カテゴリー: muse

ten ten

見えない下弦に。

この10月は満月が二回もあるんですね。
おかげで moon x moon もあと6曲も残ってます。

次の曲はタイトル未定、詳細不明ですが、
bossa nova

になる予定です。

10.17 release on new moon…

Quick & Slow

Quick & Slow / Ray Kondo
moon x moon series #19
2020.10.2 – Full Moon –

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はやいものってすごくゆっくり


このジャケの写真、ある山奥で納屋にあった農耕具です。

脱穀機ですね。

メカメカしさと素朴さに惹かれ。

満月その瞬間の写真を撮りたい、といつも思うのですが
それを撮ってると、満月のリリースに間に合わない。
間に合うわけがない。

満月少し前の月を撮ってみました。
雲の後ろにかくれてるんですが、雲自体が照らされて、有明月みたいになってた。

それを重ねてみました。
中央左上、しゅわしゅわっとしてるやつです。
蒸気機関車感が出てるかな…

たぶん、伝わってないですよね、ほとんどの人に。

いいんです。
売れすぎると、困るから。


moon x moon と銘打ちつつも
一度も Moon の楽器を使っていなかった。

Moon って知ってますか? プレーヤーには有名ですよね
Fender タイプの日本のコンポーネントブランドの草分けです。

ひとつ隠し持ってたんですよ。ベースではなくギターを。
なぜかヘッドに Technics と書いてあるストラトキャスター

Fender のプレべより、5弦ベースよりも重いアッシュのボディ
フレットほとんどないけどいい鳴りっぷり

昔、ブルースギタリストで楽器屋の兄ちゃんやってた H.O さんから
分割で売ってもらった唯一のエレキギター

最近はガットの他は Yamaha のサイレントギターが取り回しが楽なので
そればかり触ってプラグインでエレキの音にしてたけど

やっぱエレキはエレキ
ノイズが多いけど手に伝わる振動が違う

というわけで、この曲の途中から右に鳴ってるのは、この Moon …Technics… のストラトです。

クイック&スロウ

次回の配信は10.2の満月

It’s so quick
という曲をつくってます

ちっともクイックじゃないビートです。

moon x moon


そうだった、タイトルはこの日記から思いついて

quick & slow

にしました。
(ストアはおそらく Cap & Low – 大文字はじまり)

いい曲です。我ながら。

るいをよもう

るいをよもう / Ray Kondo
moon x moon series #18
2020.9.17

あかりの来ない夜は
何を読もう

新月、曇り空。月と太陽は共に昇り、雲の背中で過ごし、沈む。


これを書いたのは…歌詞ページに日付特定してありますが
ハンディレコーダーによると、その辺り。

その頃は一体何を考えていたんだか。
ベーシストとして、割と忙しくしていた頃、
この辺の写真 もヒントだろうか。

詩集 “flat five” を作る前には曲ができてたわけで
だから早い順番 – 三つ目 – に収めてました。
にも関わらず遅めのリリースです。

もっともこの詩の原型はさらに以前にあって、最初の一行しか残していないのですが。

54-46

… that’s my number…

なんか変なポイントつけられて、バラ撒き普及を目論まれてるこの国の個人番号じゃないよ、
1960年代にジャマイカで歌われてたこと。
彼が服役中の囚人番号とのことだが…根本的には同じですよね、人を番号で管理するんだから。

TOOTS & The Maytals のリーダー、トゥーツ・ヒバートさん
あっけらかんと歌われるリディム、衝撃的であり
その力の抜け方が、マーリーともまた違って最高だった。

Funky Kingston もバンドのグルーヴから音から歌から宝物だったな。2000年代に復活したときのアルバムは音が元気すぎて聴き込めなかったけど、一度でいいから観たかった。

家族に看取られての最期とのこと。ファンの端くれとして、ご冥福をお祈りします。

当時、影響を思いっきり受けて作った「あやまるロック」というのがあるのですが
前世紀の京都でカセット MTR 多重録音したのと、2006年に渋谷で田中慶一、中村翔くんとのトリオでライヴしたのみ。

ほぼ未発表、モタモタしてたら、彼が逝ってしまった。
全くトリビュートにならないと思うけれども、近々 soundcloud とかで公開しようか、いや、せんほうがええのかな。

皿の大きさ

「相互監視と台本」シリーズはあと数回続ける予定だが。

皿の大きさ、というのは、目玉焼きに合わせて皿の大きさは決まっているのだろうか?
という今日の切実な疑問。

下弦の月になってしまった。

次の新月の配信は、もちろん予告していた通り
「るいをよもう」です。

去年の夏頃からライヴでやりたかったのだけど、シンプルだけに難しくて
結局まだ一度も人前で演っていません。

どんな感じになるやら。

ジャケットのイメージその壱を。どこやねんここ。

 

So Green – R.I.P, Gary

Gary Peacock が亡くなった。

この気持ちはとても書き表すことができないので、
僕の人生を決定付けたアルバムを。

Gary Peacock, Art Lande & Eliot Zigmund / Shift In The Wind

最初に聴いたのは彼のペンによる Last First。
知人からのダビングカセットを聴いたとき、
時間が止まり永遠になった。

その後アルバムを手に入れ、ずっと聴き続けた。

冒頭の So Green は Art Lande の曲とされ、
コード進行などは Last First と類似形だ。
どちらがどちらに影響を与えたのかわからないが、
共に僕の中では、Gary の代名詞のような
何ものにも替えがたい、音楽。

まるいみらいと九月

まるいみらい / Ray Kondo
moon x moon series #17
2020.9.2

9月の満月は唐突に。
今年の中秋の名月は10月頭のようです。

この曲は2日前に思いついて一気に作りました。とてもシンプルなスローアコースティック。
弓弾きを重ね、編成は

vocal
gut guitar
double bass (piz / arco / body tap)

これだけです。


夏がセミのように短く鳴き、秋は確かにやってきた。


ジャケットについて

自分の姿は、昨年の11月4日、横浜若葉町 WHARF
あなんじゅぱす の幻灯演奏会「夜の江ノ電」での演奏風景です。
当日の幻灯投影の合間に撮ってくださった田中流さんの写真を、使わせていただきました。
たまたまなのですが、田村隆一さんの「満月」という詩を演奏しているところです。

右側の沢山ある丸い光は、路上で何かを撮ろうとしたとき、焦点合わずに写っていたもの。
場所は上海、大橋トリオのアジアツアーの打ち上げ後か。2017年、何故かこれも11月4日でした。

全体にかかっているのは、砂浜。これは昨年の8月21日で、なんで海に行ったんだろう
石ころや足跡が何か語っているようで、何かに使いたいと思っていました。

まぼろし

先日から読み直して(27年ぶりに)いる本 “Musicians in Tune” 「素顔のミュージシャン」であるが
大変なボリュームがあるので少しずつしか進めない。

とてもいいことが沢山記されている。ミュージシャンを志す人ばかりではなく
続けている人、途中でやめた人、リスナーとして楽しむ人、初心に帰りたい人
いろんな人に、それぞれの刺激があると思う。やはりお薦めです。

先日書いた Genesis の “Land of Confusion” についても、Mike Rutherford の作詞観がしっかりインタビューされてあった。
やはり、昔読んだときはいろいろ、理解を超えていた事が多い。当時は歌詞についても理解が浅はかだったが、無論人生としても経験が殆どなく、ただ「(音楽による)ピーク体験って、すげぇな、なんとなく、わかる気がする」みたいなところだった。

やはり Keith Richards の名セリフが随所に光っている。Anthony Kiedis もいい事いっぱい言ってるね。

実際に社会的、政治的影響力も持っていたロックスター達が、どう権力や社会的影響を捉えていたか。という参考にもなる。


僕自身の曲であるが、今朝起きたら曲が浮かんでいたので、しかと捉えることができた。
満月のうただ。九月の。

歌詞も一気に書き上げて、楽器と唄全部録音してしまった。人生最速。
ミックス、マスターがどこまでできるかわからないが、これを「るいをよもう」のかわりに9/2にリリースしたい、と思っている。

ジャケットをどうするかという問題はあるが。
まぁなんとかなるっしょ。

どんぶらこ

ダイアリーであるからして、近頃は割と欠かさずタイプしている。

が、けして暇こいているわけではない。人とは会わないが毎日忙しく、落ち着ける時間は貴重だ。

フリートウッド・マックをしばらく聴いたところで – といっても、初期の最重要人物ピーター・グリーンを飛ばしているから、モグリといえばモグリなのだが – 改めてジェニー・ボイドの「素顔のミュージシャン」を読み進める。

いやぁ…

これはきくわ。グサグサくる。素晴らしい、と共に、何度も死刑宣告されてる気になる。

彼ら、彼女らがどうしてミュージシャンに「なったか」、あの曲を「創作できたか」が、いろいろな過程を含め、レコードを聴くだけではわからないレベルで、綴られる。それって、凄いことなんだが、

すべては – 将来が見えていた – ということのかたまり、なので。

間違いなく、素晴らしいんだけどね。

やっぱり、今の自分が読むにはきついものがある。「将来」なんて概念、あまりないもんな。
やり残しはいかん、と必死なだけで。どんな自分でありたい、というイメトレは、小さい頃から散々してきたし、ある程度は実現したようだけれども、今、それだけじゃ根本的なところは叶わない、ということを思い知っているわけで。

近道なんてもともと存在しない。何度も後戻りし、納得したところでしか進めない。

子役俳優からドラムに転向したフィル・コリンズ。幼い頃から町の社会で「画家」扱いされていながら、敢えてソングライターになるためにギターを取ったジョニ・ミッチェル。祖父も叔父も偉大な映画音楽・劇伴作家であり、いくらピアノが上手くても当然としか扱われなかったランディ・ニューマン。テキサスではフットボールに馴染めず吹奏楽、ドラムに道を見出し、やがて叩きながら歌う術を見出したドン・ヘンリー。ドロップアウトしドラムのカタログを見ながらひたすらドラマーになる事を信じ、習うのではなく、バンドマンとして叩き続けたミック・フリートウッド。

道は違えど確かな裏付けを重ねてきた先達の話が、幾多の「いい話」と共に、己にスパイクで蹴りを入れる。

たぶん、人生舐めてたんだと思う。自分は。今頃気づいたか。

コロナ禍を差っ引いても、やっぱなめてたな。

とても歯が立たない、幻想の未来。


だが。

ほっといても、きてしまうんだよ。それは。

まだこないものは、やがてくる。誰にも等しく、来てしまうのだ。

そう思うと、いくら串刺しにされても、どんぶらこ、どんぶらこ、
時間の海を流れていく、漂流の吾輩である。

ガラパゴスや neptune だって、アトランティス、のこされ島だって、その先は開けてると思うからな。

一体どういうことなんだか、わからないけど、

根拠のない時間軸を、不思議な自信と共に流れていく、午前2時14分。

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