アーカイブ: 2024年9月

うみとやまへのたび 陸

9.ε2

兵庫県の北部、但馬エリアで、演劇祭をやっている。
舞台芸術のメッカになりつつあるという豊岡には以前からすごく興味があり、この機に少しでも足を踏み入れたいと思っていたのだが、時間も資金もあまり残っていない。

土地柄なのか、パワーを感じる。

城崎か、豊岡か。どっちか迷って城崎国際アートセンターに行くと、催しは数日前に終了したという。素晴らしいサイトでうま〜く情報発信されてるんだけど、頭が次元滑走してる僕には、そのへん読み取れなかったんだな。

列車内での演劇「うみやまむすび夢十夜」にも間に合わず。これ観たかったなぁ

結局、どっからどうみても温泉街、これぞ日本の観光地の鑑、という街並みを少し歩き、酉の刻の芝居を観て帰ることにする。


そう決めた瞬間、一斉に飯屋が閉まった。

残った海外風カフェはお洒落で居心地良かったものの…。

一人芝居「城の先にて」を観る。すっと入ってくる声と演技と、幻燈のシンクロが面白い。子供の頃に読んだけど、ごめんなさい、すっかり忘れていた。

先日読んだディネセン「アフリカの日々」に、イグアナを撃ち激しく後悔する譚があるのだが、少しばかり類似を感じたり。

さて、兵庫で始まり兵庫で終えたこの旅。南の音楽祭には参加でき、北の演劇祭はごく一部しか観れれなかったわけだが、インプットは大きかった。

学生時代、京都から城崎を通って鳥取砂丘にドライブした。すると砂丘の上、いつも部室で会っている音楽サークルの先輩二人が立っていた。なぜ先輩が200キロもテレポートしたのかさっぱりわからないが、それぐらいの偶然には慣れている。

この旅では、偶然会った人はいなかった(と思う)けど、
極度に人認識の劣化した僕だから、あるいは怪しい姿をご覧になったかもしれない。
ともあれ僕にはこの旅は、本当に必要だったということだ。

さてそろそろ帰ることとする。川沿いで、今通り過ぎた橋にかかる月に魅了される。撮ったあとで地図を見直すと、その橋を渡らねば帰れぬ。どうなってるんだ。

ガスを求めて京丹後に。どうせなら天橋立に行きたいと思う。

そして撮ったのが最後の写真だけど…よーわからんよね。

心のこりは、次回へのなんとやら。

うみとやまへのたび 伍

9.ε


羽合温泉(はわい温泉)の宿で目覚める。
ほぼセルフサービスで、なんとも気楽だ。
この旅で何度も遭遇した「丸窓」からの景色で目を覚まし、境界のよくわからない湖岸の駐車場で頭を使う。

しかし暑い。

途中、道の駅の隣まで行くが接続できない不思議な山道を登る。
これっって、意味があるんだろうか。
道の駅は素晴らしいロケーションだが、テナントが空きまくっていて勿体無い。草刈りもボランティアとのこと、明らかに追いついていない。
東郷湖岸に再び降りる。パラソルを閉じて。

この地は駐車場の気前がいい。だからより自然に触れられる。うちの周りなんて、全然だもんな。
いやまぁ、駐車場なんて完全に人間と車の都合で作ったものだし、自然には良いわけないし…

でもその先に、地代とか儲けとかの感覚が入ってくると、次の段階というか。
剥ぎ取ってくと、いろんなことが入れ子になっとるワイ。

鳥取市内へ。もう一つの湖、気になっていたので島に渡る。
キャンプにはいいのかな。展望台というところからは木が茂っていて何も見えない。


それでも和む。

改めて鳥取市内「たくみ工芸店」へ。

民藝には全然詳しくないので、店員さんに教えてもらいつつ、すてきなカップを買う。元々は「そばちょこ」らしい。


この青、よく出せるなぁ。

予定…思いつきからかなり遅くなったが、但馬は豊岡に向かう。

ナビと道が少しづつ食い違ってる。たぶん新しく道が出来たんだろう。

日本海に到着し、敢えて西に戻る。

居組漁港。水の綺麗さの次元が違ってた。

穴見海岸。「いいね!」に見えるらしい岩。蜻蛉の群れを収めることができたなら。

うみとやまへのたび 肆

9.δ

八頭と砂丘以外の鳥取ももっと巡ろうと。しかし所用が重なり多くは観れない。絞ることにする。
汽水空港に行きたい。
その一念で走り続ける。思ったよりかなり遠い。
ICをおりて、周囲の空気感に驚く。あっここ知ってる…というか、めちゃめちゃアットホーム。

湯梨浜町というその界隈は、東郷湖なる(正式には東郷池だろうか)穏やかな汽水湖をいだく。
そして目的の書店のちょうど前には、湖岸の国道に駐車スペースがあり、その向こうに発明したばかりの飛行機のようなオブジェが二体ある。
これって最高の場所やん。
パラソルを閉じたら広がるパラダイスちゃうん。

そして、汽水空港は、閉まっていた。


その翌日も、定休日だった。

タルマーリーでも定休日にお邪魔してしまった僕だが、流石に面識ない方にそれはできない。

よっぽどのことがなければ縁は一期零会だろうか。旅はもう少し下調べをしろということだ。

でもすっかりくたびれてしまったので、急遽宿を探し、オルタナ色極まる蛇口温泉とやらに泊まることにした。

夜は湖岸の月を撮ることにして。

うみとやまへのたび 参

9.γ

海を渡り、岡山に上陸し、鳥取へ。

電車では何度か、車でも一度来ているのだが
思ったより時間がかかる。
そらにはひょいとした雲がかかる。


佐用町あたりの集落の美しさ(撮れず)。

IC を降りて、恋山形あたり、那岐デジャブ。
(カメラのISOダイアルを変なところにしてて、この日は撮った写真の大半が白飛びだった)

智頭中心部についたころは申の刻。まぁこれは朝のフェリーを逃したせいだ。

タルマーリー渡邉さん夫妻を訪ねる。
最初にお会いしたのが2015年。
トリオどん広島公演の夜だから、日以さんと同じく10年近く。
目まぐるしく変化しながら、変わらぬ日常を繰り返す。その両方を実践し続けた人たちだ。

僕とは境遇がぜんぜん違うのだが、麻里子さんはどこまでもアットホームだし、格さんと話していると、とにかく面白い。感性が近いのかと思ったりする。ただしそこから先の実行力が全く異なるわけだ。

今回は、興味あることずくしのお題にのっかった挙句、イタルさんの頭脳に改めて唸ることに。

途中からやどり木会の麻紀さんもいらして、音楽から手塚治虫から、いろいろなパワーをいただきました。

次はいつお会いできるかな。その頃には何か、できるようになってるかな。

智頭宿の駐車場からすっごい雰囲気の月と山並を観れたのだが、撮影し損ねたのが悔やまれる。

* タルマーリー、お店休みの日だというのに案内していただき、ありがとうございました。

うみとやまへのたび 弍

9.β
目覚めると高松港。

ここから小豆島町へ。

きてよかった。のひとこと。

日以さんに max お世話になり
霊場を詣で

空海像を背に くう と かい で記念撮影
僕の子供時代のあだ名は「空」でした

アジ釣りを少しさせてもらい
ごちそうになる。

瀧澤さんと会うのはコロナ直前、以来。
いろいろ計画していた頃。
そのまま凍結したこともある。

互いにずいぶん変わった筈なのに
それ故なのか
話し合えることが多い。

いや、何が多くて何が少ないのかも
最早わからなくなっているけれども
話は半分、あとはこれからの行動で
つくっていこう。

島に出入りする方法は船しかない。
だからみんな知っているし、あやしいこともできない。
だけども、風通しがいい。

こんなところって、あるんですね。

うみとやまへのたび 壱

9.α

Bshop 音楽祭の出番のあと

神谷くんの背中を写し
やたらカラフルな T であったがここは白黒に


大丈夫くん 剛くんと
楽屋のベランダからウルフルズを観て

メリケンパークに別れを告げ
「本の栞」に瀧澤日以さんと東郷清丸くんを観にいく。

ポップでファンキーで、面白い曲。
弾き語りだけど敢えてのエレキギター。
すごくオンでドライな歌とギターの音が、合ってる。
活版印刷の技師だったという彼ならではのお話。
とても面白い店。


本町から三宮を歩き

中華飯を食い


深夜のフェリーに乗り込む。

船上から港を、そして月とオリオン座をのぞむ。

明け方の
ブルーアワーを観たかったが
気づけばすっかり朝だった。

秋の舞台

ひさしぶりに依頼があり、大橋トリオのフェスでのライヴに参加することになった。

9月。いわゆる夏フェスが過ぎ、いい季節の「秋フェス」だ。
毎年ほぼ恒例の池上本門寺での「SLOW LIVE」と
新しくはじまった神戸での「ビショップ音楽祭」。

両方とても楽しみにしていた。

ツアーバンドを離れて久しく、その間は多くの凄腕ベーシストが
僕の代わり以上を務めてくれているので
(そもそも大橋くんが稀有な素晴らしいベーシストなので)
プレッシャーは感じていない。変な話、気楽なものである。

まずは単発で、先のことは考えずにベースで混じらせてもらった。

しかしそれにしても。2021の頭にいろいろ書いたが、ほぼ4年ぶりの現場は
だいぶ忘れており、だいぶ覚えており、不思議なものだ。

とはいえ音は正直で、自分でも許せるレベルになるには結構な準備が必要だった。

高木大丈夫くん、菊池剛くん。

初参加という彼らの演奏も、深い音楽性、瞬発力や集中力、どれも素晴らしいにつきる。

そして、貴重な二本のうち、SLOW LIVE ’24 は台風10号の危険予測により、開催中止。
メリケンパークでのビショップ音楽祭が唯一となった。

当日はいいパフォーマンスだった、と思っている。記録が残っていないので判らないけれども。
まぁ、やれるだけやった。その間で得るものも多く、ライヴ本番も楽しかった、ということだ。

その後のツアー(後日書いている)も、初日をフォトグラファーもどきとして観せてもらい、
音楽と視覚の、宝物だなと改めて思った次第。

演者、スタッフ、オーディエンス、みなに。
Have fun with music!

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