アーカイブ: 2021年2月

nigatsu

二月総括。

昨夕 2.27 は満月だった。京都の人によると、月の出が見ものだったらしい。

残念ながらこちらでは曇っていた。夜半に、真円に見えぬ朧月を見上げる。

そう今回は、月にあわせて何も発表しなかった。新しい詩も書かなかった。が。

ちょうど曲ができたところだ。


とぶように過ぎる月日をおもうこの頃だ。
例年ならツアーの準備、業務、確定申告、てんやわんやであったが
前述の通り演奏チームからは離れることにしたので、その他の変化が大きい。

やる事は沢山あり、感慨に耽る間もない。これはある意味、感謝すべきことでもある。

これから何十年になるかわからぬが、道を考える。
災害や感染症、世相、それだけでも、いつ何がどうなるかは覚悟せざるを得ない。

誰であっても、ほんまにね。

だからといって、諦めて放棄はしない。
実際、自分にやれそうなことは、これまで思い込んでいたより遥かに多そうだ、と日々気づいている。

もちろんこれは「やれたことは」の裏返しでもあるのだろう。
だが、心のさすところに向かう。


テクノロジーの進化は凄まじい。コロナ禍でもかえって発達したこと、してしまったこと、
これをよいことに勢いを増してしまったこともある。

テクノが敵か味方か、ずっと見極めている自分だが、
これは両方であり、使い方であり、捉え方であり、これからの展望とつきあいかたの問題でもある。

さらに、僕の世代だけの話ではとっくになくなっている。


あんの上、振り返りきる前に二月は去った。
3.1 目覚めるとジェット機が低空で飛んでいる。

舟はどこへ

ことばをうたうバンド あなんじゅぱす の
映像企画に参加しました。

藤井貞和さんの詩「舟はどこへ」
(ダブルベース・演奏)

空間と映像演出の石多未知行さん、マリンバの澤口希さん、
あなんじゅぱすのひらたよーこさん、大光ワタルさん
すてきです。

藤井さんへのインタビュー「<うた>をかきたてる」
(「舟はどこへ」への質問・ボイスメッセージ)

リアル・NPR ですね… この構図だけで感動。
とても深いお話です。

また、Studio 木曜日さん、とても精力的に活動されていて
谷川俊太郎さんの「朝のリレー」「きみに」の MV も上がってます。
矢野さんのアレンジ、流石です。

こちらは参加しておりませんが、ぜひ。

YouTube Channel

すぱいらる

といっても青山にあるビルのことではなく、

これ の続き。MPB のことを書きたいがまた MBP。

どうやら、Macbook Pro 16″ のファンノイズ爆奏は、
AMD Radeon Pro グラフィックボード (discrete GPU = dGPU) を使う時点で必ず起こるようだ。

外部ディスプレイに接続する = AMD グラボに切り替わる = dGPU が発熱 = ファンが高速回転

内蔵の(どっちも内蔵だが) Intel UHD Graphics (integrated GPU = iGPU) で使う以上、発熱レベルはたいしたことはなく、ファンもとても静かだ。
だが外部ディスプレイを iGPU で賄えない。「外部ディスプレイは dGPU で賄う」という想定で、漏れなく過発熱になっているのなら、設計ミスでしょう。

何度失態を繰り返す、Apple。

この MBP はヒンジの部分、MacBook Pro ロゴがある部分に、本体からの隙間がない。
排熱口は背面、斜め下向きに空いているが、これだと熱い空気は抜けていかない。
底の左右に、指を切りそうなぐらい大きなスリットがあって、ここから吸気はたっぷりできるが、上向き排気がないのはやはりおかしい。
防水か? んなわけがない。スピーカーの音に影響か? これはあるかもしれないが、優先度が違うでしょ。

2015の Retina MBP、これもファン回転は酷いモデルだが、ヒンジ部分には沢山隙間があった。
今見ても、デザインはこちらの方が圧倒的にかわいい。ポルシェみたいだ。

このやり方を、2019モデルの底面スリットと組み合わせれば、かなりエアーフローは改善したと思うが、どうしてそうしなかったのだろう。


MBP – Música Popular Brasileira のことはきっといつか。

つつ

週末くるの早い…

嬉しいのか焦るのか。
焦りたくはないし、そうしないためにこう生きているのだ。が。

ジョアナ・ケイロス、やっぱすばらしいなと思いつつ。


Rio” の歌詞、実はまだストアにアップできていません。
先日から投稿しているのだけどハネられて (rejected) しまい。
ガイドライン見ても、理由がぜんぜんわからない。

強いて思い当たるとすれば、改行が多いことか。

iPhone でリアルタイム表示したときに、ヘンなとこで途切れないように
ギリギリで収めて改行するようにしてまして

これは単語で区分けされない日本語の宿命ですが

改行設定は難しい。デバイスも年々変わってくるから、頑張っても無駄になることもあるけど。
このページも Mac で書いてて、スマホで見ると変なときもあるし。

で、改行が多すぎると、実際の曲に余計なセクションを加えてると判断されたりしてるのかな。
またトライしてみます。と報告しつつ。


来週には、何かしら音源公開したいと思っています。

つつ。

つながるかきるか

榎本幹朗さんの『音楽が未来を連れてくる』はとても内容が濃く、また示唆に満ちている本で
早く最終章までたどり着きたかったが故に約600ページを3日で読み、それによって頭に入りきらないところがあったり、また最終(現在と未来)についての感想がもやもやしているのではあるが。

Sony や Apple や Napstar や Spotify の神話はさておいて、
…ていうか、面白いし、極める者の生き方に触発はされるけど、僕は生粋のアンチソニー。

ピンと来た一つは、SNS やサブスクの「おすすめエンジン」のところだろうか。

僕にとって、SNS やサブスクのどこが胡散臭いかというと、勝手に誘導してくるところだ。
しかも、その誘導具合がことごとく、あまり気持ち良くない。

twitter 広告で鬱陶しくないと思ったものは一つもないし、Yahoo も Google も同じだ。
世の中の経済の大きな位置を占める「広告モデル」とやらが、僕はどうも合わないらしい。

人にやられても、アルゴリズムにやられても、同じことですわ。

…とまぁ、桑野信介並の厄介な性格を持った僕であるが、ともかくこのエンジン開発と音楽配信やサブスクは深い関係になるようだ。

Twitter のタイムラインを見ていると自分と同じ意見が集まって、それによって分断が進む、
311以降の日本や、トランプ以降のアメリカでも大きな問題になってますよね。

SNS 離れや浮き沈みの一因でもあり…

だから、音楽も同じことを孕んでる。

また、テキストや写真のように、自分の脳を働かせれば瞬時に判断できるものと違って、
音楽はある一定の時間を委ねないと、好きか嫌いかわからない。

まぁだからこそ、いくら時間があっても足りないので、自動化が進んでる。それもわかる。

で、一瞬で良さがわかる音楽、確かに(いっぱい)あるのだけど、
それを商売として求めた結果、どうなったのか。5秒でサビを始めなきゃいかんとか、違うでしょ。

だからじっくり判断したい。音楽ぐらい自分の気分で判断させて欲しい。
プッシュせず、放っといてほしい。もっとうまく、騙して欲しい。
それになんか、iTunes のシャッフル時代の感動が、AI リコメンにはまだないような気がする。

ミュージシャンによるキュレートや450次元の解析って言われると、すごいな、とも思うし、
これがたとえば本邦でいう、あの音楽番組だったりするのかな、とも思う。

でも、キュレートってきっかけだし、解析がすごいって、それだけで陶酔するわけにもいかんよね。

いずれにせよ、勉強になる。深いです。

深いよ。だからって、そこでほっといちゃいかんな。

むだぐち

日進月歩。日が経つのが早い。
そりゃそうだ。二月だ。

書かないと忘れてしまう。

昨日採りかけた偉大なギタリストのコードワークを譜面に。
iReal Pro のと全然違ってた。バージョン違いかもしれないが彼の音選びは素敵だ。

で、それとは全く違った曲のギターパートを考える。
へんなのが浮かぶ。これを使う。ヘンテコでないとポップじゃない。
忘れる前に録っておく。

机の右の CD、みんな片付けたい。好きな音楽ばかりだけど、かわりに本を置きたい。
とてもじゃないが、カタす場所がない。
使わないボール紙の箱を捨てずに CD 入れにしようと思いつくが、
根本的に解決になっていない。結果。ボール紙をカタし、CD いすわる。

数年前からのドライフラワーが僕を見守ってくれてる。
なぜか筆と金槌が、花に寄り掛かってる。
かけることのない鼈甲ボストンに埃がたまる。

あかんあかん、ただの無駄ぐち。
風が強いから早めに録って寝よう。

記譜と記憶

楽譜って間違ってることが多い。

出回ってる、ミュージシャンが頼りにしてるやつ。
Realbook も、iReal Pro も。

最大公約数だから、採る側も細かいところに構ってられないから、
そもそも作り手や弾き手は、楽譜になることなど考えずに耳と感覚を頼りに音楽を作っているから。

いろいろな理由はあるが。

譜面を鵜呑みにせず、耳で採ると発見の連続だし、それが一番だったりする。

しかしそれだと忘れてしまう。自分用に改めて譜面にしたりする。
その作業で弾くことを忘れてしまったりする。

解決策としては、体と頭で理解し、積み上げていくしかない。
一番遠回りだが、一番近道。


そんなことが頭にひっかかりつつ、寝る前に時里二郎さんの『名井島』を読む。

とてもシュールで、もとより理解を超えているが、ふっと同期する。

「島のことば」のごとく、
ぼくらの記憶は、抹消しきれなかった、だれかの記憶の上に書かれているのだろうか。
消去ヘッドのいかれたカセットテープのように。

デジタルファイル転送できないもの、ブレインインターフェースの動作しないもの、
リアルタイムで交換するしかないもの。

音楽はそのひとつ。

くろいまど

空き時間に部屋を整理。

あの禁音部屋…とは違うが、ここはとても小さい。

手始めに、仕事相手からずっと借りていたモニターをお返しし、
自前を買う。モニターといってもディスプレイの方。

机が渋滞し、鍵盤も窮屈なのでトレイの自作を思うも、
角置き専用の特殊な机で工作が難しい。ふと、机の下に鍵盤を配置できたとしても低すぎることがわかり、潔く諦める。
ピアノの白鍵の表面は、床から75cm。机にキーボードを置いても75cm。同じ方がいい。

モニターもトレイも何年も悩んでたが、さっさと決めた方がよい。
マイペースに行きたいなら、余計に時間が大切だ。

代わりにモニターアームを買う。これなら机を広く使えるし、
首や肩の負担も減る。

このモニターは、USB-C 接続だけで MacBook に給電もできるので、とても助かる。
言うことなし、と言いたいが、完璧ではなかった。

MacBook Pro、16インチモデルは、外部ディスプレイに繋ぐと突然発熱し、ファンがぶん回る。
煩くてしょうがないから、録音の時には本体のディスプレイしか使わない。すると嘘のように静かになる。

これは僕だけじゃなく発売当時からずっと言われてることだし、先日 maba くんも言ってたから、やっぱ不具合なんだろう。
Apple が認めるとは思わないけれども、フラッグシップモデルでこれって、ちょっとないよな。

ファームウェアで解決だろうという話があったけど、その後何も聞かない。
たぶん M1 Mac や Big Sur を優先して、近過去はすぐに切り捨てなのだと思う。
レジェンドは大切に、レガシーはないがしろ。何かの縮図だ。*

と、文句を書きつつも、これはなんとかなる。

ところがもうひとつ、USB-C の同時給電、やはり落とし穴があった。
Audio I/O からスピーカーで鳴らすと、ノイズの嵐。なぜか、ヘッドフォンではノイズレス。
電源分けてるのに、グラウンドループか。

試しにディスプレイの電源を落とすと、ノイズは消える。完全に USB PD のせいだ。
昔から、新幹線で iPhone を充電しながら音楽を聴くとノイズだらけになったりしてたから、
だいたい予想はしていたのだが、このモニターは何の対策もできていないようだ。
一番信頼していた、日本製。

仕方ないので、巨大な白いアダプターを復活させる。ノイズは消えた。

いつまでたっても、何かしら欠点があるシステム。でもこれでやっていこう。



* MacBook Pro の熱暴走については このサイト が一番はっきりしてる。
排熱設計の欠陥。だから eGPU を買えば解決って、完全におかしなスパイラル。

リコールにするべき。

今日耳日曜

日曜は貴重…

週末が主な仕事、というサイクルから外れると
逆に日曜が有難くなる。今のうちに頑張らないと。

結構話題(だと思う)の音楽本を一気に600pほど読み終え、
スケールのでかさに驚くと共に。共に、なんだろう。
シンプルであり、シンプルでない。

英雄やパイオニア、パイレーツの話は夢がある。
悪徳と、勝てばなんとやら。

妥協をしないという勇気をもらいつつ、答えはどこか、
膝下か、枠の外か、それとも。

久々に鍵盤楽器を触り、秋に練習していた曲を思い返す。

ドラムトラックを作る。今のテクノロなら音源やサンプラーで幾らでもリズムトラックは作れるが
僕はどうもそのやり方に惹かれない。
回り道をしても、キットで叩くか、パーツを1トラックずつマイクで録ってく方が好きだ。

気づけばちょいと膨らみ月が
浮かんでた。

きとりとこうぼう

海と風と技術と音の街から、また別の場所へ
僕はエリアを移しつつあるのですが、

今日は1年近くリモート拠点を置いていた街へ、素敵な姉妹を観に。

Kitri は、そのデビュー前から、たまたま近くで観聴きさせてもらっているだけに
その成長(いや…それはおこがましい)、発展・進化・次元変貌ぶりは
驚きを超えていました。

浜松の楽器博物館の上にある、音楽工房ホール。
ずっと以前、BOOKWORM in Hamamatsu があったときに一度入ったきり、
でも、その周囲の部屋は何度も行ってました。
あるときは、海外の Berklee 志望の若者を、オーディションで手伝ったり
あるときは、部屋で音を出せないかわりに。

そんなホール。
二人のピアノの響きが空間と至近距離とを跳びまわる。

そして何より、声が。近くて遠くて近い。

んー、ハーモニーもメロディも。

力で推すのとは真逆の繊細さ、でも、か細いところが全然なくて。
これができるには、ものすごく、脱力と筋力と、信念がいると思うのです。

二人の声の個性が、(MC 含めて)出てきてたし、
こうなってくると、さらに魔法が…

経験や自信、家族ならではの共に過ごす時間、宝物でしょうね。
彼女らにとっての音楽は。

そしてその宝物を、ホールいっぱいに観せてくれる、すばらしいコンサートでした。

ほんとありがとう。

あ…マスク外したのは、この時だけです。念のため。

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