。じっくり観たかったです。

kirja
motomitsu maehara さんが新作絵本&原画の展示をやっていて
すばらしく購入。本はフランス語ですが、日本語訳もついています。
Ecoute la musique

Chansons ‘Fraternelles / Philippe Crab & Antoine Loyer
仏レーベル Le Saule のレコードはすごいなと思っていて
内容もさることながら、風と砂塵と裏庭のような音の質感につれていかれる。
どうやって録ってるんだろう、か。



1984

今回は暗いですよ。

ジョージ・オーウェルが晩年、病と闘いながら完成させた「1984年」

やっとまともに読んでみたのだが

救いがある…と期待しつつもページが進み、やがて。

「救い」はなかった。

なかった? なかったな。

一部、二部、三部でそれぞれ違った「生きる屍」になってしまう主人公、たち。

壱: システムの中の屍である事に気づく…しかばね
弐: 泳がされた自由の中で気づきすぎる…しかばね
参: 肉体と心を潰されて気づかなくなる…しかばね

どれになりたい? どれもなりたくないで

まともに受け止めることの難しい、最後に狂ってしまう=「正常になる」「救われる」

そんなメッセージ。

直接のモデルはスターリン時代のソビエト連邦であるけれども、

それはオーウェルがインドやビルマ、バルセロナで見たもの、人生をかけて体験したものから
来ているのだろう。
状況を超えて、胸を打つ。

胸を打つどころではない。デジャヴがありすぎる。

「ゴールドスタイン」=金の石、の偽書に記された、
システムの支配に関する解析は見事にできている。
あれはガス抜きであるばかりか、それを知らせた上での絶望をもたらすのだが。

あれを参考にした人は沢山いるだろうな。
完璧な全体主義を実現し、永続させるために
人間の尊厳も、自然科学も、歴史も、愛も徹底的に壊す方法。

それは一方、よかれと思って、みんながやっている事によって、まっしぐら。

寝言まですべてが筒抜けで、24/07で指令される「テレスクリーン」がどこにでもある世界。
もうそうなってる、というか、仕事も日常も、onもoffもみんな進んでそうやってるね。

とてもソフィスティケイトされた、SNS世界。
ボランティアという名の自己責任。よーやるよな、と思う。

インターネットは元々軍事用だった、
つまりは最終的にもそうだということを、僕は忘れるつもりはありませんが。

ちなみに1Q84とは響きが同じで全く違うけれども(引用だろう)
同じくパラレルワールドを扱った作品、ということで比べるとすると
あれは中盤のわくわくを、そのままに救いに持ってきてくれるのに対し

1984は敗北を徹底的に記している。

でも、そんな世の中で、生きなけりゃいけない、とすれば
生き急ぎたくもなるさ。

生き急ぐ事もできない、永遠にもなれない、最後の人間。

I’m so tired of the Omegaman
– album “Ghost in the Machine” 1982 – Andy Summers

最後の人間にも、なれなかった、それは誰のことだろう?

たまらなくなるけれども、アツコバルーさんのこんなブログ を読んだりも、する。

備忘録 〜oha[na]shiTrip〜

人前で話すのは苦手なので - であるからして、
このところ、なるべく機会があれば話すようにしている。
もちろん、止められたら止めるのであるし、要望通りにいかないこともある。
今回のBlueツアーではこんなところか。

横浜
(無話:話さなかった事)冷し中華「ごはん」

岩手
銀河鉄道の夜と櫓上の渡り鳥使い
(無話)岩手軽便鉄道と惑星間チューブトレイン

札幌
(無話)札幌時計台とローマ人

福島
記憶と時間

仙台
ローマ人とゼロの概念

高松
小豆島のローマ人

広島
ダブルミーニングと生態系クロスオーバー 〜空耳からの挨拶〜

神戸
ボーダーとストライプ そして 水平時間と垂直時間

静岡
コーヒードリップとテーブルと自力時間
(無話)楕円フェチ

福岡
カシミール効果 〜ローマ人の置き手紙〜

金沢
タイムマシン俳句 十二篇

名古屋
シャママ (ShutMyMouth) – 1984 – 宇宙船ペペペペラン

鹿児島
good neighbors – 温泉

熊本
よこくの太陽 – スーパー凧揚げ理論

大阪
髪を切りました それだけですが

長崎
風頭訪ねて歩く短歌 五篇

新潟
新潟の友たち – 遠くして集まった仲間

松本
さまざまな路線 – 最終列車

東京
青色と金色 – ひかり – 闇

season of the witch

https://youtu.be/-UixqIdf0sM

Halloween もまもなく終わりますが
なんとなく週末は Donovan の Season of the Witch を弾き語っておりました

こちらは先日録音に参加した大橋トリオのスペシャルソング

魔女 の 絵本 の 季節 なんですね.

みたりきいたりよんだり

Peter Broderick 来日
やっと生で観れた、マイペースさとピアノ、声の丁寧さに感じいる。
Taguchiの12連スピーカーも、自然な増幅で気持ちよかった。

Léonore Boulanger / Feigen Feigen
新作強力、音像がサラヴァっぽくて、Raincoatsも思い出す。ギターの質感が好き。

Dianne Reeves のいろんな作品
今頃聴き返してる、とてもクリエイティブ、参加全員、音楽家としてすばらしすぎる。

ピアニストの脳を科学する: 超絶技巧のメカニズム | 古屋 晋一
案外すっと読めた。続編はあるのかな。練習によって脳内に回路ができるできない、というあたり、技能の向上だけでなく、世の流行なり時代性なりの移ろいとも関連しているような気がした。

続 ピアノを弾くからだ | 黒河 好子
ちらとかじっただけだけど、より深く考えさせられる。「眉毛を使うことにより音楽的なフレーズになる」って面白そう。

旧約聖書の世界 | 谷口江里也
とても読みたくて。なんで人々は争い続けるのかなって。どうしていろんな作品に、ああいう名前が登場してきたのかなって。

— 以下、まだだけど —

これは買いでしょう
Andrés Beeuwsaert / Andrés Beeuwsaert

山口洋佑さんがジャケットを描いた作品はたいてい素晴らしい気がしていて。
Vardan Ovsepian も連弾で参加しています。

Vardan, Rastko と嘗て作った音楽 – Voice of Marble

petertaguchi peter2

りょりつ

「考える人」ひさしぶりに買って読む

なんだかサイズが小さくなっている

河合隼雄の物語賞、というのがあって

受賞作の「悪声」の著者、いしいしんじ さんの書いてる(言ってる)こと、とても腑におちた。

まだ作品は読んでいないけれども。

Punch Brothers を聴きながら。備忘録。

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