アーカイブ: 2024年6月

あめのひ音楽会

豊橋市にある「水上ビル」。

戦後の闇市をルーツに、農業用水路の上にビルを建てた、という奇想天外な商店街。

これぞレトロ! という、豊橋ならではの界隈です。
老朽化や耐震基準などから、もう余命が約二十年、と宣言しちゃってるのですが、
それでも近年、若者からいいおっちゃんまで、人々が集い、ええ味出してます。

さて、僕はまだ、昨年この場所を知ったばかりで、
その後も訪れた日がお目当ての店の定休日だったり、なんやかやでニアミスばかりしてて
まだホームというよりは半分アウェイなのですが

なんと、今年は「夏至まつり」に出演させてもらうことになりました。

しかも、夏至と梅雨がちょうど重なることから、最初から開き直って

「あめのひ音楽会」

…これはやられましたね。雨天結構、というコンセプトの清々しさに、すっかり参りました。

で、のほほんと構えていたのだけど、開催の一週間前ぐらいになって、ふと気づく。

野外ステージ2本。よく考えたら自分が濡れるのを我慢すればいいだけじゃなくて、楽器や機材も濡れるじゃないか。

残念ながら僕のベースという楽器は、アコースティックだけど広場で生音で演奏するには音が小さく、足元にケーブルとか切り替えとか、電気の機材が必要なのだ。なにげに配線もややこしい。雨が降ったらずらかる、なんてこともまぁまぁ無理。

木の楽器も、できれば濡らしたくないし、その日以降雨が続くっぽいから、乾かすこともできない。

それでにわかに焦り出し、機材を床から上げられないか主催者さんと相談しつつ、楽器や構成を変えようとか、もじゃもじゃといじりだし、当日が迫ってきました。

僕のタイムテーブルでは降雨か微妙なとこで、なんとかなるかなと思ったのだけど、
全体のことも考えてでしょう、前日になって野外ステージは中止になり、かわりに美容室 “Pokkecise” さんの店先での演奏、ということに変わりました。

ポッケチセさんならアットホームだし安心だ。音もそんなにでかくなくていい。

でも、20分 x 2 で考えてたセットリスト、30分 x 1 に変えられるか??
何事も臨機応変さがない僕はまた大慌て。いろいろ試行錯誤した結果。

「どうしても決められないとこはお客さんに聞いてみよう」


さて当日。

幸いまだ雨はなく、駐車場から現地へ。
会場予定だった EM キャンパスの広場には結構人がいて、その向こうのポッケチセにも人がいて。

メタバースも感じながら、ちょっとイメトレして、サウンドチェックして、本番に臨んだのでした。


この日のセットは先日から気に入っている新曲「アフロアルバ」を冒頭に、
その後はガラッと変えました。

長いこと寝かせてたダブルベース、ようやく起こして、全8曲のうち3曲。

それから完全な新曲を3曲。といってもこの日をテーマに作ったので、今後やるかはわかりませんが。

「ホームタウン」7拍子のジャズブルース

「あめのひ商店街レゲエ」地表におちる雨粒のためのダブ

「げっしのひ」働くおじさんと齧歯類のためのロックンロール

他にも、この日が誕生日の Green Gartside に捧げて、あるモノを用意してたんだけど、時間が足りず封印。

しかし…楽しかったー。

お客さんはどう贔屓目に見ても少なく、中止された第二会場の出番を待って見逃した人もいたし、そもそも気づかなかったり、観た結果素通りする人も多かったし、その一方でめちゃめちゃガン観、がん聴きしてくれる人もいたので… that’s musician’s life です。

中でも、音楽家同士とはいえ、次が出番のハヤシハンドパンさんがとても気に入ってくださって、その後いろいろ話して盛り上がり、即席のジャムをすることになりました。

昔は気軽にインプロ、飛び入りしてたんだけど、なんか懐かしい。
しかもこちらのステージは、生音にかるくオフマイクだけ取ってもらったから、一番やりやすいし心地いいシチュエーションですよね。

ハンドパンの音色は、ハヤシさんの音楽性や技量もあってすばらしく、
音量が小さいのに、というか小さいがこそ、人々の耳をひきつけてました。

たくさんの人が聴き入ってて、そこに混じれてよかったです。


ライヴでもジャムでもそうなんだけど、予定調和じゃないことが起こると、そのあとの余韻が面白くて、この日もしばらくの間、なんだかんだ浸ってました。

「ホームタウン」っていうのは、タイトルからして白状してますが、
チャボさんの『絵』の冒頭曲のオマージュです。

だいぶ違う音楽に聴こえるだろうけど。

もし、野外ステージでやれることあったら、またやってみよう。
アルバムに入れるかは、どうするかな?


超意外なことに、僕の音楽や声はさるメジャーな方の、メジャーじゃない音楽に似てる、と感想もらいました。
好きな三重のカフェの旦那さんも、最初にお会いしたときにそう仰ってたので。あながちホラや社交辞令でもないのでしょう。

これまでほっとんど聴いたことのない人で、改めて聴いてみても、ますます遠いなと思うだけで、ほとんど共通点は感じられない。
かっこいいけど。

でも、また聴いてみようかな。
自分だけじゃわからないから、音楽って面白いですよね。

街のロンド よこく – 7.14

7月の第2日曜日
湖西市新居町のカフェ rond point -ロンポワン- にて
音楽イベント「街のロンド」を開催します。

浜松の人気アコーディオン&ウクレレユニット Acolélé と
僕とでアコースティックライヴ。
古い関所の街並みにあるレトロなカフェスペースにて、初めての音楽会です。

ご予約はお名前と人数と共に、以下アドレスまで。席に限りがありますのでお早めにどうぞ。
reservation.rondpoint@gmail.com
* 受付終了しました。ありがとうございました。

JR 新居町駅から徒歩10分。コインパーキングは近隣にはありませんので、公共機関や徒歩、二輪車などでお越しください。

7.14 Sun
会場: カフェロンポワン 別館
静岡県湖西市新居町新居1261
https://rond-point.net/

Open: 14:00(14:30 から変更)
Start: 15:00
Ticket: 2,500円 ワンドリンクつき

出演
Acolélé
絵本作家 & 音楽家の Motomitsu Maehara (ミニアコーディオン) と絵本の店キルヤの店主 Noriko Hoshino (ウクレレ) によるユニッ ト。カフェ、ギャラリー、美術館、 マルシェ、路上などで演奏する他、 絵本と詩の朗読ユニットとしても活動中。

Ray Kondo
アコースティックベース & ダブルベースひきがたり

* 出演はレイ -> アコレレ。共演も予定しています。

igamono

拙者は伊賀は桑町の生まれ。だそう。

なにしろ記憶がない。生まれて数ヶ月で近江に越したよう。

先祖は甲賀系なので、いずれにせよ忍者にはゆかりがある、と思い込んでいる。

普段、極端に運動神経が悪いのは、何かの間違いだろう。

常滑でのカフェ公演の後、西に向かう。

三重に宿を取り、翌日は菰野町から甲賀を経て、伊賀へ。

いなべのみずべが、とてもうつくしい。

いつもの nest。この後帰り道に、鹿のお尻と後ろ足を見る。撮り逃す。

どこでも飛び出し坊やがいる近江国、甲賀では忍び坊や。蛍光色で全然忍んでないのだが、黄色は意外と保護色になっているのかもしれない。

この後伊賀に入る。

俳聖殿の巨大さに驚く。木々から全貌を現すと、右後方にはお伴のごとく、避雷針。
そりゃ、これに雷落ちちゃたまらないわけだが。

芭蕉翁
おともせしかな
雷電針

なんと、子供の頃部屋に飾っていたのと全く同じ三角ペナントが、まだ売られている。
変わったのは消費税だけ。


そして富田林へ。

台湾から来日している Cicada をどうしても観たかったのである。

すばるホールでのプラネタリウム音楽会。すばらしい。

常滑でたくさん鹿の剥製を見、菰野町で森に飛び込む鹿を見て、

シカーダを堪能する。オヤジ冥利に尽きる。

(ただし cicada とは蝉のことである)

Cicada のメンバーに、プロモーター、ハーモニーフィールズ小巌さんのご厚意で挨拶させてもらう。

映画「ある男」が TV 放映されているのを隣の部屋で聴いてて、「この音楽は… Cicada…?」と思ったらその通りだった、という話をしたら、とても喜んでくれた。(僕はこの映画の予備知識がなかったのですよ)

才能あふれる若者たちの前途に期待。日本もだが中国でも公演され、これからも文化の架け橋であらんことを。

帰路、日本非売品の CD “White Forest” をリピートしながら、雨のドライブ。最高。

この旅の唯一の心残りは、水口かんぴょうが手に入らなかったことである。

それで甲賀に寄ったというのに。

(実際の日付に公開日を変更しました)

ポラーベアーの前で


楽しみにしてた BARBARA COFFEE ROASTERS でのライヴ。

The BOCOS との再会、たしか7年ぶり、そして
BARBARA ははじめてだけど KEDI BASKAN 一味のみなさんとご一緒するのは5年ぶり。

常滑というところ、やきもの散歩道といい、雰囲気といい、他にない感じで居心地がよかった。
もう2日ぐらいぶらぶらしたかったな。

のぼり窯を見ると、アットホームな気になるのです。

僕は先の出番で、先発って緊張もするけど気楽でもあって、
とにかく BOCOS に繋ぐまで、飽きないように、だけ考えてやりました。

せっかく50人、ぎゅうぎゅうに集まってくれた人、
しかも中には僕らのことなど全く知らない、常滑の町内会とかの方もおられたようで。

僕自身、そういう会長やったことがあるから、付き合いもわかるし、もしそれがつまんなかったら、結構つらい。
ある意味それが一番のプレッシャーだったりするかなぁ。

音楽家って、どこにも属さない旅人のようで、決してそんなことないんですよね。

さておき。飽きないように、っていうのは、まずは自分が飽きないこと。
そういう意味では、この日は何回か、うわーっていう瞬間があって、とても嬉しかった。

自分だけじゃない、何かが、ちょっと引き上げてくれる。
後から録音聴きかえしたら、さほどでもないのだが(笑)

だから、客観的にはまだまだわからないのだが、バーバラという「場」とみなさん、
そして錯覚してるもう一人の自分に盛り上げてもらって、ステージを終えることができました。

ありがとうございました。

BOCOS も、上の楽屋や階段から観てたこともあって、色々な角度で楽しめたし。

やっぱギターがものすごく繊細で美しいし、歌も丁寧だし、僕とは全然違う。

共演も楽しかった。
当日リハだったから実質ほとんど合わせられてないのに、あの安心感はなんでしょう?
プロ意識。そして達人のすごさよ。

打ち上げでおいしいまかないを貰ったり、面白い話。

もっともっといたかったけど、翌日に備えて旅があるので、深夜においとま。

また会える日を…!!

(実際の日付に公開日を変更しました)

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