投稿者: ray

わかりにくいライフワーク

東京にいってもインスピレーションは受けるし

幸い演奏の機会もあるし

とはいえそれに甘えず ライフワークをやっていきたい

僕の場合、ライフワークが非常にわかりづらい

身近な人であっても、わかりづらいようで、たとえば今降り出した雨にも、おそらくわからないだろう。

(雨はとにかく、人のいうことなんか聞いちゃいねぇ。すべてを飲み込んで流れていってしまうのさ)

(空気の中に飛び込む。自分が水であること、摩擦で消え去りかねないこと、そのぎりぎりを楽しんでダイビングしてるんだから、それ以上の周りのことなんか知ったことじゃない。自分は、あめ、なのだ。空から降りて、地面につくまでの、ただそれだけの間)

…とまぁ、こんなふうに出鱈目で指の運動にしかならないようなことが、わきでてくる。それをライフワークと呼ぶのだろうか。


時間はとにかく逃げていく。逃げ足の速さはランニング・マンナミダ。

みつばちとじゅえき

April fool なので。
これから書くことがどれだけ本当かは、しりませんよ。


週末は江戸に行ってきた。

楽器も持たず、電車での東行は1,500日ぶりだ。
思えばコロナ禍以降の移動はほぼ車。東京も大阪も京都も名古屋も信州も。
車が大の苦手だった自分がよく運転したものだ。

多い時は月に20回乗った新幹線も、4年経つとすっかり忘れている。
ビールやコーヒーを買うのにどのキヨスクがいいか、
おむすび屋はどうだったか、地下鉄の乗り方はどうだったか、

いや、案外、何も変わっていなかった。

変わったのはこちらで、もうビールも飲まない。
キヨスクではノンアルなど売ってない。

だが。中目黒の信号も、Umineko も、神宮前も、NHK 前も、官邸前も、新宿も水道橋も、あまり変わってなかった気がする。渋谷駅は相変わらず、大事なところが後回しだった。

発見もあった。
全体に海外の人の割合が増えていたが、初めて行った赤羽は、別の意味で異国情緒だったり。
千駄ヶ谷から銀杏並木にかけて、あんなに旅客機が舞うのを、知らなかったし。


雨と突風。富士山を越えた頃、とつぜん青空が広がり、夏が来た。

一時停止を余儀なくされた新幹線と同様、さくらも、ムロに群がる蜜蜂も、時間のネジをほどきはじめる。

人間と昆虫、それぞれのハニーとベネフィット。


今、たびをおえて、ここはまた突風がふいている。
春の嵐。だろうか。ドアの蝶番も破壊され、今夜眠れるかもやや心配だ。

春はおかしい。毎年あまり好きではない。
秋の人だから、この気候がメカニズムに合わないのだ。

だが、好きなふりをしておこう。

エイプリルフール。

SUPER ME

sugar me こと寺岡歩美さん。

なんと4枚のアルバム連続でベース参加している、これって結構すごい。

どちらかというと、僕にはあまり縁のなさそうな、光の中で表現し続けている方なのだが、これも不思議な縁というものだろうか。

1枚目は一族の集まり。甲賀に戻っているとエンジニアの molmol さんから電話があり。
翌日、手に入れたばかりの愛器を転がして池袋のスタジオへ。曲はセルジュの couleur café.

2枚目は Dave さんのジャズフェス、青森に向かう前日。Babi さんの凄まじいアレンジ。

3枚目はコロナの中のリモートレコーディング。R4001 sound.

そして4枚目は、浜松へ弦楽四重奏を観に行った帰り途。”ドーナツホール” にまつわる詞に驚いたり。

絶妙のタイミング(…といっても、僕にしかわからない)でオファーしてくださることもあり、
オルタナの中のオルタナ(どのクラスタにも属さない)である僕としても、できるだけの事を。
得意な事、チャレンジなこと、たまには空回りもあったかもだけど。

今回は一発録りがメインということもあり、
全編アコースティック、縦と横のベースを弾きました。

中でも気に入ってるプレイは “CANDY”。

アルコを織り交ぜた “あなたの神様が”。

もちろん、”Little Girl In Me” も “東京タワー” も、そして未参加なれどトップとラストを飾る二曲も。

歌世界も空間もすてきな、一気に聴けるアルバムです。

メンバーのアイデアや、的確な音選び、そして、不思議な残響感もいいんです。

広く聴かれること、願ってます。

そして4.13 – 六本木アークヒルズカフェ、Live、お楽しみに!

バーバラとボコスと僕

愛知 セントレア近くの街 常滑市

常滑やきもの散歩道に

BARBARA COFFEE ROASTER という
とても… 異空間なカフェがあります。

と書きつつ、僕はまだ行ったことないんですけど

ここの本店、KEDI BASKAN そして
かつて存在した名古屋市千種区の BABI CHAN CAFE

といえばご存知でしょうか。

KEDI のマスターとマダムには大橋トリオのツアーバンド時代から
何かとお世話になっており

BABI でやらせてもらった ray live mini @ BABI CHAN CAFE は
知る人ぞ知る伝説の宴でした。

その後コロナを経て、だいぶ間が空くのですが
今回、すてきなお誘いをいただき、僕も混じることになりました。

The BOCOS のことを初めて知ったのは池上本門寺の SLOW LIVE だったか。
LD&K の谷口さんに、ばったり会って、なんと彼が…みたいな。わかる人はわかる話です。

で、その後 赤い靴の浜松公演を手伝った時に、対バンしたのがこのお二人です。
懐かしい…
そのときのお店も、どうやらなくなっちゃってますね。
何かいろいろ変わってるような、たぶん彼らは変わってないような。

羊毛くんは、これも赤い靴の月観ル公演でギターで参加してて、そのとき僕はベースで、
それを大橋トリオどんが観に来てて、それで何を思ったか、いきなり年明けの全国ツアーから僕を抜擢してくれたのですが、

今から思ってもあの流れは不思議でした。たぶん裏で、神谷くんが手を引いていたのでしょう。

さて、そんなこんなで 2024年。

僕の音楽活動もいろいろ変わっているわけです。
やりたいことも、身体に入ったことも、感じ取っていることも。

はっきりいえるのは、このイベントは間違いなく面白くなるだろう、ということです。
どうぞ、お楽しみに。

3と1と1と

昨日は
能登半島地震の義援金
Bandcamp の売り上げとしてお預かりした額と
自分からの分を含め
振込してきました。

改めて、楽曲購入くださった方々、
ありがとうございました。

少なくとも義援金自体の受け入れが終了するまでは
この企画は継続しますので
今後とも、もし楽曲が気に入り、趣旨にご賛同いただける方は
よろしくお願いいたします。


夜は地域の防災訓練。

そもそも災害は「予定」されているものではなく
19時に警報が鳴る、などといった訓練に意味があるのか?
という考え方もできる。

それでも、準備は無意味ではないでしょう。

いざというとき、地域で密接に連絡を取るのがいいのか
そんなことじゃなく、「てんでんこ」で逃げるのが大事か

それも、正解はない話。

役割(システム)を構築する事は、それ自体がある種、快感でもあり
そこで満足してしまう大人、老人、若者、それぞれいると思う。特に男性の場合。

たとえばヨーロッパでの核戦争を描いた漫画「風が吹くとき」
ここでも、男の老人(おじいさん)は、ミサイルが自分たちの街に到達するまでの間
NATO だかの軍事システムがどれだけ組織立っているかを暗唱し、
それで自分と妻(おばあさん)を安心させようとする。
おばあさんはそれを聞き流し、別の心配をしている。

そんなもんじゃない…
どんなもんか、と言われて答えられるものではないけれども。

ともあれ、いざというときに自分が何ができるのか、
それは、わかりません。

でも、できることのキャパは、閉じないでおきたい。


自分がここ数年間、よりアコースティック傾向を強めているのも

物は結局持ち出せない(かもしれない)、電気は使えない(だろう)

ということが大きいです。もちろんアコースティックといえど、大切な楽器をそんなとき、持っていられるかはわかりませんが

でも、身体で音楽を覚えていれば、何もなくても音楽家でいられる。はず。

そうでなきゃいけないな、いつになったらそうなれるんだろう、という思いは、ずっとあります。


3.11 は、多くの人もそうであっただろうことですが、

僕の価値観を根本的に変えました。

被災された方に(遠いところから、わずかなれど)心を寄せると共に

それからの日本がたどってきた路がどうだったのか

がっかりすることも多いのだけど

あきらめず、歩んでいきたい、です。

sea and lake – for NOTO

sea and lake


2024.3.1 release at Bandcamp

ことばにならない曲を
3月のはじまりに

収益は能登半島地震義援金として全額を寄付いたします。

僕個人の音楽など微々たる力ですが
気に入っていただけた方、賛同できる方、よろしくお願いします。

ray: doublebass, gut guitar, glockenspiel

https://stillbeat.bandcamp.com/track/sea-and-lake

* 当初「Bandcamp や金融機関の手数料を除く全額」としておりましたが、これらは既にご購入いただいた分も含め、当方が負担いたします。

KAAMOS on Trio & Charm

大橋トリオ & THE CHARM PARK
Trio & Charm


2024.2.28 Release

5曲目の “KAAMOS” を作詞しました。

まず、この素晴らしい二人の音楽家、そしてこの世のものと思えないぐらい美しい曲に
僕の詞を付けさせてもらったこと、深く感謝します。

アルバム全編すばらしく、またジャケットもいいんですよね。
場所はわかりますか? 金沢にある、僕も大好きな場所です。

さてここから、作品について。

作詞というか、詩作、という感覚でしたが、
KAAMOS というのはフィンランド語で「陽がのぼらない」自然現象
すなわち「白夜」の逆の「極夜」(きょくや)のことです。

極東の日本にあっても、
「あかり」と「闇」の間(あわい)に、私たちは生きています。
これをどう捉えるか。
…あとは、作品に触れてくれたおひとりおひとりに、委ねます。

次に、可能な範囲で、制作の背景を。

昨年の…大晦日に依頼があり、それから三ヶ日(さんがにち)にかけて、書きました。
年末年始どころじゃなく、意識と無意識を総動員したわけです… が

それはつまり、その間に起こったことも、含んでいる、と思っています。

もちろん、それまでに体験したこと、感じたことも
この音楽に触発されて、書き、含めています。

キーが高いなーと思いながら夜中に仮歌歌って考えたり

送ったら声が小さくて聴き取れへんわ〜言われたり

でも、好きに書かせてもらえました。流れでタイトルもそのまま採用です。

また全部、ひらがな にしました。

区切り方や漢字によって意味が変わるところもあるので、自由にとらえて欲しく。

自分も、作りながら1,000回ぐらいは聴いたんじゃないかと思います。
ミックスもマスタリング (molmol 佐藤さん) も素敵なので、リリース後も聴きそうです。

みなさんもぜひ、一回でも何千回でも、聴いてください。

ここからは作家、クリエイターとして。

前回、曲と共に大橋トリオに提供した “quiet storm” とはかなり違う方向ですが
僕の2020年以降の僕のオリジナルを知ってる方は、おわかりになるかもしれません。

Plum” や “Atto Iu Ma Ni (2021 ver.)”、”あかりをつけたら” など。
興味あれば、ぜひチェックしてくださいね。

詩と音楽は答えのない旅。これからも続きます。

Takeshima Kobayashi

友に会いに、名古屋へ。
港区にある秀葉院というお寺です。

小林創さん、武嶋聡くん

大橋トリオのツアーで各地を一緒に回ったのは2021年1月まで。
コロナの中、僕は生活上の事情でリタイアしましたが、彼らはその後も現場を続け
星野源や朝ドラやエゴラッピンやアン・サリーや…
そして連日連夜の演奏、制作、出演。活躍ぶりは書くまでもありませんね。

毎日が音楽三昧の、一流の中の一流のミュージシャンです。

彼ら二人のデュオ・ツアーというのは2020年から計画があって
実は当時は、岡山と金沢の二公演で僕も混じるという予定でした。
(20年の隔離生活中も、リモートリハなど試みたのですが…当時の技術では、3人のリハは実用的ではなかった)

そんなこんなもありましたが、久しぶりに挨拶に行こうと
カメラ持って、フォトグラファーのつもりで向かいました。

お客さんの熱気で、スモーク炊いてないのにすごい

…というのは嘘です。

会場の後ろに擦りガラスの窓があって、その背後から撮ったので。

雰囲気あるでしょ。

さぁ、これで僕もライヴフォトグラファーの第一歩だ、と思ったら
実は家を出る直前、小林さんに無茶振りされて、あれを積み込み、

リハもサウンドチェックもなしに、終盤に飛び入るはめになりました。

楽しかったけれど、なにしろ回線チェックもその場なのでまともに MC もできず
舞台感覚も含め、なかなかスリリングでした。

お二人の素晴らしさが、引き立ったのではないか、と思います。
写真は Cow and Mouse さんより。

まぁそれはさておき、彼らの演奏はグレートだった。

舞台演奏を激減させている僕から観てそれは当然だけれども
離れているから、わかることもあって。

音の重みや変化や漂いかた、とどきかた
あ、でもそれはやっぱ、言葉にはなりません。

コルトレーンの Lush Life
(まだ発音がわからない)Gideon Nxumalo の Isintu
じんじん来ています。

また聴きたいな。

 

螺旋と糊代

ある週末の記録。

この前と同じように、名古屋経由で西に行く。

10月、12月、そして1月。いや、12月はそのまま折り返したのか。

まず三重へ。正月明けからすぐにでも行きたかった nest にようやく辿り着く。

なぜならここは、降りてくる巣なのだ。なにがだ。

とはいえ、なんとかして自宅や湖周でインスピレーションを掬い、織り込んだ作品は
漸く完成した模様で、今回は喫緊の「降りてくれなきゃ」はない。

jazz の燈の下でふみつけるきおく。
実際、頭を空っぽにしたかっただけかもしれない。

雪景色を撮りながら、今じゃすっかり慣れてきた IC からのいく通りかの道を折れ、
名古屋に向かう。

逆やん。

逆やけど。今回はそうせやな、目的を達せられへん。

ライオンシアター、Kitri を観にいく。

入ってみるとなんと! “ライヴハウス” やん。
懐かしさと不思議なアットホームさを感じ、後ろで観る。

キトリを観るのも3年ぶり。社長さんの計らいだが、
俺、こんな歌上手い二人と一緒に、ハーモニーやってたこともあるんだな。

オーチャードホール、記録に残らないあの曲が蘇る。いや、でけへんけど。今は。

バンドネオンより一回りこぶりな、〇〇…なんて楽器だっけ
(コンサーティーナというらしい)

手動エレクトロニカ、連弾になったと思ったらすぐに右側に戻るヒナさん。

フロンティア、というか、パイレーツやなぁ。

女海賊、二人組、みたいな。

京都。学生時代からの友 Uくんに会う。
Stewart Copeland の “Police Diary” をお土産代わりに持っていく。

小綺麗になった学食を訪れ、喫茶店で色々話す。
ポリスとツェッペリンとビバップについて。ドラムについて。

阿闍梨餅をいただく。

音楽サークルもバイト先も東京もアメリカも、
一緒ではないけれども、パラレルに体験してきた友だ。
4年間の空白も、もっと前に戻せる。かけがえがない。

別れを告げ、帰る前に、今日こそ恵文社に行ってみようと思い立つ。なぜだか自分の中で敷居が高かった。

ダメ元で、しばらく消息がつかめない友に打診しつつ、一乗寺へ。
本屋のすばらしさに感動しつつ、なんと連絡が取れている。少し会う約束をする。

光嶋裕介さんの「ここちよさの建築」を買う。

秋の On Reading と逆のパターンで、その後でギャラリーに寄る。
展示がすてきだ。

海辺や夜の…青… がきれいなのだが、それだけではない。

暖色も、きりっとした輪郭も、やわらかさと同居している。
プレパラートから観た景色とでもいうか。

理系と文系のまじった画風というか。ありそうでない。

作者の萩結さん、少し話すと、浜松の方だった。

また好きな作家さんが増えた。

ギャラリーストアで売ってたカメラオブスキュラのミニチュア、欲しいなと思いつつ断念し、
書店を出、Kくんに会う(イニシャルが僕と同じだ)。

彼とも4年強、会えていないのに、ニックドレイクの Pink Moon や
彼とジェームステイラーのストリングスアレンジの「ねじれ」や
ギターが「なりすぎない」こと、ふつーに話せる。何事もなかったかのように。

ひとそれぞれ。このコロナ禍、止まったことも変わったことも、苦労もいろいろ。
それでもふしぎなことに、全然違う螺旋時間をつなぎとめることができる、謎の「のりしろ」があるようだ。

蹴上から京都を出て、いつものように高速に乗り損ね、ぐるぐる回って、夜半に帰着。

いいことがいっぱいあって、けして晴れてない夜空に

冬のダイアモンドが、まじで光ってた。

カペラ、ポルックス、プロキオン、シリウス、リゲル、アルデバラン。

七日

ことばに無力を感じ


といいつつも、それは常にそうでありつつも、
今年はちゃんと形にしていけるよう、やっていきます。

またお知らせできるかな。


演奏について

…思うのは、いろいろな角度で
弾くこと、聴くこと、楽しむこと、努めること、ふざけることを経て
やっと味のある、説得力のあるプレイができるのだ、ということ。

これは若い頃から思っていたことで、できる限り実践したとは思うものの
ここ数年振り返ると、つくづく穴が多い。

もちろん、自分の境遇の大きな変化もあるが、多角度に加えて縮尺の振れ幅に
毎日驚くばかり。逆を返せば常に新鮮。

長く聴いてこなかったタイプの音楽を久しぶりに聴くと、新しい発見がいろいろあったり。
耳は確実に肥えているから。
脳のどこかが勝手に制限をかけてきたつもりでも、実はキャパは増えていたりするのだ。

変わることと、変わらないこと。できることと、てんでダメなこと。極めるべきこと。
難しいからいいこと、簡単だからいいこと。うるっとすること。
今年も追っていこうと思います。


北陸の状況

報道や SNS、知人から伝わり知れる範囲ですが、物資や輸送、天候、余震、地盤、原発、
とても心配です。
被災された方々が日々、辛さをほどけ、少しでも早く。

義援金といってもどこの主催がよいのか、などと悩んでいましたが、何がベストかなど結局わからないわけで、県庁や、使っている金融機関に、微力ながらお送りしました。
いろいろな経路を通して、全国から大きな額が寄付されているようですが、本当に困っている人たちに行き渡ることを切に願います。

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