カテゴリー: muse

ふたつの西海岸

昨日続き

Doobies は1970年代だけをみればくっきり前期と後期で分かれ
どっちが好きなのか、と問われれば前期だと答えてきたのだが

昨年あたりから AOR … Yacht Rock に抵抗がなくなってきて
長年能動的に聴けなかった Steely Dan にはまったせいもあり

その流れの後期にも免疫がかなりついたようだ。
M. McDonald の曲もやっぱりいいなと思うこの頃である。

しかし、その境にある “Takin’ It To the Streets” アルバムのバランスは面白い。
P. Simmons と Baxter の “Rio” やその次の Porter による “For Someone Special” かっこいいぞ。
後者の Lyrics はなんともいえないが。

Tom Johnston 好きなんだけどね。

Johnston の曲だろうが McDonald の曲だろうが、変わらずアグレッシブなベースの Tiran Porter やはり只者じゃない。

snow & moon

美しい満月 と 雪

厳密には一つ前の夜中だったな

今宵も作品を発表する段階にあらず

ムーンビームと
ごあいさつでも
しておくぜ


音楽で Chuck といえば

Rainey
Berry
Israels

僕が好きな Chuck はもう一人

Domanico さんである。

West Coast Jazz ~ Pop で活躍し、Carmen McRae のライヴ盤 “The Great American Songbook” でのプレイはあまりに素晴らしい。

この人のベースは空気を変える。Phobe Snow の “Poetry Man”、Joni Mitchell の “Blue Motel Room”。そして Carmen McRae による Carpenters カバーの “Close to You”。

Joni は “Hejira” 録音時、どうもそれまで関わった凄腕たちの仕事っぷりに飽きてたようで、Jaco ばかりがクローズアップされ、Max Bennett や Wilton Felder や、この Chuck Domanico にあまりスポットが当たってない気がする。まぁそんな必要もないくらい、これらの人たちは凄いのであるが。

W.Felder に至っては、サックスプレイヤーとしてあまりに有名だが、ベースも余裕で名曲に参加しまくっている。Max はこの前年の “The Hissing of Summer Lawns” アルバムの数曲で、その時点で大ベテランだったにも関わらず(だからこそ?)、既に Jaco 的なアプローチを昇華していた。

Jaco Pastorious については色々なところで語られ尽くしている気がする。間違いなく最高峰のベースアーティストだし、自分も影響を受けたのは言うまでもない。彼と差を出すために敢えてフレットレスを弾かないという人もいるし、気にせず語彙としてやる人もいる。

僕はあまり気にしない方で、素晴らしいスタイルだから取り入れればいいし、フレットレスでもフレッテッドでも、その上で何か違うこと、その先のことができれば、それは素敵だなと思っている。とかゆーて。

話を Domanico に戻す。

この人のベースは、空間を楽しくしてくれる。Poetry Man などではちょっとタイム感がゆるいんだけど、音楽の天井が広いんだよな。

そう、音楽の底辺なのに、天井が広い。空間が、楽しい。

僕の目標である。

アルペッジォ

AMaj7 を弾いてるだけで
魔法がおきたみたいな
Larry Carlton って
すごいじぉ

dancin’ with pebbles in my shoes

バレンタインにちなんだことをなにかできればよいのだけど

そういうキャラでもないので


Valentine が登場する歌として思い浮かんだのは2曲。

Tom Waits の Blue Valentine。

詩はすさまじく、僕のキャパをはるかにこえる。

まったく意味を聴き取れなくとも、音と歌だけで時間がゆがむ。

Ray Crawford のギターが至極ですね。

はじめて聴いたのは三条の古いビルの3Fだったかな。


もうひとつは全く違う、おそらくこの二つを並べる人はあまりいないだろう。

“I’m dancing on the Valentine”

という一節、Duran Duran の The Reflex。

いまだに、この詩の意味がまったくわからない。

なのに英米で No.1 になった = それだけ多くの人が受け入れたというのは、なんでかな。

Fairlight CMI や Jupiter-8 や SB-1000 や、Nile Rodgers や

デビュー前から一貫してスタイリストとコラボしてたりとか、用意周到なところ

いろいろあるだろけど。要因は。


こちらといえば、踊ろうにも靴に pebble … 砂利が入るようになったので

いい加減スニーカー買い替えねば、というところ。

smile & cry

こんな夜は

いいプレイができる

とわかってるんだけどな

ま、これもこれだ。

neruka.

甲冑と袴

how fickle the perception can be

… Percy Jones の言葉。

「とらえかた」はきまぐれ。物事の。


硬質でありながら飄々とした彼のベースプレイに、石川五ヱ門を想起する。

撫肩な甲冑か、怒肩の袴か。

 


いつだったか、ベーマガに頼まれて彼のソロプロジェクトの解説をしたことがある。

アルバムになるとかではなく、その前のトラックだったか、ビデオだったか。
03年、Bass Player Magazine の記事の翻訳と、採譜だったと思う。

スライドハーモニクスに何やら矢印をつけた奏法に、随所に入る16分3連に

よくあんなのを採れたものだ、と思うが、改めて振り返ると発見がある。

集中してるとき、内面に入っているとき、外に出てるとき、忘れたとき、

パーセプションは姿を変える。だから面白い。

westwood-weyburn

二月。先日初日の出が昇ったばかりなのだが。
日はまだあまり長くなった気がしないのだが。

半年以上疎かになっていた鍵盤を少し思い出す。

視覚情報である楽譜という形にしていないことを先日から悔やみつつ
その一方で指の形や感触で思い出すことの大きさも感じる。

手と頭。両方大事なのだ。

人前でやるときは、その両方を忘れる = 意識しないレベルまでインターナライズするけど
ライヴしない今だから、逆に感じ取れることもある。


Leland Sklar のインタビューをしばしば読み観する。面白いこと話す人ですね。

とてもストレートでクレバー。仙人かと思ったら若いコンピューターエンジニアみたいだ。LA のガレージの。

’70s の Westwood の楽器屋では、誰もが集ってジャムしたり、あーだこーだ改造のアイデアを出し合ってたという。どんなんだったろうな。
楽器じゃないけど、2000年にふと Weyburn ave で手に入れたサングラスが好きなのはやっぱり、そういう場所の力なのかな。

…その眼鏡屋さんはまだ健在らしい
クリップオンはまだ壊れたままだ

going down like a lead balloon

Lou Reed の 1st solo。あぁこれこれ、やっぱジャケと同じくらい滲み出てる音楽。

2曲目 Going Down のピアノって、Nicky Hopkins だろうなと思ったら

Rick Wakeman だった。
ずっと聴いてるつもりだったけど、全然わかってなかったな。
ギターは Steve Howe だし。
録音は1971~72ってことは Yes の Fragile の直後。なんてこった。

John Lennon のレコードで歴史に残るドラムを叩いてるのは、Alan White だし、
プログレとロックンロールの関係って面白い。

“Lou Reed” アルバムに戻ると、これまた最高のドラムは
UK の名ドラマー、Clem Cattini。

Donovan の “Hurdy Gurdy Man” でも叩き、45曲もの UK No.1 ヒットに参加。
2010には Paul Weller のアルバムにも参加した、伝説の名人。

「ボーナムみたいに長髪の自分はありえない」から Led Zeppelin 加入の誘いを蹴ったとか
根っからのセッションマンっているんですね。


タイトルは同じく Led Zepp 命名のきっかけとなった Keith Moon の口癖をかけ。
lead balloon って鉛製の浮かない風船 =「大失敗」って意味らしいけど、なんか別の味わいも感じたりして。

1984、Nena の 99 Luftballons を英語に訳するときに意味の通らない “Red Balloons” としたのはもしかして、そういう流れをもじってたのかな?

はるまきはんぶんこ

朝は何かとクリエイティブな思いつきの時間だ。

はるまきはんぶんこ

というユニット名を考える。

なんのユニットや。


午前中も午後もくだらない駄洒落と食べ物のことばかり思いついていたのだが

(いつものことだ)

雨の日曜日は腰を据えて音楽をするに限る

っていうんでそれなりに探求した。

例によって、やりかけの五線譜を追ったり

それは古いクラシックギターの「現代奏法」本をどこからともなく見つけ出して
右手を最初からやったり

その中に Saltarén という曲があった。スペインの古い舞踏曲らしい。
まだ取りかかっていないのにおこがましいけど、この題が気になる。

ん? サルタレン? 猿田蓮?
イタリア語で「跳ねる」っていうのからきてるのか。
ストリングスのサルタートっていう奏法と同じかな。


あっちの言葉的につながりがあるのかはわからないけど
サルタというと Sultan、オスマン皇帝を思い浮かべてしまう。

先日しばらく書いたビザンチン帝国を滅ぼしたのは Ottoman Empire = オスマン帝国。
難攻不落の城壁都市、コンスタンティノープルを何度となく包囲し、遂に陥落させた後の略奪と残虐は、それはこの世の地獄だったらしい。
違う宗教同士の争いの深さを、思い知る。

西欧世界と東欧〜中東世界(それだけではないが)のどちらにとってもこれは難しく深い溝だと思う。がともかく彼らはその深い傷を負って、その後も連続的に世界は成り立っている。

トルコ行進曲、Zildjian や Istanbul のシンバル。音楽もだ。


サルタン、といえばもう一つ、すぐに連想するのは Dire Straits のあの曲である。

Sultans of Swing / 悲しきサルタン

何故か、世代問わず人気あるんよね。これは僕もアナログで持ってる。そういや彼もいっつも弾いてたなぁ。

なんともいえない歌詞が気になっていたが、曲の由来そのものは知らなかった。この Sultan も、そのまんまオスマン帝国のスルタン由来の「絶対君主」っていうニュアンスなんですね。

「スウィングの帝王」っていう名で場末のクラブに立つジャズメン。当時の UK の若者は「トランペットの入ったバンドなんて聴いてやいない」。それを題材にして歌うのは、名前からして売れないロックバンド。

そんなレコードがいきなりヒットするってんだから。
「苦境」というロックバンドはスターになったけど、クレオール・ジャズバンド “Sultans of Swing” は売れたのか?

今の日本ならどうだろう? MITCH さんとジョーの影響で、トランペットの入ったバンド、めっちゃ増えそうだけどな。

さすがやね、クラブ進駐軍。

f#dc#af#gf#

ほわっとしているようでそうではないような SSW を少し深堀する。

どうやら昔思っていたより遥かにパンクなようだ。まぁあの街だからな。

その人のレコードで弾いているベーシストにはおそらく少なからず影響を受けていて、
名も知らなかったがラインも音色も、いいセッションマンの見本みたいな人だった。
やはり。

NYC。いつでも行けると思っていたけど。

夜はいつになく早く眠る。

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