カテゴリー: muse

81-18 x 2

昨日も全然ちがうところで

「1984」の話をアメリカ人から聞いたのだけど、

現実が「真理省」に接近している今、

メディアで仕事してる人は、大変なんだろうな、

居場所はあるのかな、戦ってるのかな、

しっかり上を向いてるのか、萎縮してるのか、

それとも気にしてないのかな。

こんな中で続けている人には敬服。それには違わない。

メディアに圧力かけてた人たちが

言論弾圧の被害者面をして絨毯をめくっているのが

ひどすぎて、こちらは前羽と後翅を伸ばして

異世界にでも行きたくなる。

真理省とファンタジー、どちらもあまり、長居するところじゃないな。

とはいえ、感覚は研ぎ澄まされてくる。


トラック。

1マイクだけか、2トラックだけか、でも作品は作ってきたのだけど、

時折、やたら沢山のトラックを並べるときがある。

打ち込みでもないのに4〜50トラック、マイク録音を重ねたりしてると

やはり、何がよかったのか収集がつかなくなる。

あともどりも嫌で、いつまでも、さきのばしをするのだが、

今日はバッサリ、切り落としてみた。

テンポも変えて、全部ゼロからやりなおす。

手応え。その方が面白い。

一匹狼とスガンの山羊

僕は

一匹狼の人が好きで
群れる人は好きでなく。

意見や価値を計るのに
「人の数」は人類共通のものさしで

スーパーの売り上げも
手袋屋の存続も
選挙も
人や物の「数」で成り立っている。

だから、人は「人数」を集めるために
日々、奔走する。
知力、体力、全力を使って、人の数を増やす。

商品を買ってくれる人の数
リコメン記事に反応してくれる人の数

魅力、魔力、威力、表面張力。

閑古鳥ギャラリーを維持してくれる人の数
ライヴに来てくれる人の数
再生してくれる人の数。

フォロワー数、いいね数。

なので、僕の価値観は
そもそも現実にかなっていない。

21世紀もクォーターに近づき、
クーの理想はますます遠のく。
こまっちまうな。

僕が人と群れるのが好きで
流行りが好きで社交的な人が好きで

だったら楽なんでしょうね。


群れはいろいろな形をとります。

「一致団結」すればスイミーの仲間も
大きなマグロを追い払えるとか

よさそうです。

ほんとかな。


群れは、いいリーダーがいて
はじめていい動きをする。

ひどいリーダーがトップに立っている状態で
群れることを強いられる人々はどれほど辛い。

それとも、そんなこと気づかない。


今日も、それはひどいニュースがあって、
結構落ち込んでいる。

音楽は、体制翼賛に組み込まれたら、
それはもう、軍歌の時代なのさ。

まずは餌を与えられて、次は手綱を握られて、
次はあらゆる表現が、おかしなことになってく。

出来の悪い、漫画の中の話なのさ。


そう、コロナを「奇貨」として
あらゆるドミノが、悪い方に崩されていく。

もう少しいい、ピタゴラスイッチは、
ないのかい?

そんなものに、頼ろうとするから
ダメなのかな。


燕がまだ宙返りする古い街並みで、
フィラメントの列を懐かしく思い

バーバーのあの模様って、回転ネジ式なのか上がってくのか
今日と言う今日は…
わからぬまま、夜が更けてく

H.C.J.

本日の発見

みるみる大きくなった
バジルの株分けをしようにも
プランターがない

いなくなってしまったメダカの
桶を利用しようと計画し
そこに穴がないことを知って
漸く気付く

メダカの水槽ではバジルを育てることが
できない

プランターではメダカを育てることが
できない

よって次の推論を行った

メダカは
重力生物である
閉じられた水空間でしか生きられない

バジルは
土空生物である
そこそこな土と水の動きによって生きられる

われわれは
なんだろうか

 

さて、Here comes July,
2022年も後半である。

徐々に音楽活動を再開していきます。
といっても基本、ライヴは行いません。

詳しくは、おいおい。
おいおいって、おいおい。

おーい。

よき船出を

小坂忠さんの HORO を聴く。

学生の頃に、後輩(変な言葉だ、たまたま次の年に入学しただけなのに)たちがカバーしてて
京都の拾得でやったりしていた。

ほうろう も ふうらい坊 も、そこで初めて耳にしたのだと思う。
そのバンドのシンガーで、レコードコレクターで、風来坊を絵に描いたような、
たぶん熊本あたりにいる S くんという人は、かなりいい声をしていて、
その彼の声の記憶と小坂さんの声で、二倍に楽しめるレコードでもある。
あくまで個人の感想である。

矢野さんアレンジの弦も、細野さんの空間ビート、
林さんのスネアにも改めて惚れ惚れする。

雲の上に到達してるのがわかる。
気持ちいい。視界無限。

小坂さんは確か2000年だったか、Groove Dynasty という国際フォーラムでのイベントで
Tin Pan のゲストで出演されてたのを観たのが初めてで、唯一だった。

音がゴワンゴワン回る…当時は…会場で、Tin Pan の隙間を生かした演奏は圧倒的にかっこよくて
小坂さんの歌も最高だった。

唯一、お会いできたのは新幹線の中だったか。金沢駅に到着する少し前、数年前。pf の小林さんの横で一言だけご挨拶できた。もう二ヶ月も前に出航されて、とうに外海でしょうか。

SNS をしなくなると本当に色々なことに疎くなる。

r.i.p. っていうのはこの人のためにある言葉ですね。日本では。
そして von voyage.

Limelight

ふと、Rush の曲を思い出す。

超テクバンドで、なにせベースがブリブリってことで
周りですごく人気があった。

Geddy Lee.
ベースもなんだけど、あれ弾きながらあんなハイトーンで歌ってるんだ、ってんで、風貌も相まって彼は「魔女」だった。Tina Weymouth と違った意味で。

僕も何曲かバンドでカバーしてた。ベースだけだが。
Big Money や YYZ や、結構たくさんコピーしてたと思う。ガキのころはとりあえず指は動いたので、できないことはないと思い込んでいた節がある。

その後は Chris Squire に感動し、音色や緩急での空間表現みたいなところに惹かれていった。
本当の意味での Geddy の凄さは、まだわかっていない気もする。

彼は Aimee Mann(というか ‘Til Tuesday)の曲にも参加したことがあるっていう*
今思えば不思議。

Big Money は今でも気になるテーマだが
Limelight って曲はときおり思い出して、しんみりする。
またじっくり歌詞を読もうかな。

っていうか、すっげぇ深そうだ。

* 記憶違いで、Aimee が Rush の Time Stand Still で歌ってる。’Til Tuesday の 3rd に参加したのは Marcus Miller やタイガー大越さんだったか。ちなみに僕は Aimee のベースが好きだ。

無音と実音

ほんの少しだけ足したいっていうときに
やりはじめると必ずいっぱい足すんだけど
必ずまたミュートすることになる。

「音楽の中へ」

矢野誠さんのオフィシャルサイト が開設されていました。

矢野さんは音楽界の宝であり

…と僕が書くのはちゃんちゃらおこがましいですが

あの「ハイサイおじさん」をアレンジした方

と書けば、少し分かっていただけるでしょうか。

日野原幼紀さんの超名盤「螺旋時間」

鈴木茂さんの「デビル・ゲーム」や

矢野顕子さんの「いろはにこんぺいとう」そして驚異の「へこりぷたぁ」

児童合唱団とアフロビートの衝撃、岡部知子さんとの「ショボクジラ・チビコブラ

しかも New Wave 期のロンドンでは、ジョニー・ロットンとルームメイトだったとも

でも日本の音楽全般にかなり疎かった僕が

矢野さんのことを初めて聞いたのは

当時ひょんなことから知り合ったLA在住のプロデューサー&キーボーディスト

難波正司さん(Tedさん: ハモンドオルガンの名手、ロック〜フュージョンまで活躍後、渡米)からでした。

Ted さんが、帰国前の僕に Voice of Japan の亀渕さんをご紹介くださって

そこで長年弾いてらしたのが矢野さん

とても普通は考えられないようなすごい仕事をする方…と。

でも実際に矢野さんにお会いしたのは VOJA とは全然違う経路で

ハチ公前で生ベースとボーカルの二人だけで路上ライヴをやっていた時に

観てくれてた DJ の男の子にイベント出演を誘われ、そこでレギュラー出演していたのが…

という不思議な流れ。

やがて、矢野さんのライヴにたまに混ぜてもらったり、たまに電話くださったり、観に行ったり。

それから…脱線していくとキリがない。

自分のことはさておき、

公式サイトの “Bio” からリンクされている ロングインタビュー はとても濃厚なので、ぜひご一読をおすすめします。

とにかく、羅針盤のような方、です。

happy birthday!

wrist

先月末から、左手首を壊している。

活動再開準備とか言いながら縁起でもないが、

エレキベースを弾くには支障ないものの、特定の楽器や日常に、結構支障が起こっている。

僕の場合身体が細いので、パワーやスピードを出すために手首や肘を極端に酷使してきた。

…ということに、壊してはじめて気づく。

いかに自由自在に回転運動を行ってきたか。

あるスレッショルドを超えると痛む手首に、認識する次第である。

と同時に、どこまで動きをセーブできるか、他で補えるかを知るいい機会でもある。

そんなこといいながら、アコースティックベースもほぼ問題なく弾ける。

グラスを棚に入れたり、暴れるエンジンを制動したり、そんなのは厳しい。


身体を痛めるのも考えようではプラスになるもので、

僕が学校で音楽を習っていた頃に手を壊してほとんどピアノを弾く姿を見なかった同期の人が

知らぬ間に米国でバーチュオーソになっていたりもする。

人は、そのときどうだったからといって

決めつけることはできないのだ。誰であっても。

バルトリーニの合う楽器

久しぶりに活躍してくれたので、仕舞う前にお疲れを。

次はいつだろうか。

Lakland のベースは Guitar Center で初めて触った時から
鳴りも音も衝撃的に好きで
なんだかんだ言って足掛け4本使った。

Bass Magazine の企画で曲を書き、その場で借りた 55-94 を CD に収録したことがあるし
(その時もらえればよかったが、そうはいかなかった)
CHEMISTRY さんの Space Shower Live 用に買ったものの、その後のツアーではメンテに出したまま調子が治らず、返品してしまったこともある。
(スペシャ本番での音は、最高だったことは言うまでもない)

その後も一瞬、激しく鳴るのを持っていた。
Arashi さんのレコーディングに間に合わず、引っ越しもあって手放した。

赤、ナチュラル、赤、ナチュラル。

一番長く持っているこの楽器は、倉木麻衣さんの収録用に急いで買ったもので
もともとは MINI の車みたいなモスグリーンだった。
だけどピックガードの形が気に入らなくて、その五年後に図面描いて作ってもらった。
オケピの仕事で、誰も観てくれないのに、なんで気にしたんだろう。

その一年後、大橋トリオさんのホールツアーが始まった時に、白に塗り替えてもらって、
数年経ってから、それも剥がれてきて(極薄のラッカーだったので)
オイルフィニッシュに変えてもらった。

この楽器に限らず色々とやってくださった愛知の職人さん、お元気だろうか。
また色々お願いしたいのだけど、様子がわからない。

TV にもビデオにも YouTube にも割と映ってるし、Rec でも CM でも。
見た目はそんなに派手じゃないけど、ほんといい仕事してくれる。

Bartolini のピックアップがこんなに合うベースも珍しい。

昔はこのメーカーの PU がどうしても好きになれなかった。持ってた5弦も、友人のジャズベも、知人のジャズベも、また別の知人の… 要するに、素直にいい音だと思ったことが殆どなかったのだ。

とても評価の高い PU なのになんでだろう、いい音しそうなのに、なんでこんなにタッチと出音が合わないんだろう…? と相当悩んだ挙句、Ibanez の MC や Rick や Factor と出会い、そっちに行った。

Bartolini だけは、自分とは合わないんだ、と結論づけてから何年か経って、Lakland だとオッケーということを知る。

なんでだろう。楽器本体の鳴り方と相性がいいのだと思う。それまで他の楽器との組み合わせで感じた、自分のタッチと、欲しいアタックやボディの位相のズレみたいなのがない。Lakland の方がずっと後発のメーカーだし、Bartolini 側でこれをリファレンスとしたわけでもないだろう。不思議な偶然、かもしれない。

プリアンプやEQもいいのだが、前述のように、パッシブでいい音がする。出力は低くなるが、ほんの少しのタッチが、生きてくる。

あとこの楽器、デザインが、かわいい。コントロールの配置や、楕円のブリッジ、カッタウェイの丸さなど。

Dan Lakin やっぱりすごいな。

コーヒーケトル

珈琲を淹れるにはある時間の流れが必要

朝なのに夜間飛行のつもりで想像だけ下界を見たり

立ち昇る煙に阿蘇山を思ったり

でも身体をじっとさせて数分もそこにいるのは

結構退屈で 少し別の発想をしてみる

コーヒーはハイハット

コーヒーはライドシンバル

自分の左側にやかんを構えれば前者

右側で遠目に開けば後者になる

そして想像の音楽を刻む メロディはあってもなくてもいい


最近、ずいぶん久しぶりに本を買って

読んでいる。細馬宏通さんの『うたのしくみ』だ。

2014年に刊行されたもので、もともとはそれ以前の web 連載だったという。

内容はところどころ知っていて、その中でもひとつは

豊橋のあるカフェの棚で見つけた「ユリイカ」に掲載されていたので

(しかもそれは2004年のものらしい)

衝撃的に覚えている。

松本隆さんのドラミングと歌詞をテーマに、ドラムとシンバル、ハイハットの歴史を網羅した

その辺りがストライクゾーンな私にはマタタビのような怪文書だったのだ。

木天蓼に恍惚とし、フルカウントで三振した私は

その後ずいぶん経って

「ハイハットで閉じた身体」「ライドで開く身体」

とは何か?

楽器奏者としては未だ一寸納得できないまでも、

これをドラム以外の日常行為、

すなわち「珈琲を淹れる」という行為に置き換え、

液体と点滴、時間のグリッドとそこからの離脱を思ったのである。

報告は以上です。

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