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kidan

夏が本気を出して…

梅雨の実感もないまま、また今年も灼熱の日々が始まってしまった。

太陽の位置はつい先日と変わらないのに、何がそんなに違うのだろう。
気団? メカパンダ団?

僕は夏が大の苦手なのだが、そんなことは言ってられない。

曲を作っている。思えば毎年、Mac は熱暴走するし、本人はやる気をなくすしでひどいものだったが

今はようやく、できないことはやらないという選択と、小さくてもちゃんと動く Mac mini と
バシバシファイルを捨てるあきらめの良さのおかげで、自分のやりたいことはある程度できるようになっている。

ときには夜中に。ベース以外の楽器だと隣にダメージ与えにくいから助かるな。

一曲つくって、また一曲。
アイデアならまだまだあるのさ。

街のロンド

宿場町、新居の Cafe Rond Point でライヴイベント「街のロンド」。

ご来場くださった方々、ロンポワンのみなさん、Acolélé のふたり、ありがとうございました。

雨が心配でしたが持ってくれてよかった。しかし暑い…
部屋のエアコンが壊れてしまわないか、サーキュレーター2台持ち込み不安ながらも
ゆるりと過ごせてもらえたようで、よかったです。

絵本や英語、ものづくりやまちづくりに関わる方が集まってくれたり、
今年何度も観てくれた方も、ベースを初めて見て聴いたという方も。
国籍も年齢もさまざま。

僕がやったことは ほぼ僕の日常と空想だし
かわってるとも ふつうだとも 両方自覚あるし

いらした人々とどんな環状交差するか
まじるのかすれちがうのか それはわからないけど
このまちでやったこと、何かのきっかけになればいいな、と思ったりしてます。

文月

月が変わり、2週間後に迫った「街のロンド」。

ありがたいことに席は予約で埋まったようで、あとは中身を面白く、よくできるか、こちらにかかっている。

プレッシャーにはいろいろなものがあるが、”no-pre” (= no pressure) なんていうイベントやレーベルをやってたこともあり、

極力、そして長年、プレッシャーは避けてきたわけである。ツケがたまっているのだから仕方あるまいか。

基本的に肩に力が入る人なので、どうやったら脱力できるか、空気や液体の通りがよくなるか。
身体がへたってくると、その辺のありがたさがわかってくる。試行錯誤しながら実践していきたい。

あと、自分だけではなく音楽の楽しみ方は人それぞれ。
小さい場所だからこそ、それぞれにツッコミどころを見つけて、味わってくだされば。

それから雨は降らないでほしいなぁ、今回は。
駅から歩いて来る人々のためにも。

七月はもう一つの計画も進行中です。ともにおたのしみに。

あめのひ音楽会

豊橋市にある「水上ビル」。

戦後の闇市をルーツに、農業用水路の上にビルを建てた、という奇想天外な商店街。

これぞレトロ! という、豊橋ならではの界隈です。
老朽化や耐震基準などから、もう余命が約二十年、と宣言しちゃってるのですが、
それでも近年、若者からいいおっちゃんまで、人々が集い、ええ味出してます。

さて、僕はまだ、昨年この場所を知ったばかりで、
その後も訪れた日がお目当ての店の定休日だったり、なんやかやでニアミスばかりしてて
まだホームというよりは半分アウェイなのですが

なんと、今年は「夏至まつり」に出演させてもらうことになりました。

しかも、夏至と梅雨がちょうど重なることから、最初から開き直って

「あめのひ音楽会」

…これはやられましたね。雨天結構、というコンセプトの清々しさに、すっかり参りました。

で、のほほんと構えていたのだけど、開催の一週間前ぐらいになって、ふと気づく。

野外ステージ2本。よく考えたら自分が濡れるのを我慢すればいいだけじゃなくて、楽器や機材も濡れるじゃないか。

残念ながら僕のベースという楽器は、アコースティックだけど広場で生音で演奏するには音が小さく、足元にケーブルとか切り替えとか、電気の機材が必要なのだ。なにげに配線もややこしい。雨が降ったらずらかる、なんてこともまぁまぁ無理。

木の楽器も、できれば濡らしたくないし、その日以降雨が続くっぽいから、乾かすこともできない。

それでにわかに焦り出し、機材を床から上げられないか主催者さんと相談しつつ、楽器や構成を変えようとか、もじゃもじゃといじりだし、当日が迫ってきました。

僕のタイムテーブルでは降雨か微妙なとこで、なんとかなるかなと思ったのだけど、
全体のことも考えてでしょう、前日になって野外ステージは中止になり、かわりに美容室 “Pokkecise” さんの店先での演奏、ということに変わりました。

ポッケチセさんならアットホームだし安心だ。音もそんなにでかくなくていい。

でも、20分 x 2 で考えてたセットリスト、30分 x 1 に変えられるか??
何事も臨機応変さがない僕はまた大慌て。いろいろ試行錯誤した結果。

「どうしても決められないとこはお客さんに聞いてみよう」


さて当日。

幸いまだ雨はなく、駐車場から現地へ。
会場予定だった EM キャンパスの広場には結構人がいて、その向こうのポッケチセにも人がいて。

メタバースも感じながら、ちょっとイメトレして、サウンドチェックして、本番に臨んだのでした。


この日のセットは先日から気に入っている新曲「アフロアルバ」を冒頭に、
その後はガラッと変えました。

長いこと寝かせてたダブルベース、ようやく起こして、全8曲のうち3曲。

それから完全な新曲を3曲。といってもこの日をテーマに作ったので、今後やるかはわかりませんが。

「ホームタウン」7拍子のジャズブルース

「あめのひ商店街レゲエ」地表におちる雨粒のためのダブ

「げっしのひ」働くおじさんと齧歯類のためのロックンロール

他にも、この日が誕生日の Green Gartside に捧げて、あるモノを用意してたんだけど、時間が足りず封印。

しかし…楽しかったー。

お客さんはどう贔屓目に見ても少なく、中止された第二会場の出番を待って見逃した人もいたし、そもそも気づかなかったり、観た結果素通りする人も多かったし、その一方でめちゃめちゃガン観、がん聴きしてくれる人もいたので… that’s musician’s life です。

中でも、音楽家同士とはいえ、次が出番のハヤシハンドパンさんがとても気に入ってくださって、その後いろいろ話して盛り上がり、即席のジャムをすることになりました。

昔は気軽にインプロ、飛び入りしてたんだけど、なんか懐かしい。
しかもこちらのステージは、生音にかるくオフマイクだけ取ってもらったから、一番やりやすいし心地いいシチュエーションですよね。

ハンドパンの音色は、ハヤシさんの音楽性や技量もあってすばらしく、
音量が小さいのに、というか小さいがこそ、人々の耳をひきつけてました。

たくさんの人が聴き入ってて、そこに混じれてよかったです。


ライヴでもジャムでもそうなんだけど、予定調和じゃないことが起こると、そのあとの余韻が面白くて、この日もしばらくの間、なんだかんだ浸ってました。

「ホームタウン」っていうのは、タイトルからして白状してますが、
チャボさんの『絵』の冒頭曲のオマージュです。

だいぶ違う音楽に聴こえるだろうけど。

もし、野外ステージでやれることあったら、またやってみよう。
アルバムに入れるかは、どうするかな?


超意外なことに、僕の音楽や声はさるメジャーな方の、メジャーじゃない音楽に似てる、と感想もらいました。
好きな三重のカフェの旦那さんも、最初にお会いしたときにそう仰ってたので。あながちホラや社交辞令でもないのでしょう。

これまでほっとんど聴いたことのない人で、改めて聴いてみても、ますます遠いなと思うだけで、ほとんど共通点は感じられない。
かっこいいけど。

でも、また聴いてみようかな。
自分だけじゃわからないから、音楽って面白いですよね。

igamono

拙者は伊賀は桑町の生まれ。だそう。

なにしろ記憶がない。生まれて数ヶ月で近江に越したよう。

先祖は甲賀系なので、いずれにせよ忍者にはゆかりがある、と思い込んでいる。

普段、極端に運動神経が悪いのは、何かの間違いだろう。

常滑でのカフェ公演の後、西に向かう。

三重に宿を取り、翌日は菰野町から甲賀を経て、伊賀へ。

いなべのみずべが、とてもうつくしい。

いつもの nest。この後帰り道に、鹿のお尻と後ろ足を見る。撮り逃す。

どこでも飛び出し坊やがいる近江国、甲賀では忍び坊や。蛍光色で全然忍んでないのだが、黄色は意外と保護色になっているのかもしれない。

この後伊賀に入る。

俳聖殿の巨大さに驚く。木々から全貌を現すと、右後方にはお伴のごとく、避雷針。
そりゃ、これに雷落ちちゃたまらないわけだが。

芭蕉翁
おともせしかな
雷電針

なんと、子供の頃部屋に飾っていたのと全く同じ三角ペナントが、まだ売られている。
変わったのは消費税だけ。


そして富田林へ。

台湾から来日している Cicada をどうしても観たかったのである。

すばるホールでのプラネタリウム音楽会。すばらしい。

常滑でたくさん鹿の剥製を見、菰野町で森に飛び込む鹿を見て、

シカーダを堪能する。オヤジ冥利に尽きる。

(ただし cicada とは蝉のことである)

Cicada のメンバーに、プロモーター、ハーモニーフィールズ小巌さんのご厚意で挨拶させてもらう。

映画「ある男」が TV 放映されているのを隣の部屋で聴いてて、「この音楽は… Cicada…?」と思ったらその通りだった、という話をしたら、とても喜んでくれた。(僕はこの映画の予備知識がなかったのですよ)

才能あふれる若者たちの前途に期待。日本もだが中国でも公演され、これからも文化の架け橋であらんことを。

帰路、日本非売品の CD “White Forest” をリピートしながら、雨のドライブ。最高。

この旅の唯一の心残りは、水口かんぴょうが手に入らなかったことである。

それで甲賀に寄ったというのに。

(実際の日付に公開日を変更しました)

green

書きたいことが沢山あって追いつかない。

数年前は毎日日記を書いていた気がするが、今の方がよほど健康だ。

緑を観に行く。いくら体内時計の遅い自分でも、今が雪の季節でないことぐらいは認識している。桜が過ぎたのはまだわかっていないようだが、それにとどめを刺す。

かねてから、写真を見て気になっていた「みどりのパッサージュ」に行く。
旧門谷小学校の校庭で行われる、マルシェ的イベントだ。この時期は “Cabane de Souq” という10日間のイベントが開催されているらしい。

新城市、いわゆる古戦場の「長篠」地域である。「のぼりまつり」なるものがあるらしく、街道にはひたすら、誰方かわからない「のぼり」が並ぶ。

何百何千もの兵が刃物と鉄砲で殺し合った古戦場に、あまり感慨はない。愚かさに戦慄するばかりだ。自分のために部下に殺し合いをさせたのは、歴史に名を残した「偉人」たち。だから世間でいう「偉い人」にはなりたいと思わない。

どんなプロパガンダで人を騙したのか。どのように騙されたか。そしてそれは歴史でどう美化されているか。誰がどのようにその流れに乗ったのか。それが現在にも直結している。

感心はしないけど、それは人の本性でもある。現在はメガソーラーの誘致に揺れているそうだ。
よく似たことが隣でも起こっている。リニア、原発。失言と報道。流れていく人のスイッチ。

Souq の会場ではそんなことをすべて忘れることができる。まぶしい緑。あまりに平和な光景。
小川のせせらぎを超えて校門に入る。こんな素敵な学校が、なぜ廃校なのだろう。

-もちろん、住民が少ないから、なのだが-

人が少ないから、いいこと、人が集まるから、いいこと。


猫 あるいは ぞーきんがけ の目線

せきとまち

大磯から深夜に戻り、翌日は宿場町へ。

– 4.14 –

僕は元々宿場町に縁があり、育った街はかつての大街道の分岐点だったし、田舎も宿場だった。

近年知り合う人も、なんらかの宿場で店や拠点を構えている人が多い。偶然にせよ。

まぁ、人が集まり、旅立っていく街だから、ということなのだろう。

今切関所、通称新居関所は、現存する最古の関所である、という。
探っていくと他にもそんなところがありそうな気もするのだが…
史実を掘るのは人に委ねるとして、現在残るのは静かな、鳶が舞う関所と
黒を基調にした、賑わいとまではいかないが、懐かしく趣ある界隈である。

この地域は近年、古民家リノベなどの新しい世代の店も増えていて、きりっとしていて、いい感じなのだ。

その一つが Rond-Point。ロンポワンと読み、「環状交差点」という意味だ。

東京と此処、そして各地に拠点を持つオーナーによる、平飼い卵、地元栽培野菜を使った料理、菓子、ドリンク。
柱時計や薄いガラス戸でタイムトリップできるカフェ。


自然や生態系からランドスケープ、流行りの雑誌ではなく踏み込んだ各分野の蔵書。

ただならぬ広がりを感じる、好きな場所です。

7月にここで音楽イベントをさせてもらえることになり、現在準備中。
長年の仲間である浜松の音楽家も迎えて、何ができるか練っています。

ここは、オープンしたばかりの別館。メキシコからのアーティストによる展示中です。

カフェとはまた違って、大正モダン? あたりの雰囲気でしょうか。

詳しくは追って告知します。

乞うご期待 - !

おおいそにおおいそぎ

話が前後したが、東行の第三部。

– 4.13 夕刻 〜 大磯に大急ぎ –

またダジャレかよ
Rhyme の基本は駄洒落です。

SALO に行く。
コロナ禍から、NRT の成田さんが主催する Sense of Quiet というプログラムをサブスクしていて
そこでは南米から日本まで、さまざまなアーティストがライヴやセミナーをやってくれ
Vardan の近況を観れたり、いろんな知見に触れることができたのだけど

Covid-19 の終息(…?)につれて、それがリアル化した、といったような。
僕はそんな認識をしていて、大磯という場所も記憶に残っているので、この機に訪れた次第。

しかも nakaban さんと山口洋佑さんの「よびみず」も開催初日だったので…
公開制作に間に合うようにと、六本木から高速に入ろうとしたものの
燃料の赤ランプが点灯する。

ギリギリ到着できるか…いや多分無理だ。

検索しまくって、会員になってるスタンドに向かったのが間違いだった。
渋滞により45分のロス。

「どこでもいいからさっさと GS に入れ」

教訓になりました。

だいぶ遅れて大磯着。

駐車場探して SALO に向かい、おずおずと入ると、山口さんがおられる。
秋に名古屋の個展にてお話ししたのを覚えてくださり、嬉しい。

オーナー井口さんのご厚意で二階の会場を見ることができ、撮らせていただく。


みずによばれ、生まれつつある作品たち。

開放感があって落ち着いて、考え抜かれている間取りと空間。スタジオのよう。
後から、実際のレコーディングスタジオだと聞く。

一階は高い天井、バーカウンター、テーブル、レコードショップ(棚)、
古い Tannoy のスピーカーと、手作りのスピーカースタンド

レコードの視聴をさせてもらう。心地よい。空間が鳴っている。

たくさんある中から、迷わないように早めに一枚選んだ。
…だが、自宅ではアナログが聴けず、未だにどうしようか悩んでいるのだけど…

山口さんに、作品集「骨になる」の感想を伝えることができた。
絵ももちろんながら、詩に感動したのです。
持っている方、これからの方、ぜひ読んで欲しいのですが、
絵と相乗効果で、涙出るんですよね…
光が差し込む夕暮れ、寝静まった真夜中、どちらでも。

nakaban さんに初めてお会いした。
ずっと前からファンだったけれども、オーラがすごい。
瞬間と、ゆっくりした時間が同居するような。
生粋の芸術家の方だなぁ、そして、とっても気さくで。
嬉しくなる。

広島に行きたいな。

井口寛さんはエンジニアであり、Piano Era での録音や、海外でのフィールドレコーディングも多数されている。
この SALO のスタンスや、わらしべ長者の話、背景が深くてとても面白い。
すっかり失念していたのだが、コロナ禍に入る直前、ミュージックマガジンでミャンマー音楽の特集を読み、大きく刺激された、それを書いたのが井口さんその人だった。
帰宅してから気づいた。なんたる不覚…

こんな場所が、地元にもあればいいのに、と思う。
それは色々な条件や努力があってのことで、難しいのは容易に想像できる。
だけど、やらずにあきらめるのも間違っているわけで。

答えは見えないものの、何らかの形で、やってみよう、と思う。

場所があるにせよ、ないにせよ。

案ずるより有無が

あまり楽器を触っていない。
というのは嘘になるが、Mac を触るときは楽器とは別モードか、集中してないわけで。

譜面書くのもデータ組むのも、それ自体嫌いではなくむしろ楽しいけれど、
演奏や、本当の意味で音楽してるときはやはり全然別の生物だ。人間というやつは。

そこの境界を行ったり来たりするのが、たぶん人生とかいうやつなのだろう。
めんどくさい。だがそれは常。

案ずるより産むが易し、という言葉を
久々に感じる日。ベース持ってアイデア試しながら、思いついたこと口にしてくと、
列車が走り出して線路が敷かれていく。
右にいったり左にうねったりする。目的地はわからない。楽しそうな結末だけしか。

でもそれでいい。一日に何時間もそんなときはない。途中であってもそれは消えてしまう。
断りも容赦もなく。

いろいろな覚え書きツールと使いながら、それより大事な身体や耳や脳みその感覚を
少し信じながら
今日を終え、明日に向かう。

貨物とタイヤ

曲を書いています。

作りかけの曲や、もっと良くしたい曲も山ほどあるのだけど、
常に前にも進んでいかねば。

MacBook も Mac mini もストレージが満車で、NAS もあと僅かになってしまったので
今週は頭から NAS の交換。バックアップ。本体の軽量化。それだけで時間が過ぎてしまう。

一方でアイデアはどんどんボイスメモに録ってくので、また収集がつかなくなる。

こまったもんだ。こないだ椎名純平さんも言ってたけど。

彼は「毎年一枚アルバムを作り、ツアーする」というアーティストの鏡のようなことを実践してる人。
先日ひさしぶりにライヴ観にいって少し話もでき、いい刺激でした。

ふと思ったけど、アイデアってでっかい貨車の車輪みたいに、荷物積んだり落としたりしながら回ってく。そんな感じです。

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