ミッシー解説

詩集 river silver については神谷くんがいろいろと書いてくれていますが
(あることないこと)

この中で一番古い詩はどれかなぁ、と思い返すと
「ミッシー」のようです。
題名は最近つけた、つまり一番新しいのですが
ミッシーとは’99年ごろケンブリッジの一軒家に学生7人で住んでいたとき
家にいた猫のことで
とてもお腹が大きく指が6本あり
ドアを前足で器用に開けられるくせに
50cmの高さから降りることもできない
それは和む存在でした。

そもそもの詩はもっと昔、京都にいたころに
最初の一節をRhodesか何かを弾きながらMTRに録音し
くたびれたのでそのまま寝かせて
たぶん2010-12年のある夜中に肉付けしたのだと思います。

さて特別に
ミッシーの姿を載せよう、と思いましたが
よく考えたら、それってイメージを限定してしまいますよね。
写真で光ってる目だと、なんだか怖いし。

やはり想像にまかせることにしましょう。

私の想像

J-WAVE LIVE SUMMER JAM 2017

でっかいなぁ横浜アリーナは。

ひっさびさに二人の後ろで PIECES OF A DREAM
BPM143なのに156 (x 2 = 312 !) でぶっとばした ゆめのしま
鍵盤が4人なんて生まれて初めて 魂の Indigo Waltz

音楽のジャンルは分け隔てなく
いいと思うものはなんでも聴き、やってきたぼくだけど
ベーシストとしての起点 = black music に戻してくれた今年の J-Wave Live。

なにしろ
Dennis の Gospel Choir 以来の YURI さん、頼もしい
ホーン隊、音色もタイムも素晴らしい
頼りになるわっちとはじめさん
全くタイプが違うのに不思議と混ざる kubota & CHARM コンビ
いつもの神谷くんとずっと前から知りあいなのに初めてできた朝倉さん

いろいろありすぎてきりがない
大橋トリオスペシャルバンドでした。

さーて、しばらくライヴ予定はなし。
9月からの再始動までは、いくつか rec にはげみます。

ほんとなら自分の創作を進めたいが、できるかな…

ベースは木である

やけにウッディな今回。

遠くの森から、よく来てくれたよ。

フィルターやファズも時々かけるけどね。

曲とてもたくさん。よろしくたのむ!


J-WAVE LIVE のメインは、この春 Ozimas Guitar Atelier さんにオイルフィニッシュにしてもらった Lakland。隣の F bass もオイルなので、兄弟みたい。

タイムマシン五七五 – 於金沢

きみだって タイムマシンに あこがれる
これがありゃ 思い通りの 過去未来

過ぎ去った やつにいつでも 会えるかな
厄介な ピンチが来ても さきまわり
こりゃいいや 食べる前から 味わかる

新幹線 くるっと回せば 後ろ向き
かがやきで 二時間三十 五分だよ
列車では 未来は過去に 向かってく

想い出は すぐそばなのに 届かない
海に出りゃ うずまきばかり きみを追う
彼女はね 眠る前から 起きている

タイムマシン おぼえてたけりゃ 忘れよう
タイムマシン 忘れるために おぼえてる
タイムマシン すべてはきみの いま次第


5.12 朗読。詩集未収録。
季語がないという指摘には、季語は「タイムマシン」である、ということにしときましょう。

詩集

昔からぼくは不思議なやっちゃ、と言われ続けているのですが

本人いたってそんなつもりなく、ただ興味あることをふわふわと考えたり
頭上にいつも「?」マークを浮かべてたギタリスト詩人や
彼をそう形容した 映像作家 を、変わってるなぁと眺めたり(即ち彼彼女に比べたら全然フツー)
真面目に考えすぎて書き連ねては、よくわかんなくなったことを行を遡って蒸し返したり

そんなことを繰り返しているうちに、詩が結構たまっていました。

SSW 気取って歌ってみたりもするのだけど
どうも人前に出せる味にならない
というよりぶっちゃけ〇◉すぎる

Donovan でいいんだけどなぁ
Marc Bolan (初期)でいいんだけどなぁ
Green Gartside がいいんだけどなぁ

妙に理想が高い

そんなことを繰り返しているうちに年月日が経って
このままじゃもう退場だな、と思っていたところ
チャンジュンたちに背中を押されたこともあり
詩集を刷ることにしました。

詞なんて
人に歌ってもらえばいいじゃん、とか
メロダインで直せばいいじゃん、とかボカロPでいいじゃんとか
言われてますが、僕のはどうもそんな感じでもないし
「そのうちレコードにします」とだけ言い残して。

でも言葉だけの作品もいいのかもね。

僕はかつては、曲の歌詞など一切興味持たず、インストか、(すぐに理解できない)洋楽しか受け付けない人でした。日本語の歌詞が直接耳に入ってくるのが、好きじゃなかった。それがあるとき、言葉に興味を持ちはじめ。

人の興味など、わからないものです。
言った尻から変わってきたりもする。

入れた詩は、自分としてはわかりやすいものを集めたつもり。
前のめり 後ろのめり だが踏みおろした地面には穴が空いてて
そこは空だったりする。

でもどうだろう。紙に載せてみるとまた味が違ってきてる気もするプレパラート。

初版まさかの完売につき、増刷中です。
よかったら。

happy b yano-san

矢野誠さんのお誕生日会を兼ねた、レコードコンサートに行く。

お会いするのは何年ぶりだろう。とてもお元気そうだ。

矢野さんの手がけた音楽をひたすら聴くといういい夜
ときどき「ならでは」の制作話が。

お店に入った時は矢野顕子さんのデビュー作(プロデュース名: 小東洋)
それから鈴木慶一さん、あがた森魚さん

82年、誠さんエレクトリック期の Injection(シンセの音が太い!)、石川セリさん(盤面がエメラルドでとても美しい)、Romy さん(NY ポップと友部正人さんの詞のコントラストが深い)

幻の名盤(全く知らなかった)
広田レオナさんの “Leona”
- これ聴いてて、宇宙変わりましたよ。再発希望です

そして誠さんソロ、仙波さん浜口茂外也さんの、和と洋とインドとアラブの世界。

あむ〜Chorusing は、改めて涙出たなぁ。

企画と選曲の岡部さん、ありがとうございました。
ショボクジラ・チビコブラ も聴きたかったです。

ソロライヴも

力強い左手と儚い右手の煌めき
アフリカンと印象派
変わらず
この人の夢に僕らはどこまで迫れるのだろう

矢野さんはいつでも気さくで
こんな僕とも
また一緒にやろう、と言ってくださる。
いつの日か。ぜひ!

Blue n Gold

公式タイトルは HALL TOUR 2017 だけど、誰もが Blue と呼んでいたツアーもファイナル。
青い舞台での19本はあっという間だった。

わかってはいるものの、楽しい時って、あっという間。
疲れ知らず。

振り返る間もなく次がくるので先に向かいますが
この3ヶ月に起こったことは
いろいろと、糧になるだろう、と思っています。

ソロアーティストのサポートでありながら
バンドのように楽しませてもらったトリオどん、メンバー、スタッフ、
観てくださったみなさん、ありがとうございました。

次は J-Wave Live にてお会いしましょう。

なおツアー最終盤、土壇場になって編纂した詩集は
まだありますので、ご希望の方は こちら をどうぞ。

Sting at Budokan

すごかった。
Police 再結成含めて観るのは4回目。自分の感受性が大きくなったこともあるのだろうけど、
今回マジで感動した。6.6.

2階の北東スタンド、はるか上部からステージの左後ろを遠く見下ろす
どう考えてもいい席ではなかったのに、魅了されるって、どんなパワーやねん。

新作もロックだが、完全に開き直ってか、ポリスの曲もいっぱい。

本編トップが
Synchronicity II
この曲の一節
“Packed like lemmings into shiny metal boxes”
東京やロンドンの地下鉄に乗り込む人々を表してるようで、九段下の混雑合わせて感慨深い。
なんて考えて選曲したわけではないんだろうけどね。
(So Lonely のMVは、まさに東京の地下鉄での撮影だったのだが)
そして2曲目が
Spirits in the Material World
音楽に興味を持ったきっかけ、リズムから曲調から歌詞まで
ポリスで一番好きな曲なので嬉しくてしょうがない。
Englishman in New York
この曲の良さが、やっとわかった…というか素晴らしい曲だと実感。
イントロのベース、”Be yourself, no matter what they say” のリフレイン、
キタなぁ。
これ、紅茶好きの英国人だと言われても実感の持ちようもないけど
異邦人の歌、画一化に立ち向かう曲だった。そんな2017年。
同調圧力や隣組や「いいね!」の束縛にも。たぶん。

全部書いてるときりがない。

彼のメッセージって
“Sending out an S.O.S.” が40年近く後のネットと酷似してたり
時代を超越してるとは思うものの
聴き手への届け方が真面目だったりオシャレだったりロックだったり
曲やフェーズによって異なるので、長年聴いてたぼくもある時は好きになれなかった。
まっすぐすぎる穏やかなスティングは面白くないな、とか…

でも今回は、そんなのもひっくるめて、こういうことだったのか!?
のような、わかった(ような)気持ちにさせてもらえた瞬間が多々。
これって、もしかして、ステージ左後ろ上方から観てたせい、かもしれない。

声や音や「気」が彼の場所からどうホールに届いて渦巻いていくか、
照明がどう客席に向かっていくか、
そんなのが、見えた(ような)気がする。
自分も不肖、ステージミュージシャンやっているおかげでもあるのか。

全く気負った感じはしないのに
ハイトーンから低い渋い声まで余裕だし。
前回キー下げてた Roxanne や Magic も、原曲のキーだし。

それに、わかっちゃぁいるものの
次から次へと、名曲ぞろい。
あれだけやったのに、まだこの曲があったか…と驚き続ける自分。

これでも、
Fortress Around Your Heart も、
King of Pain も、
Seven Days も、
Straight to My Heart も、
The Lazarus Heart も、
De Do Do Do, De Da Da Da も、
Set Them Free も
Don’t Stand So Close to Me も
やらなかったのだ。

個人的に聴きたい
Synchronicity I も、
When the World’s Running Down… も
やらなかった。

でも、そんでもこれだけ聴かせてくれた。

どんなんや。この人。

彼の視点は才能も運も努力も備えた、白人の天才の一つの見方、だとは思う。

それでも、世界にとってかけがえのない人だと、思う。

西国へ

ツアーの合間に知人をたずね、西国へ。

岡山 蔭凉寺
ずいぶん久しぶりに会う Vardan Ovsepian と、はじめての Tatiana Parra。
Piano Era 2015 を観逃したし。彼らの東京公演の日、うちは鹿児島だからな。
どうしても観たいと思い、旅した路面電車の街、
岡山はとてもいい空気が流れていました。

彼のピアノは天下一品。それは出逢った時からわかっていたけれども
そのまま、そのまんま彼の宇宙唯一の音楽を創っていってくれる。
構築、築き上げる、ちがうな。そうだけど、
もっと広がりがあって、もっと世界があって、
だけど「ヴァルダン星人の世界」なんかじゃなくて、精神的で、感覚的で、理論的で、無意識。
そして Tatiana とのコンビネーション。
彼の音楽と生き方は、芸術そのものでしょう。
Alexandre Andres の大好きな曲(うち一つは、Tatiana が音源に参加)
を2曲もやってくれたのも、驚きであり
Vardan が彼を “young genious” と明言していたのも、グッときた。

熊本へ。
大倉邸にて flexlife の「家リハ」
Vardan ほどではないが、彼らと出逢ったのも遠くて近い昔。
一家で、山の上の温泉に行ったり、音を出したり、息子さんと戯れたり、幸せな時間。
彼らとの曲や、カバーももちろん楽しいが、
今回は、何年もサボっていた自分の曲を持っていく。4曲の中でどれかやれないか。

全く拙い僕のデモ、恥ずかしくもどうなることかと送ったものの、
軽く受け入れてくれる、彼らの凄腕っぷりにも改めて驚く。
歌とギターのプロなんだから、そりゃ、そうなんだけど、
でも、こういうことかって、思う。
とてもゆるくやってるようで、研ぎ澄まされるって、感覚と経験って、年輪なんだね。

鹿児島。
グッドネイバーズジャンボリーで来たときは空港と現地との往復だったので
鹿児島市内ははじめて。日差しが強い。
こちらも路面電車がイイ。
荷物の多い僕に、路面なのに、路面駅なのに、キャリーを運んでくれる運転手氏(岡山でも…)。
いいのだろうか…?
運転手って、大変な職業だ。常に時刻と数え切れない乗客と、さらに無数のドライバーたちと
関わっているのに、そこまでやってくれるって、ほんとに心に余裕があるんでしょうね。
街に、かな。

次はもっと長く居たい。

そしてふたたび熊本。こちらはブログがダブっていますが…
gingila、なにしろ壁の色が最高。
ガレージでカフェレレ部が「ひこうき雲」を奏で出す、いい日だ。

ガラス張りで外からもいい感じで観れるステージ(店の一角)は、
Cambrige の Central Square にあった複合ライヴハウス、The Middle East を思い出す。

そうあのころは
フォークシンガーとデュオをやったり、ただ飲んだり、
Colin Hay や Aimee Mann を観たり…したんだっけ。

そんな、メビウス一週間で、あった。

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