アーカイブ: 2024年1月

螺旋と糊代

ある週末の記録。

この前と同じように、名古屋経由で西に行く。

10月、12月、そして1月。いや、12月はそのまま折り返したのか。

まず三重へ。正月明けからすぐにでも行きたかった nest にようやく辿り着く。

なぜならここは、降りてくる巣なのだ。なにがだ。

とはいえ、なんとかして自宅や湖周でインスピレーションを掬い、織り込んだ作品は
漸く完成した模様で、今回は喫緊の「降りてくれなきゃ」はない。

jazz の燈の下でふみつけるきおく。
実際、頭を空っぽにしたかっただけかもしれない。

雪景色を撮りながら、今じゃすっかり慣れてきた IC からのいく通りかの道を折れ、
名古屋に向かう。

逆やん。

逆やけど。今回はそうせやな、目的を達せられへん。

ライオンシアター、Kitri を観にいく。

入ってみるとなんと! “ライヴハウス” やん。
懐かしさと不思議なアットホームさを感じ、後ろで観る。

キトリを観るのも3年ぶり。社長さんの計らいだが、
俺、こんな歌上手い二人と一緒に、ハーモニーやってたこともあるんだな。

オーチャードホール、記録に残らないあの曲が蘇る。いや、でけへんけど。今は。

バンドネオンより一回りこぶりな、〇〇…なんて楽器だっけ
(コンサーティーナというらしい)

手動エレクトロニカ、連弾になったと思ったらすぐに右側に戻るヒナさん。

フロンティア、というか、パイレーツやなぁ。

女海賊、二人組、みたいな。

京都。学生時代からの友 Uくんに会う。
Stewart Copeland の “Police Diary” をお土産代わりに持っていく。

小綺麗になった学食を訪れ、喫茶店で色々話す。
ポリスとツェッペリンとビバップについて。ドラムについて。

阿闍梨餅をいただく。

音楽サークルもバイト先も東京もアメリカも、
一緒ではないけれども、パラレルに体験してきた友だ。
4年間の空白も、もっと前に戻せる。かけがえがない。

別れを告げ、帰る前に、今日こそ恵文社に行ってみようと思い立つ。なぜだか自分の中で敷居が高かった。

ダメ元で、しばらく消息がつかめない友に打診しつつ、一乗寺へ。
本屋のすばらしさに感動しつつ、なんと連絡が取れている。少し会う約束をする。

光嶋裕介さんの「ここちよさの建築」を買う。

秋の On Reading と逆のパターンで、その後でギャラリーに寄る。
展示がすてきだ。

海辺や夜の…青… がきれいなのだが、それだけではない。

暖色も、きりっとした輪郭も、やわらかさと同居している。
プレパラートから観た景色とでもいうか。

理系と文系のまじった画風というか。ありそうでない。

作者の萩結さん、少し話すと、浜松の方だった。

また好きな作家さんが増えた。

ギャラリーストアで売ってたカメラオブスキュラのミニチュア、欲しいなと思いつつ断念し、
書店を出、Kくんに会う(イニシャルが僕と同じだ)。

彼とも4年強、会えていないのに、ニックドレイクの Pink Moon や
彼とジェームステイラーのストリングスアレンジの「ねじれ」や
ギターが「なりすぎない」こと、ふつーに話せる。何事もなかったかのように。

ひとそれぞれ。このコロナ禍、止まったことも変わったことも、苦労もいろいろ。
それでもふしぎなことに、全然違う螺旋時間をつなぎとめることができる、謎の「のりしろ」があるようだ。

蹴上から京都を出て、いつものように高速に乗り損ね、ぐるぐる回って、夜半に帰着。

いいことがいっぱいあって、けして晴れてない夜空に

冬のダイアモンドが、まじで光ってた。

カペラ、ポルックス、プロキオン、シリウス、リゲル、アルデバラン。

七日

ことばに無力を感じ


といいつつも、それは常にそうでありつつも、
今年はちゃんと形にしていけるよう、やっていきます。

またお知らせできるかな。


演奏について

…思うのは、いろいろな角度で
弾くこと、聴くこと、楽しむこと、努めること、ふざけることを経て
やっと味のある、説得力のあるプレイができるのだ、ということ。

これは若い頃から思っていたことで、できる限り実践したとは思うものの
ここ数年振り返ると、つくづく穴が多い。

もちろん、自分の境遇の大きな変化もあるが、多角度に加えて縮尺の振れ幅に
毎日驚くばかり。逆を返せば常に新鮮。

長く聴いてこなかったタイプの音楽を久しぶりに聴くと、新しい発見がいろいろあったり。
耳は確実に肥えているから。
脳のどこかが勝手に制限をかけてきたつもりでも、実はキャパは増えていたりするのだ。

変わることと、変わらないこと。できることと、てんでダメなこと。極めるべきこと。
難しいからいいこと、簡単だからいいこと。うるっとすること。
今年も追っていこうと思います。


北陸の状況

報道や SNS、知人から伝わり知れる範囲ですが、物資や輸送、天候、余震、地盤、原発、
とても心配です。
被災された方々が日々、辛さをほどけ、少しでも早く。

義援金といってもどこの主催がよいのか、などと悩んでいましたが、何がベストかなど結局わからないわけで、県庁や、使っている金融機関に、微力ながらお送りしました。
いろいろな経路を通して、全国から大きな額が寄付されているようですが、本当に困っている人たちに行き渡ることを切に願います。

twenty-twenty-four

謹賀新年

平和を望みます

いつものように海岸で、年々賑わってきている元旦の太平洋岸で写真を撮りました。

ただし今回は色を想像に寄せました。

イメージに近くなって、公開したいな、と思っていたのですが、
西陽の入る部屋で、初仕事に向かっていると
揺れを感じました。

遠い、がとても大きい。

本州の反対側、日本海、能登が震源。


北陸は、子供の頃は若狭湾に海水浴に行ったし、
雪の加賀温泉は特別な思い出です。

学生時代は、能登から来たMくんに大きく感化されたし
…彼はインドに行ったきりですが

それからだいぶ年を経て、演奏で魚津や氷見に行き、街並みや漁のこと、高岡の工芸、
また南砺や金沢、行けたところも、まだのところも含めて
北陸にはどこか、里帰りのような、ルーツの感覚があります。

なかなか状況も伝わらず、行くこともできず、
あっという間に立ち上がった義援金もどこがどこまで信頼できるのかわからず
(それも言い出せばきりがないのでしょうが)とてももどかしい。

でも被災した方々はそれどころではないでしょう。

少しでも被害が早く、軽くおさまりますように。

ことに輪島や珠洲や穴水、七尾で、平穏な日常は遠いのかもしれませんが、なんとか命を守り、
避難所でも辛い思いなく過ごせますように。

よりによって元旦になんで。
だけど人類が決めた暦も、天体からみればごく僅か。
かないません。僕らは自然のこと、少ししかわかっていない。

それでも、人間ができることはあるはずです。

愚かな間違いを冒さないように。火事場泥棒に走らないように。
自然を畏れ いのちと共に慈しめますように。

現地の方々が身を挺して救助や支援をされている中
すべての文字が無力に思えてならず、更新もできませんでしたが

願いをこめてご挨拶とします。

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