これ以上は歯を磨けないと
部署から通達があったので
ごはんの残りを
噛まずに
食べた
とても
歯に物が挟まらないかわりに
とても
歯に物が足りない気分
これ以上は歯を磨けないと
部署から通達があったので
ごはんの残りを
噛まずに
食べた
とても
歯に物が挟まらないかわりに
とても
歯に物が足りない気分
人間にとって
翼とはとてもおおきいもののようだ
とてもちいさな鳥やこうもり
あるいは虫も翅を持っているというのに
人間にはとおくおおきい
実際 人が飛ぶための翼はどんな楽器より大きく
軽いとはとてもいえない
羽根のように軽い
それは人間であることを忘れた比喩だ
ある種の人間は翼をもっている
そう言う人がいる
自分が飛ぶためではなく
何かを飛ばすためだ
楽器奏者にとって 手は翼だ
そう言う人もいた
人は自らの背に翼があるかどうかなど知らない
わかるのは腕だけだ
礫というのだろうか
人間の作った道路と側溝に
挟まっている
このおかげで側溝の蓋は
なんぼ力入れても開かへん
礫を取り出すにも道具が要るが
取れば嘘のように蓋は開く
中にはどっさり泥が埋まっている
背後では日曜の車がいくつも通過する
轢かれるかどうかということを
側溝清掃の日に大人はあまり気にしない
そんな筈はないと思っている
手で掬った泥はヘドロとも言う
おかげで今日は一日
食器を触るにも手袋となる
宝石は加熱すると色が鮮やかになり
熱しすぎると傷がつくという
礫はどうなんだろうか
ブルーグラスに聴き惚れ
想像のアパラチア山脈を辿っていると
何故か核施設に道を見つけた音楽家を知る
とても素敵な活動をしてきたその人は
ルーツと煌めきを体現していたかのようだった
あくまで自然に
アパラチアの西部では炭鉱や油田が広がり
カントリーミュージックのリリックテーマとしても
よく挙げられていたという
オークリッジというその街は
テネシー州の東部にあり
のどかな街の名前は
カモフラージュのために選ばれたらしい
核兵器のために作られた街
今も廣島は彼らのマイルストーンとして記されている
どうしてその人がその道を選んだか
知る由もない
何重もの防護が必要なものがどうしてクリーンで安全なのか
そしてその防護は何万年どころか
10年前後の頻度で破られてきていることはポイントにならないようだ
ルーツミュージックがいくら素晴らしくても
超え難き壁はある
幾重もの壁 を 作る人 は よかれと思い
壁を 破ろうとするもの は 我が正しいと
ライスとパンチ
山と島々
むすびつき
弁当抜きでも
行ってみたいけど
まずは眠気の
世話をするかな
にたものどうし
にないものどうし
人と己を
同志とよぶのは
簡単かもしれない
and you and i
安易かもしれない、ということ
志と、行動
伴わないのに
くくりつけるのは不自由なこと
そして
それでもな
ときには勝手に
人を同志と思いたく
どうしよう
16分音符といえば
あるいはより細分化された音符といえば
Radiohead っていろいろなジャンルのミュージシャンに好かれてるんだなと
つくづく思う
ジャズピアノからフィドル、マンドリン、チェロ
曲がいいんだろな
アレンジか
想像への入口が広いというか
深いというか
分刻みの今日が
仮面を外す
診てくれた歯科医も水を刻み
思わぬ虫歯に来月のマトリクス
帰りにこれじゃ間に合わないと
湖畔の公園 片付ける手紙
とはいえ凡人 車内でうずくまり
少しでも外に出れれば
そこは楽園 おっさん達も気付いている
味わうまもなく 帰って続き
分刻み
そんなこと わりとできるものだ。
このまま 自分は
16分音符を
弾かなくなるのだろうと
1年ほど前はわりとそう思っていた。
ゆっくりゆっくり
やがて冷温停止するのだろうなと
意外とそうでもなくて
最近は持続音から細かい音まで
わりと平気で出している。
メトロノームだろうがクリックだろうが
相手にできるのだから不思議
いやそうでもない
虫や鳥を見れば いつだって驚異があたりまえ
フリーハンドは最高精度のグリッド
心のパルスはデジタルの数倍の物理学
とはいえ理想と現実はいつでも白影
凧の上
まっすぐの視野を持てないなら
少し斜めに傾けよう
地軸は傾いてる
時間は常に動いてる
すべてのかんせつは
まわりながらそれをかんじとる
ここは土の惑星。
泥と粘土とさらさらの土壌。
雨降って地固まる。
掘れば柔らかくなる。
山並みにふと音楽。
聴こえたり。視覚に焼き付けたり。忘れたり。