丑年を振り返る

今年を振り返る。

都会に出たのは一度だけ。たまに街に行ったが、基本ずっと部屋と運転席にいた。

皮肉にも、遠征の消滅により仮住まいに住む必要がなくなり、
自宅に戻れたのは幸いだったが、運動不足解消のために導入した「ぶら下がり棒」が
家の壁を破壊してしまい、約3時間で断念したのは本年最大の失敗の一つ。


壁の穴をごまかすために、貼っている絵葉書


家と音楽

ここ数年、知人の音楽家たちは口を揃えて「家に音楽室を作る」「防音室を入れる」「新築する」という話をしており、素晴らしいと思う反面、自分は真逆の、「楽器不可物件」に仮住まいせねばならない状況に、軽い絶望を感じていた。

無論「楽器可物件」だったり「アビテックスレンタル」だったりを探したものの、いくら探しても僕の地域では見つからなかった。アビテックスに至っては、コロナでレンタルサービス自体が停止になり、八方塞がりの状態だった。これも演奏活動を辞めざるを得なかった理由だ。

プロの音楽家なら、音を出せる環境など当たり前だろう? と思うかもしれない。
だが、そんなものは易々とは手に入らない。人生は幾重ものラッキーで成り立っている。

それを乗り越えて無理な投資と行動をしてこそ、人生だと思うかもしれない。それはある意味正しい。

が、それは違う。ある意味で。

ずっと東京へ通っていたが、2021年は一度も行かなかった。IT や新幹線で、距離がほとんどハンデでない状態が続いていた(対人のつきあいが減るのは仕方ないとしても)。それがあと数年続けばよかったのだが。

ネットの急速な発展で、リモートワークやコミュニケーションは急拡大した。おかげで、副業は維持することができた。
だが、LINE や FB はじめネットのつながりにどうしても違和感を覚える僕には、本業ではあまり役に立たなかったかも。

そんなわけで、世の中の水準以上に、ソーシャルディスタンスを実践した一年だった。

幸い、自宅は防音性能はともかく、立地上、楽器を弾いてもあまり迷惑はかからない。
練習や録音は、可能だ。というわけで、これまで以上に、アイデアの実践を行なえた。

新しいアイデアと、これまでやり残したアイデアの、と言った方がいい。
僕は形になっていないアイデアが溜まりに溜まっている。

そのうち30〜40を、ここ数年で漸く形にできている、という状態だ。
何も新しさはないのかもしれないが、これらの面倒は本人にしかできない。

楽曲提供すればいいから、その時のためにとっておこう…という発想は今のところない。

もしそんな機会があれば、それはそのときに新たに作ればいいし、その方がいいと思う。
もしかしたら手持ちがフィットするかもしれないし、それはその時だ。


リモートコラボ

これまでも数曲は、自分名義でも他の人の作品でも、リモート制作を行なってきた。
スタジオと違ってリモートは時間が取れるし、考え直すこともできる。ある意味、音楽を作っていくにはいい形だと思う。

リアルタイムでのリモートというのは(技術的に可能とはいえ)自分には少し苦手なのだが、
時間差というのもよいものだと思っている。音楽とは、時間をリピートする行為だから。
織り重ねる、と言った方がいいのかな。

ここ最近の自分の作品では、コラボを行なっていない。
これは単純に、やるならば相応のお礼をしたいということと、自分だけでやれる事を伸ばしたい、ということだ。


とはいえ、自分で全部をやっていると、とても勉強になると同時に、限界も嫌というほど思い知る。
それにあまり慣れてしまうと、感覚がわからなくなってしまうので、またいずれ、コラボをやろうと思う。

餅は餅屋、である。餅屋に頼めるならそれに越したことはないのである。


さぁそんなところで、年越しの諸々に入るので
つづきはまたいつか、年明け後にでも。

ゆくとし くるとし

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