うみのまち

umi no machi – セルフライナーノーツ #1

アルバム収録の全九曲について、不定期に綴っていきます。


うみのまち – December 2023 to November 2024

Apple Music

しずかにはじまり、しずかにつづいていく。うみと私たちのように。

昨年の暮れ、身近なまちとうみ(湖、海)を思って曲を書き始めました。最初の行ができて年を越 し、海岸で日の出の写真を撮って年始の挨拶にしようと思っていた午後、北の海岸であの地震がありました。心がフリーズしたように、どうすればよいか、わからなかった。

3月になり、ようやく形にした “sea and lake” というインストゥルメンタル曲を Bandcamp でリリースしました。微力ながら、能登半島地震への義援作として。

僕は石川県の現状をこの目で見れてはいません。震災に豪雨。知人とやりとりしエンパシーを飛ばしても、現地の方々が実際に体験されていることには到底及ばないでしょう。

場所は違えど水辺で生きる自分が、常に想像せざるを得ないこと。自分を通過しふるわせたもの – 僕にできたのは、これらを言葉と音にすることだけでした。曲は6月にでき、11月に音を仕上げました。

自然と共に歩む人々に。つくっていくもの。失うもの。それでも。

Spotify

サウンドは、南米音楽の影響と日本の「間」を、少ない音で表しています。

* この曲の配信販売収益の七割を、能登半島地震の災害義援金として寄付しています。
* インストゥルメンタル曲 “sea and lake” は、Bandcamp 販売からの全額寄付を継続中です。
ご賛同いただける方は、よろしくお願いいたします。

sea and lake at Bandcamp

umi no machi

umi no machi / Ray Kondo
12.25 digital release

2年ぶりのアルバムをリリースしました。

常にメタバースで行動する僕ですが
この日にクリスマスとほぼ無関係なアルバムを出すというのは
やはり型破りすぎたようであり

外での告知は明日、12.26 の午後からになりそうです。

それぞれの曲について、色々と記したこともあり、その際にはぜひお読みいただきとう。
追ってこの記事も更新します。

とはいえ、配信はしっかりと開始されており。

みなさんよいクリスマスを。そして各自楽しんだら
いつでも、意識と無意識の音楽を聴きにおいで。

配信リンク (friendship)

Apple Music

Spotify

introduction

ミラをのぞむ

曲の題

タイトル。名前。
これって重要です。

クリエイティブで、
独創的にも普遍的にもなれるとこ。

「さくら」っていう曲がこの世にどれだけあるか計り知れないし
“quiet storm” っていう曲も結構あったりする(しかもジャンル名ともされている)

でもそれぞれ違う。

僕はごくごく普通の題をよくつけるけど(あかりをつけたら、とか)
変な造語もよくつけます。

「サイドミラ」もそのひとつ。
アルファベット綴りがいろいろありえるので、
便宜上、”side mira” としてあるけど
mirra でも mila でもよくて、さらに前の方も違うかも、と思うことがある。

日本で僕らが使い、認知している言葉と音と事象
これらは海外だと全く違う意味だったりする

音楽やってる身としては、把握できる言語が限られていても
アンテナにひっかかった部分はやはり気になるし、
聞き違いはあかんやろ、いや、それが大事やろ、
あるいはそれこそが世界には必要じゃないのか?!
空耳から違う価値観の扉を開くってことが!
ぐらいに、誇大妄想してしまうところ
(厚かましい…日本語詞もまだまだなのに)

ようするに自分自身もよくわかってない、ことばと音を
あとから再発見してるわけです。いつも


「サイドミラ」は、もちろん車のサイドミラーから来てるけど
それだけじゃなくて、「ー」を切ることで屈折し、変化する。

水から跳ねたウオのように。

跳ねた瞬間にトンボ (dragonfly) に捕まるかもしれないし、
着水地点を間違えるかもしれない。上がった時は昼だったのに着水したら夜だったり。

「ミラ」を、複数の綴り含めて調べると色々なものごとを指している。
カナダで AI を研究してる機関 Mila
ロシアで「可愛い」という言葉 Милая
アナトリア半島にある宿泊地 – 日本の「お手玉」の起源はアナトリア半島という説がある – 偶然
スペイン語だと「ほら見ろ」 Mira
日本だとダイハツの軽自動車がミラ
宇宙だと鯨座の変光星の名前がミラ。
ガンダムだとスペースコロニー「サイド」をミラーに、という愚か極まる兵器もあったっけ。この場合は side であり、cide(書くも悍ましい意味)とも言えてしまう。

今読んでいる山崎佳代子さんの本によると、セルビア語 の mira は「平和の」。
2,000年の間に115回もの戦争に巻き込まれた国。ベオグラードはこれまで44回も破壊された街。
気が遠くなる。

そのうちの一つ、大トルコ戦争末に周囲の大国たちが円卓会議 (round table) につき、1699年に講和条約を結んだスレムスキー・カルロウツィ(カルロヴィッツ)
そこには kapela mira(平和の聖堂)があるという。

あるばむ 24

ようやく、アルバムができました。

5月ごろから準備し、7月から3つのシングルを先に出して、アルバムへ…
という壮大な計画だったのですが、途中で久しぶりのライヴや制作の手伝いが入ったりで小休止、
10月になって、入れるつもりだった曲が相次いで「これじゃない」メッセージを出してきて
6曲外して新たに書き加えたり、結構大波のあったアルバム作りでした。

11月になり、4曲もシングルで出したんだから、あとは余裕やろ、と思ってたのに
そうもいかないものです。

結果は9曲入りの30分。
自分の中では6曲はシングル、2曲はシングルB面、あと1曲もハマれば無限リピートできる(ん、これが一番いいのかも)ぐらいの作品になりました。

そうやって大口を叩きつつ、これって人に聴かせていいのかな、とびびりまくるのが
小心者のサガなのです。

結局リリースは 12.xx に。
年明けにする手もあったけど、やはりこれは今年の音楽であり、ことし自分だけの中から解放(リリース)してあげたい。

なぜなら、来年は何が起こるか、それはわからない。
ここ数年知ってしまっているから。僕だけじゃないですよね。

その時はそのときにできることをするしかないだろう。から。

続きは、また記します。

よき日を。よき夜を。

サイドミラ

サイドミラ / Ray Kondo
2024.11.22 release

アルバムの前に、もう一曲シングルを出しました。

10月の頭、名古屋の素敵な本屋さんに行って
谷川俊太郎さんの「定義」と
内田麟太郎さん、nakaban さんの「ひとのなみだ」を買ってきたのですが

そのとき、地下鉄の階段を登っていると
踊り場に鏡があって
「衝突回避ミラー」(だったと思う)と、わざわざ説明書きしてあったのです。

なんだろな、これ。

って、そのことが妙に引っかかって、
次の日かその次だったかで、できた曲がこれです。

裏話はおいおい。

配信リンク

sensa – こちらでもいろいろコメントしています。

とめがね

雨の上の満月のあと
日曜は素晴らしい天気だったし

各地でいいイベントいっぱい開催しているし

満喫したかったのだけど

自分の音楽にかかりきりで

とても動けない状態が続く

久しぶりに運動し、帰りに海に数分寄る

それが精一杯の11月17日

lullaby

今日リリース
大橋トリオ最新アルバム
GOLD HOURS

“lullaby” の
日本語詞を
かきました

マイキー
Michael Kaneko の
英語原案に
僕の日本語という
共同作です

自分だけで自由に作るのもいいけど
こういう形って実は
方向性が見えて面白く
結果的に世界が広がるんですよね

機会をいただき感謝

曲 演奏 アレンジ 歌 音作り
自然にすっと入るけど
聴けば聴くほどすごいのは
相変わらずです

広く聴かれますよう

170 degree

久しぶりに外に出る。

長く音楽に向かっていた。楽器にヘッドフォン、マイクにディスプレイ。
メモにコーヒー。サイアムにグレートマウンテン。
指板に、フレットのない指板に、すぐに傾くクリップチューナー。
アイデアスケッチしようと録音開始すると数分待たせるサーバー。それは永遠。

ミキシングルームがないので作業はヘッドフォン。たまにリビングで音を出す。
マランツのアンプと ELAC のスピーカー。
あとはカーステ。

何百キロも離れたスタジオに入りたいと思わないわけでもない。
最近はホームスタジオも増えた。知人の多くは自宅で音楽を作っているし、
むしろその先頭を切っている。

だがここは170度ぐらい違う。

限られた時間に録る。または練習する。

音を出せない間に、アイデアを練る。

シンプルイズベスト。レスイズモア。

そして今書いたようなことを全て忘れ、外に出た。
何をしたっけ。もう覚えていないよ。