アーカイブ: 2013年2月

リアリティは膠のように粘り強くよみがえる

本が死ぬところ
暴力が生まれる

A is for ox

バリー・サンダース
杉本卓 – 訳

すごく面白い本。

読み出したばかりだけど、邦題に限定されないテーマで
訳もとても素敵だ。

今は、「本」以前の「口承」のお話。

文字を発明する前に、人の脳は、ことばのグルーヴを発明した

そして、著作権という概念が生まれるはるか以前、人はグルーヴにのって、物語を共有していた

というような内容。

めぐりめぐって、今、人は「共有」にやっきになってる。

これって、先祖帰りなのかもしれないね。

王羲之とサンプリング

なぜかNHKを観ながら過ごした週末

書聖、王羲之の書に迫るという番組をやっていた
自分のひどい筆才は横に置いといて、興味深いんだけど…

博物館が所有する原本を傷めないように丹念にトレースし、
そこから書の勢いや力強さを再現すべく、内側を筆で書いて行く。

うーむ。それもとてもいい勉強なんだろう…
でも、素人だから言うけど、そんなの、所詮サンプリングじゃん!

その出来上がりが原書に肉薄してたか、勢いが足りなかったかなんて
番組の最後に採点していたけれども、
それがどれだけくだらない議論か、プロのこの人たちはちゃんと、わかっててやってるんだろう。
そう思っておこう。

真似る努力に、価値を付け過ぎると大変だ。

Marcus Millerが、どんな風にフレーズを弾いたかなんて、
本人に会ったときもそんなに気にしてなかったし、

Andy Summersは昔エッセイでこう書いてた。
「音楽は、録音されるべきものじゃないんだ」

そんなこといっても、こうした「努力」を、みんな止めないんだろうけれども。

映しだされた書体の中には、たぶんみんな真似しないんだろうなという字もいくつかあった。

これらはサンプリングされないんだろうな、と思った。

世の中のサンプリング音楽が根本的につまらないのは、
こういうところだと思っている。

デジタルのキャパ増大と共に、
どんどん、「揺らぎ」の幅は広くなっているけれど、
どこを意識的に見てるか、見えないものをそのまま捉えてるかどうかは
アナログやアコースティックとの根本的な差やもん。

しっぽ切りがしっぽになる・オーバードライブ

こういうときだけ
一人の責任にするのだ
http://mainichi.jp/select/news/20130204k0000m040126000c.html
ヒーロー扱いの次は罪人か
体調悪化の原因は調べてるんだろうな?

ついこないだも規制委員会の審議官が
敦賀の調査文書を原電に前もって渡したとシッポ切り
会見者は「審議官個人のしたことである」という台詞に力を込める

安物のオーバードライブがかかった
なんとも醜いコメントだったよ

何よりも、組織の維持が大事
そんな組織のために、なぜ一億以上の人びとがいる?

組織はちかごろ
やすやすと臨界点を見せている

そこにシステムの輪郭が露わになっていまっせ

いくら、格子模様の壁紙で秩序と平静を装っても
真実はグリッドを取ったところにあるから

音楽も同じ

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