アーカイブ: 2021年6月

火輪の風と、海の蕾

改めて、六月の二つの作品の紹介。
さっそく聴いてくれた方ありがとう。

五月、すでに雨をたっぷり先取りしてしまったので
梅雨にもかかわらず、創作者の気分は乾いていました。
砂漠だったり、アメリカンだったり。

砂漠 – 未だにエジブトにも中東にも行ったことがない。
小学校の国語の時間に何を思ったか「二十歳になる前にサハラ砂漠に行きたい、でもどうやって帰るか、わからない」と発表したことがあるが、
結局それは果たさず、鳥取砂丘と中田島砂丘にとどまりそうだ。

だが、砂の「なんにもない感」には年々強い何かを感じており、
昨年あたりからの作にも頻繁に砂が出てきている。

構築や成長、変わらないための流転、それらすら許さないような微粒子。
ウィルスと違ってはっきり目視できるけれども、砂のそっけなさって、すごい。

海岸で見てるとわかる。一瞬で濡れて、一瞬で、乾くし。

trojan wheel は、曲と詩を書いた後に決めた題で、それ自体は
トロイの輪
という話を内包している。

これから、どうやっていくか。自分(たち)は。

トロイは、ギリシャ人たちが争い、滅した街。
トロイの木馬はトロイを破壊するために贈り込んだ、アカイア軍の木馬。
コンピューターウィルスの代名詞にもなっている。
だけど回転木馬や揺り木馬がそうであるように、木馬は破壊だけではない何か、別の世界への乗物でもある。はず。

ずいぶん前に書いたが、新宿にあるピエール・バルーさんのラ・ジュテで、不定期に不思議な催しがされていたころ(自分も出入りしていたころ)、
いつまでもひたすら回り続ける、という中東の踊りを、誰かがやっていた。
なんでそんなに回るんだろう。というぐらいに。色鮮やかな、衣を拡げながら。

音楽的には、ずっと前からのダブルベースのスタイルに立ちもどり、モードをどう紡げるかをやってみた。鍵盤はお休みし、ギター一本、ベース一本。打楽器も指のスナップだけ。

(…ちがった、シンセ弾いてました。)

フリーフォール、は、聴いてもらってのごとく。
底が抜けましたよね、っていうこと。
6月に入って、いろいろ。

どのように自由落下しますか。空から、あるいは宙へ。
利害のためにつくった虚構の街や催しなんて、とっくに。

これからも人を縛りつける企みは続くんだろうけど、
もっと大事なこと、あるし。

去年の Neptune と、根本的には同じこと。
あっちは徹底的に内面を見て、こちらは動物的にいきました。

パワーコードのトラックにアルペジオとリフを重ねたのだけど、サビのサイドギター、結構気に入ってます。
6/4拍子っていうのは、これも輪か。ノコギリと輪。

あとひとつ、常に思っているのは

蜘蛛の糸

あやとり、どこまでも。

トロイの輪と自由落下

6月は、2曲同時にリリースしました。626の11時。


trojan wheel


フリーフォール

両方、bandcamp にて公開・販売中です。

ジャズのワルツと6拍子のロック、マインドは同じところからきてます。

ほぼ月1〜2ペースで新曲や既存曲のリメイクを公開していますので、フォローしてみてください。

live wire

金藤日曜 六月第三

日曜大工はなし。先日、机の下に取り付けたキーボードフックはどうにか動作している。
というかひっかけているだけで、その後は落下もない。

なんでスライドレールにしなかったかといえば、レール部品を買ったものの重すぎ、自重と板とで落ちそうだったからだ。なんなら鍵盤そのものの左右にネジやスライドを仕込みたい。(エスペランサが5弦フレットレスをベルトのバックルにひっかけていたように)

思わぬところからいただいた49鍵のキーボード、タッチはチープながら、フル鍵盤なので助かっている。これまで机に置いてたミニ鍵だと、ピアノを触った時に間隔があまりに違い、タメにならなかった(上手い人ならどんな鍵盤でも弾ける)。ステージでここ数年使っていた KX5 は、幅はフル鍵で、あれはあれでよかったんだが。

先週頑張っていた旧データの復旧は、アメリカ時代4年分のデータはコンバートできた。帰国してからの…が…なのだが、
きりがないのでストップしている。あと数百…? MBP が壊れる前にやらねばならん。

オリンピックは目を覆うことになっている。というかこれから、本格的に目眩しが始まるだろう。
その先にあるのは、その数倍も愚かな、憲法の公開改竄か。
「国民が自分の意思で」選び取ったと偽装するために、一斉にメディアが動く。
いくらでも金は撒かれているだろうから、その仕上げは近い。とても情けない。

僕は本当にこの国の統治システムに絶望しているので、というかその先を思っているので、せめてできることをやるしかない。一人にできることなど、一票の投票しかないのだ。

県知事選。全国でも貴重な、少し変わっているが信頼に足る首長。この人が頑張ってくれているからまだこの県は踏みとどまり、世界一危険な立地と言われる巨大原発も止まっている。
結果は大差での当選。この県はまだ見込みがある。

音楽は素晴らしいことだが、残念ながら、長く東都と「地方」を往復してきた僕には、東京が、自らしか見ていないことが見えている。
なんでもあるすごい街。中にいるととても快適。人もお店も、すてきだよ。
ブラックホール。欲しいものは何もかも吸い込む。でもやっちゃいけないことがあったね。

その一つが、福島と新潟に押し付けた、原子力発電。
そして一つが、東北の復興を偽装した、オリンピックだったよ。

その上、コロナ克服の証なんて、よく言えたもんだ。

僕は、どんなに遅れていようが、スルーされようが、世界をよりフラットに見える場所の方がいい。

やりたいことは、もう自分の中にあふれているのだから。

六月上弦

六月の半月は

雲の後ろであまり見えないのだけど

そういえば特別な。Meshell の日だったな。

てなわけで、『フリーフォール』の詩を公開。

音楽はもうちっとやりたいことがあるから、近々公開しますね。
どんなのになるか想像しててください。

無から題を

…導き出すのは不思議なものである。

無から、ゼロを。0からなら1を何度か飛び越して何かしらの0へ。それなら簡単そうだ。
が。

物事は、思いつかないときは、思いつかない。

忘れてる時は、思い出さない。

だが、だんだん思い出したり、砂浜の景色のように、移り変わってくるから不思議である。

かくして、6月上旬には言葉も題も、かたちのかけらもなかった詩に題がやってきた。

“Trojan Wheel”

トロージャンといえば、SKA やんね!? という人が一体どれぐらいいるかわからないが、
今回はスカでもレゲエでもなく。

Trojan とはトロイ人のことだ。ホイールは。ご想像に委ねますよ。

詩はあらためて こちら に。録音中。

ジャケットどうしようか

タイムキープ

5月末に出した、今のところ最新作の「シナモンニッキロール
聴いてお気づきかどうか、この曲はテンポが一定してません。

イントロや間奏、二番、展開、最後、など、早ぉなったり遅ぉなったり
してまんねん。

DAW で作られてる今の音楽はほとんど BPM が一定なのだけど、本来コンピューターってもっと色々なことができる。

僕の好きだった音楽も、たいがいテンポは走ったりもたったり、時にはイントロからAメロで既に全然違ったりしてたし。

そんなわけで、今回はあえて、テンポをコロコロ変えてみたのでした。

じゃぁ一定がダメなのかというと、そんなこともないと思う。一定のクリックには安定性とか、アレンジや差し替えの簡単さとかの他に
○●とか×△とか理由が…

あるんだよ、ね?

そのへんは、みんながこれからも考えていくところかもしれないっね。

モロコとサソリ

もう一個、詩がある。

先の未タイトルより前に作った。曲もあるしタイトルもある。
『フリーフォール』
どっちが先に形になるか。こちらはとてもシンプルだ。パワーコードだ。

週末はいくつか録音を試み、[無題曲] のベースも録ることができた。

月曜は曲の事は忘れ、少しだけ時間をみつけて鍵盤の練習。全然弾けないが得るものはある。それってなんだ?
自分にとって大事なものなのだと思う。ゴスペル。リズムも波動もハーモニーも、そしてテクニックも、黒人音楽はあまりに素晴らしい。
かつて身体と耳で覚えたフィール、忘れる前に頭と手を動かせ。


前回の詩はまだ題の見当がつかない。困った、これではリリースも、ページすら作れない。

少しだけ内容に触れる。

「蠍」が登場するが、それは僕が蠍座生まれということ、だけではなく、
ひとつにはこの昔の日記の内容を思い出したから、である。(たぶん)

汚すことのできない次元

なお、最後一節は、あれから書き換えた。またそれは、曲完成の時点で発表しようと思う。

声と板チョコ

こないだ掲載した詩は、音楽から先に作ったものだ。

たしか、副都心線のホームで思いついてボイスメモした。
リフらしきものと、Bパートでベースとトランペットのメロディの流れ。
それをブーブープープー、スマホに向かって吹き込んでた俺は
さぞ怪しかったか、そうでもなかったか。

モチーフはキャッチーだと思ったが、しばらく寝かせておき、
今回曲にするにあたり、肝心のBパートをバッサリなくした。

それはまた別の曲になるだろうし、今回トランペットは入らない。
明治神宮の森をなくすよりは、いいだろう。

代わりにもっといいパートと展開ができた。

そう、曲の完成形がほぼ見えて、詞が思いつく気もしないなぁと思った
翌日から書いたのが、あれである。

まだタイトルは決まらない。

六月の詩

新月に。

タイトル未定


どんな理由で まわり出す
指さきから 衣まで
うたうたいに そそのかされ
眠る前の ざわめき

泣きはらした 蠍をなだめて
夜の刺を ほどく

霧の向こうに うかびあがる
越えられぬ 滝
風を我がものに したいかい
それなら 夢をみよう

朝日が 大きな
あくびで 見届ける
たったひとことで トロけた
あたりまえの 自由

最後まで 味方になってくれる
その瞳を 信じてみよ

くらがりも まぶしさも
きみは みてる
広がる空は だれのもの
翼で 問いかける

心は底が 抜けても
うかび あがる
明日は理由が みえなく
なっても やって来る


Word & Music: Ray

June 8-10, 2021

後日リリース
その前に題名決めなきゃね。


6.17
タイトルようやく決めました。

Trojan Wheel

オットセイ

前回日記など見てるとさぞ、のほほんと暮らしてるかの。如きであるが。

世の中の動きはますます怪しく、報道の統制ぶりに軽く眩暈することしばしである。

戦前から80年経ったからって、戻っていいわけないだろ。あの道に。

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