気候もよく…
って雨降ったり止んだりではあるのだが、
ほどよく暖かく、食べ物も風も甘く心地よい。
1年ぶりの “Legacy” も楽しく演奏できました。
どうもありがとう!
気候もよく…
って雨降ったり止んだりではあるのだが、
ほどよく暖かく、食べ物も風も甘く心地よい。
1年ぶりの “Legacy” も楽しく演奏できました。
どうもありがとう!
鳥取へ旅。
親類が昔、島根の出雲に住んでいたことがあるが
その数年間の機会を逃した僕には、山陰地方は遠くて気になる存在ではあった。
大学時代に、ふと思い立って友人とドライブし、鳥取砂丘に着いて登りつめると
そこにサークルの先輩がいた、という偶然には驚いたものだ。
なんで京都から、わざわざここで。よりによって。
その次は、マイア・バルーに誘われて
ギニアのグリオにてマルチミュージシャン、Epizo Bangoura と一緒に新宿界隈でライヴしてた頃、
鉄壁のアフリカンドラムを誇るバングーラファミリーの中のアラマさんは、何故か鳥取在住で
これまたどういう縁で? と思ったものだ。
「夜を誤解している」という詩に
鳥取県の人は土地の利権に、という特に根拠のない一節を入れたのも、
無意識レベルで気になっていたからかもしれない。
…まぁそれは置いといて。
で、今回なのだが、ここ数年、機会を見てお会いしている
タルマーリーの渡邉さん一家に会いに行った。
一人で因美線に乗って行くことはあったが、車で家族で行くのは初めてである。
遠いが、楽しいものだ。
智頭町というところは、なんとも空気がよく、川のせせらぎも、たまに通る単線列車の音も、
山並みも素晴らしい。
豪雨と台風の爪痕も感じたものの…
夏も比較的涼しく、40度越えということはなかったらしい。
案内していただいた、山の上のみたき園というところも
桃源郷というか、ただひたすら感動だった。
もちろんタルマーリーの空間も、パンもビールも、すばらしい。
皆さんには感謝しかありません。
ぜひ、機をみて行かれることを、お薦めします。
そして鳥取砂丘にも再び訪れたわけだ。
調子こいて登って降りて、海岸からひきかえすときが大変。
「オレはなんでまた、部活やってんねん」の汗だくであった。
ちなみに、砂丘は登りつめて初めて、それまでの静寂を破る波の音に出くわす。
砂の丘が完璧に、どどんざぁを遮音・吸音しているわけだ。
だがしかし、そんな静寂の世界では、登っている人々の声は妙に近く聴こえたりする。
うーん、なんでだろう、と、わかったようなわからないような、
そんな2018年の9月であった。
さ、音楽に戻るかな。
先週、灼熱の京都。
丸太町、川縁のとある駐車場。どう見ても入り口には見えない脇道を入って、本の家を訪れる。
縁側のある日本家屋、ミシマ社の本屋さん。
智頭のパン屋さん、タルマーリーのご一行とお会いする、がてら、お邪魔した次第。
—-
ちょうど七日前には、スタジオへ向かう灼熱の自由が丘で
同社東京オフィスの脇を歩いていたから不思議(あとから地図みて気づく)。
—-
まるで盆におばあちゃん家に帰ったような感覚。背後を走る子供達。
三方の本棚には、ずっと読んでいたくなるような本がいっぱい。
ソウルからの賢人も交えて、ちゃぶ台で先駆的な話が行き交う中、
僕は頭がサーマルスロットリングして大半は処理しきれなかったのだが、
それぐらいでよかったのだと思う。
いい加減な頭で話に向かうのも、いい加減だ。
後からじわじわきつつ、
湯の中で(なぜ湯なのだ?)思ったこと。
—-
「1984」や「THX1138」や
「銀河鉄道999」のメガロポリス、或いは「ロラックスおじさん」で描かれた
超管理、超格差、超情報統制社会
これらを、超間近に感じるにつけ
この人達はよく予言したなぁ、と思うのだけど、
これって警告であると同時に、暗示でもあり、あるいは、プレゼンでさえあったかもしれない。
「こういう手があったか!」みたいな。そういう人たちにとっては。
だが人は、想像に、ひっぱられていく。
なんでも前例主義の社会だけど、
あまりにも想像の完成度が高ければ、それは「前例」にもなってしまう。
想像の前例主義、とでも言うのかな。そんなのがあるかもしれない。
もし、ディストピアにそれだけの力があるのならば、その逆も然りで、
今を生きる僕たちは、もしかしたら、数十年後のために、違うビジョンを見せるために
想像していくべき、なのかもしれない。何度絶望しても。
そして、この瞬間もそれをやっている人たちが、いるのだな、ということ。
自分がそうなれるかは、ちゃんちゃらわからないけれども、
それでも、あきらめとったらあかんな、とは思った。
そんな感じだ。
—-
旧友とも会い、彼の頼もしさも再認識す。
—-
いくつか、ここしばらくで面白かった本のご紹介。
ミシマ社さん。
『究極の文字を求めて』松樟太郎
久々に何度も吹き出した、めっちゃおもろい本。
下から上へ読むオガム文字、UFOキャッチャーの如きグルムキー文字、
クリクリしたオリヤー文字。
自分のサインもままならない僕だが
これを読んで文字ごと作ろうという邪念が生じた。
いや、心の風が吹いている。
『あわいの力』安田登
能の世界は僕には未知だ。が、舞台芸術であるから、通じる道は当然感じる。
「心に代わる何か」というテーマ(への期待)は大きすぎて、まだ拾いきれないのだが、
安田さんが能のワキ方として、笛の修行「自分の音が出るまで」に費やした期間の心得は、深く突き刺さる。
僕が自分の声を見つけるのはいつになることやら。
人生の終わりまでには身につけたいな。
いや、そんな時間の感覚は、無用なのか。
そしてクルミド出版さんの本。
『草原からの手紙』寺井暁子
この方の文はなんとも魅力的で
なんでもないようなことが潤ってる。
東アフリカ、マサイの居住区を、
マサイの指導者エゼキエル、スコットランド人冒険家の子孫ジョン、
オランダやマサイの人々とともに歩く旅。
明け方の情景と音の描写が素敵だ。
「10年後、ともに会いに」もそうだったが
装丁からスタンスから徹底していて、宝物感が半端ない。
週末は珍しく自分の時間も持てたので
思い立って録音
軌道修正、あるいは原点に帰って
インストゥルメンタル
言葉にならないことのために
今日一日で仕上げるつもりだったが
ダブルベース、ガットギター2本、フレットレスベース
朝から録ってると夜になってしまった。
僕は3拍子が好きで
節目になる曲は大抵ワルツかレゲエ。
これもその一つ。
たぶん昔からのバンド仲間一人ぐらいしか聴かせていない
最初期の曲の一つです。
今週中にはリリースしたい。
ohashiTrio HALL TOUR 2018 “STEREO” も無事終了。
いつもながら、スタッフ、メンバー、大橋トリオどの、ありがとう。
沢山いらっしゃったオーディエンスの方々も、ありがとうございました。
ステージから見る景色と客席からのって違っていて、たまに確認映像を観たりすると
こうなってたんだなぁと、ほんとはもっとこうするといいだろうなぁと、音以外にもとてもヒントになります。と同時に、舞台監督や照明の方々って凄いなぁ、と。
僕は体力がある方ではないので、よくあんな沢山楽器弾けますね、運べますねと心配されたりもするけど、楽器を弾くのはまた別の体力、筋力だと思っています。演奏時には別の力が出るので、演奏で疲れることはほとんどありません。いい音楽をやってるな、という自覚がありさえすれば、いくらでもパワーは出ます。
* ツアーで運んでくれるのは、楽器チームとトランポの皆さんですよ。
…と、地味目線で綴っていますが、今回の僕のテーマは「performance」でした。
曲調にロックを感じたので、より初期衝動でステージに立っていたのかもしれないなぁ。
シンセベースは貴重な体験でした。シンべエフェクターとして(たぶん)世界最高峰の Future Impact というペダルを入手したものの曲のミニマル感が出せず、本番直前に思い立ってショルキーを探しまくって、漸く大阪で中古を購入したヤマハの KX5。音源がなく電池でしか動かないという凄い仕様。でも MIDI で Future Impact と直結できた。
本番開始直後に電池ないぞランプが点滅し、慌てふためいた夜もあったものの、なんとか曲間にスタッフに伝え電池を替えてもらって事なきを得ました。おいおい。but 感謝。
あれは1984年の楽器なので、まさかこんなに年を経て使われるとは思っていなかっただろう。まぁ僕も(京都公演で言ったように)昔はこんなツアーに参加できるとは想像してなかった。
いや、想像していたのだろうか…漠然としたミュージシャンへの想いは人一倍あったけど、具体的なことはさっぱりわからなかった。夢ばかりの時から実力をつけた時でも、感性のアンテナをピリピリ伸ばしてた時でも、思うようにいかなかった。諦めてから、機会が来た。
タイミングを外すことにかけては天賦の才がある僕が「すーべてはータイミング」ってコーラスをするって、なんの因果? と思ったり。
いろんなことを思い出して、みんなを見守りながら、見守られながら、やっている。不思議なものだ。
そう、今回の舞台セットはとびきりサイコーだった。スピーカーの群れ!? あれステレオちゃうやん。もっともっと沢山あるやん。ある時数えたら14個でした。メンバー7人でそれぞれステレオってことか!?
でも、あのロゴといい、そぎ落としたジャケットといい、やたら多い楽器群といい、今回は本当の意味で “PARODY” を感じたツアーで、そこが好きだったなぁ。
神戸からふと始めた “PARODY のパロディ” も、そんな内容でした。場所によって少しずつアジャストしましたが、だいたいは同じ内容です。
アコースティック、エレクトロ、ミニマルとジャズ、ロックといろんなものが行ったり来たり、これが大橋トリオの音楽の真骨頂ですが、まだまだこれだけではありません(たぶん)。
今後さらに違う展開もあるだろう。また、よろしくね、トリオちゃん。
“micro” のロゴと「リカリスイ」の看板に覚えがあった。
原宿の bonobo。
このクラブに行ったことはない。
そこはかつて「とら」というスタジオだった。
オーナーがとらさんという人で、どう見てもスタジオに見えないその家屋には
ソファやテーブルに埋もれてアンプやらミキサーやらがあった。
ここで音を鳴らしていたことがある。
外苑前からえっちらおっちら歩いて、Ric 4001を背負って、月星を超えて、
出会ったバンドメンバー。
後に「とらジャム」という名前をつけて活動することになる。
とらジャムはキャラメル・ママのようだとも一部に評されたが、
独立活動することはなく、やがて自然消滅する。
現在市場にありそうなのは、このオムニバス だ。
公募枠があったので、カジャグーグーをアコースティックにして鶴見のスタジオで録って受かった。
そのリハはもちろん、「とら」でやった。
メンバーが「ハミングキッチン」と被っていたので、連名にした。
このアルバム でも5曲ほど参加した。全て一発録り、クリックなし。
メンバーはそれぞれ独自の道を歩む。
今も昔も凄腕セッションキーボーディストの佐藤、daisy world からハミングキッチンをデビューさせ、現在は食の野望に勤しむギタリスト眞中、アフロドラマーとして名を馳せるも散歩から戻ってこなかったのがドラマーの田中。
忘れ得ぬ仲間。丁度1年前、青山で久しぶりに一緒に演奏したが…
トラさんも今はいない。あの界隈に行く事もないかもしれない。
ダンスして何が悪いんだろう?
警察だって軍隊だって、政治家だって音楽は聴く。音楽を使ってもきた。
自分の範疇にない踊りや音楽をねじ伏せようとしても、結局はうまくいかないと思うよ。
そんなのが、とらジャムだったかもしれない。
これは、私が描いた上の画像とは全く関係がない、2016年の森・道・広場で見つけた torajam。
京都の北白川にお店があるらしい。美味しかったよ。
バンドが健在なら、コラボしたかったな…笑
ohashiTrio TOUR 2018 “STEREO”
はじまりました。
3.30 千葉より、今年は15画所を回ります。
楽しんでもらえますよう。
大橋トリオツアーの参加メンバーは
ときどき、普通じゃないことをやるのですが
– これまで他でやったことのないパートなど –
僕は、生まれてはじめて、キーボードをセッティングしています。
シンセベースってやつですね。
ツアーの最終リハギリギリに入手した伝説のリモート鍵盤と、
足下のスーパー音源を組み合わせ。
“Parody” ツアーでは一曲、アコギを借りて弾きましたが
今回ギターは sax & flute の武嶋どんに譲って…
つまり、7人編成のうち、場合によっては
ギターが3人
とか
鍵盤が4人
とかになるということです。
こんなバンド、みたことないな…
初日、これまでにないロック感といつものユルさが相混じって
また、はじまったなー。
みなさま、各地でお会いしましょう。
“STEREO” Bass Rigs:
Fender Precision bass
Lakland 55-94 5 string bass oil finished by ozimas
Pöllmann Busetto double bass
Yamaha KX5 remote keyboard
PandaMIDI Future Impact bass synthesizer
Lehle Basswitch preamp/switcher
Grace Design FELiX preamp/mixer
BJ Electric cables
Ampeg B-15R amplifier
Shure SE846 in-ear monitor
尾道のアーケードで買った車の貯金箱に
魅入ってしまっている。
青いクルマ。
自分は持つことはないだろう。
だが、こんなクルマで旅したいな、とは思う。
2017年の末は瀬戸内へ。
尾道から神戸まで、数箇所旅する。
山と海、島と雲
星あかりと街あかりが隣り合わせる、それぞれの地の素敵さ。
田舎と都会、どちらがぼくらに合っているのだろう。
寺の森で除夜の鐘の列を眺めつつ、空を見上げれば2018年。
穏やかな始まりだ。
昨年はおみくじの結果に戦々恐々としながら
お祓い兼ねて初日の出を見に行ったのだけれども
今年は賽銭と占いの代金を間違えて小銭を使い果たした事もあり
占いなぞ無用と泰然を装う。
それでも太陽は見事である。
午前7時前に大きなまるいあかりが
なにを予告したのかはわからないけど
本年もよろしくお願いします。
皆様にとってもよい一年でありますように。
音楽は世界を超える
これは真実だと思った海外公演だった。
上海と台北。中華人民共和国と中華民国。
同じ中国なのに全く異なる中国。
だけど、大橋トリオファンの人たちの反応は
とても暖かく、ピュアで、大きかった。
上海では
にこやかに笑っている人、くすくす笑う人、感情をむき出しに歌う人、
少し斜に構えつつも一音も聴き逃さない表情で最前列に陣取る人。
日本語のMCも意外とわかるらしく、その代わりこちらの中国語の上手い下手には
あくまで正直に審判。
照明が割と明るかったので、視力の悪い僕にもよくわかった。
また、220Vの電圧のせいか、音がいい!
台北会場は
ほとんど歩けなかったものの、
京都のどこかの楽しい大学施設かと思うような素敵なところ。
日本から来た方も心強く、また台北の人たちとの反応の違いも新鮮。
その日は誕生日で、おとなしくしていようと思ったのだけど、
トリオどんが思いっきり紹介してくれるので…
台湾の言葉でHappy Birthdayを大合唱してもらえたのは、
身に余るなんとか…本当に有難うございました。
—
上海の街は文化衝撃。二度目でだいぶ印象が変わったものの
とてつもない摩天楼と、むき出しの路地が隣り合わせ。
ひっきりなしの建設工事、一年で街が大きく変わる。
その分、粉塵舞うから超高層ビルが昼間は夜景ほど見えない。
欧州高級車と錆びた三輪車、シェアリング自転車mobike、すーっと近づく電動スクーターが
交錯する大通りはとても静か。電化が進んでいる。
道路脇に無数に並ぶmobikeのロックを解除するハイテクな電子音。
黄色や黄緑ベタ塗りで、画一的な旧式ビークルなのに、皆スマホで予約し、決済している。
でかい公園の地下空間に突如現れるクラブとジャズバー。
その大音響に、なぜか至近距離まで全く気づかない不思議な設計。
未来都市ってここか?
例えが古いが999のメガロポリスに一番近いのは、もしかしてここじゃないのか?
日本の都市との力点の違い、また社会制度の違いがスピード感の違いにもつながっているのか。
さまざまなスローガンによる統制と、巨大な格差。その中で生き抜く人のパワー。
なかなか行く機会はないけれど、行かないとわからないことってあるな、と本当に思う。
—
台北の街は原付とイエローキャブの大群。温暖な気候のせいか、どこかのどか。
その他は西側諸国と、それほど遠くないアジアの街並み。
食べ物が甘く美味しい。
数え切れない、海と山の食材。
残り秒数を表す信号。下の走る人間アニメが、次第に慌てていくさまにウケる。
送迎してくれたミニバスの運転席には、今回も「車窗撃破装置」なるものがあった。
…これは、ガラスを割る「ハンマー」らしいが、にしても撃破装置って…
日本からも行きやすい台湾。
空港で指紋押すのに参るけど、気軽に何度も来たい、と思う。
高雄にも足を伸ばしたいな、いつか。