コーヒーを計量スプーンに入れてミルに入れる。ハンドルをひたすら回す。日課だ。
うちのミルは超小型で一杯分しか入らないが、とても精巧で挽き具合も小気味いい。
流石は燕三条の逸品。その鏡面仕上げもたまらない。
だが口が小さい。
いつも
スプーンから
ポロポロポロ
ポ
ロ
豆が溢れるのだ。
それとどう折り合いをつけるかが、毎度の悩みだった。
今年になって、さる豆屋さんから珈琲の手引きを送ってもらった。
目から
鱗が
落ち
た。
心得の一つ、重さを測る。
以来僕は、このミルをハカリに載せた状態を0gとし、正確な量を袋から流し込んで挽き、それを二回繰り返している。計量スプーンは使わない。
もう一つの心得と共にこれを実践し、格段に後味のいい珈琲を淹れることができるようになった。
方法は自分なりだが、根っこを知れるのはとてもありがたいことだ。
だが豆を流し込むのは容易ではない。
いつも袋から
ポロポロポ
ロ
ポロ
豆が溢れ
るのだ。
日によっては寧ろ前より多くなったこぼれ豆とどう付き合うかが、
切実な課題になりつつあった。
僕はいくつか好きな珈琲屋さんから豆を通販で買っている。
それぞれの豆の美味しさとは別に、パッケージにも個性があり、優劣付け難い。
が、豆の流し込みやすさとキレの良さという意味では、グラム量りを教えてくれた当の店のものがダントツであり、それは読書珈琲リチルさんの袋だ。
また、ここの豆袋はかっこいい。ひとつひとつに古い本の装丁を感じるのだ。
実際僕はここの袋を、用途がわからぬまま、空になっても集めている。
(絵が面白いから残している袋もある。どのお店かはご想像にお任せします)
今はリチルさんの豆も切れてしまい、また買うと思うのだけれど、
ふと、計量カップもハカリも使わない方法はないか、と考えてみた。
二杯分の重さを、器で量ってみる。それ以降は、毎回その器に入れればいいじゃないか。
計量スプーンと原理は同じだが、より精度も高まる。
そして
このティアドロップ型の器の、摺り切りがちょうど二杯分だった。
世界はよくできていた。
…さて…
ここからどうすればいいのだ。
まさか計量スプーンに移して入れるわけにはいかない。
どうなったかは、後日写真と共にお知らせしたいと思う。