アーカイブ: 2013年6月

Bob Dorough は語り続ける

初来日公演、最高だった。

リアルタイムでない僕は10年前に偶然 “Up Jumped A Bird” を知り、
そのすっとぼけた唄い方とおかしな変拍子と複雑な進行に
人生がひっくり返るような快感を覚えたのだ — 高校時代の不思議な世界史教師との出会い以来に。

今年で89歳とのこと、既に10年前で79歳(そのアルバムのリリース時は73歳か)。
その時点でもすごい年齢なのに、なんて若くて無邪気で大人なヒトなんだ。

残念ながら “Up Jumped…” はなかったが、
“But Not For Me” から大好きな “Better Than Anything” から
“Three Is A Magic Number” から、それから、”Zero” という曲までやってくれた。

真ん前で観てたぼくは、うれしくってさー

Blue Note でしっかとライヴを観るのは久しぶり。
昔観た Meshell (’02) も Zap Mama (’04) も素晴らしかったが
今回はちょっと、全く期待通りなんだけど、やられたなぁ。

ベーシスト Pat O’Leary もジェントルマンかつ、乗ってくるといい絡みをしてた。
マイク〜アンプのみってのもよかった。音量じゃない。音の震えだ。
久々に、Golden Spiral の1〜2弦に戻そうかと、思った。

それから、改めて思った事。

音楽の面白さは、縦軸を揃えることじゃない。
縦軸をどう揺らすかだ。

Patti

金沢の白鷺美術の二階、その日の控え室の一角にあったバスドラムのヘッド。

1月に来日したPatti Smithのコーナーでした。

左上のインタビュー記事を読んでいたのだけど、しびれた。

「絆」や「富士山」を言うにも、ほんとはこっちだろ。

日本ではこういう言葉が、人の目を逸らすために巧みに使われる。
いや、アメリカも大いにそうだろう。だから外からの鋭い目じゃないと本質が見えないことがある。

そうやって、人は助け合うのかな。

デンキの武者

久しく聴いた事がないぐらいの歪んだ音がどこかから聴こえた

ヘッドフォンだろう Macがクラッシュしたか

音はちがうところから湧き出ていた

何かのイントロのように聴こえるその音は

マークボランの顔をした90年代ロックだった

なんでいきなり鳴り出したんだろう、このおもちゃ

2時間ほどすると 得体の知れない地底の声が聴こえ出した

どこかのかばんから呻いている

それはペンギンの目覚まし時計だった

なんで今頃? 最後にくちばしを触ったのは3年前だ

最後に電池を入れたのは12年も前だと思う

連鎖は連鎖をよぶ

shirasagi

今日はこんな素敵なところ

塀から設営中の会場を見ているとダンゴムシ

「ダンゴムシのいる風景」がなかなか撮れないので虫と再演交渉したものの

やがてあきらめて他の虫を探すと

いた…

pam

富山で二日滞在。

すばらしいところ。

食べ物、空気、静けさ、驚きも多いが

これがすごく気になっている。

環日本海・東アジア諸国図

以前どこで見たんだっけ…安冨歩さんのサイトかどこかだと思うが

これに基づいたような計画を持っている人の話を聞いて、目と耳から鱗。

(なんだか、地図転載には県の許可がいるようなので載せてない)

この地図を見て、文化的な広がりと見る人と、

逆に軍事的に捉える人といるようで、

僕は前者だけど、

少なくとも、目を逸らしたくはない視点。

So in the springtime

4月の土屋浩美 at Saravah 東京より。

ONE MORE KISS DEAR

“Blade Runner” 挿入歌、Vangelis の名曲をカバー。
原曲は Hasro & Bokka でやりたいぐらいのアーシーな匂い。
こちらはレコード「トパーズ」バージョンがミニマルな vo & chorus オンリーだったので、トリオで Brian Blade 辺りのイメージで。
そう、ぼくが珍しくアルコ弾いてるんですよ。観てください。

NUDE

Hiromik Ladder のはせはじむさんリミックスバージョンを人力で。
矢舟くんのピアノ、ええ味出してます。
この曲はいろいろあって、コードを前半後半、共に大きく変えてますが、
多分初めて聴いても違和感ないと思う — この形態でも録音したいですね。

エスカレーターをのぼったら、そこから2階へ

お誘いを受けて、奏者たちで観劇。
日曜の日本橋はある意味トライベッカ。

エスカレーターで6階まで2度上り下りし、
そこから歴史ある階段で2階に上る。

尾崎紅葉の「金色夜叉」が未完だったことも、
小さいころ祖母がよくテレビで見ていたこともはじめて知った。
来年の今月今夜のこの月を…って台詞。

未完故に色々な解釈で舞台/映像化されているようで、結末は衝撃的。

貫一の「夢」の中で心情の裏の裏まで暴き出し、そして本意を隠して「この世を去る」
水谷さんの満枝は凄かった。

その夢の中、互いに良く知っている筈の愛子と宮が、初顔合わせのように振る舞っていたのが
「これは夢」だというヒントかな、後から思えば。

「女は月を指差しながらも、月ではなく自分の指先を眺めているものだ」
「馬車に揺られて通う舞踏会ではなく、夫が曳く人力車で向かう花見の方に真の幸せがあるとなぜ気づかぬ」

…(記憶があやふやで台詞は違うと思うが)深い…

マイクを使わず全くの地声で二階席の端まで聴かせる、観せる役者さん、
別次元の人たちだと改めて思う。

 

劇場を出ると6階に戻っている。
宝石店、時計店 …
あまりこないエリア。

ふと飛び込んだフレーズ
「松坂牛」
目を疑う。
ショーケースを見ると
時計バンドのブランドが「松坂牛」だそうだ。
世の中いつのまに。

帰りは、エレベーター。

魚群探知機

日本、フランスの最高権力者がどう考えていようとも

これからの日本人に必要なものはポスト原子力のエネルギーであり
シュールな原子力夢から醒めた翌朝の後始末だ

そして2年間で物事を忘れるという旧・日本人類からの進化だ

フランス人はどう考えているのだろう

これだけ真実が速く伝わる現代は
これだけ嘘も速く伝わってしまう

薄く、広く、何度でも
話題を変えて、どこからも

端末に向かう僕らは、末端だ
勝者のつもりが敗者になっていることに
気づかぬ鏡の世界の住人だ

だけども、時折そこから少しでも離れてみれば
何がおかしな流れなのか、自分はどの流れを作って生きるべきか
わかるはずだ

時に魚よりも愚かな人類だけれど
もう魚群探知機に追い回されずとも、生きられるはずだ

そう思う

明日も末端となり、人類となり、生きよう
おやっすみん

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