エメラルダス…

松本零士さんは反面教師的にも含めて
とても大きな存在だと思い。

ほぼ誰もが影響を受けた、(と僕は思っていた)
「ヤマト」と「999」

ヤマトが描く兵器や戦闘シーン
地球の代表を日本人が担って
こともあろうに戦艦大和で隣の銀河に行くという
敗戦後の日本人の欲求不満を曝け出したようなストーリー

ひどいものだと思います。
平成以降の目にはとても。
それでも子供のころ、夢中になって観ていた。

そこにはいろいろな説得力があったのでしょう。

勇ましい音楽や
気分を鷲掴みにする効果音
映像もキャラも
無駄を省きすぎたコスチュームの女性たちも

ステレオタイプだったけど、つかまれてしまった。

これから先しばらく、ヤマトの再放送が何度もされる気がします。
そして、軍拡や国威に利用されるかもしれない。

松本零士さんがかつて日本人の心を掴んだのは間違いない事実だけど
これからの捉え方は、すごく気をつけた方がいいな、と僕は思っています。

でも、彼の作品はヤマトだけではない。

999に込められたメッセージはとても深い、と思う。

それは、話が勧善懲悪みたいなものではないから、よけいにそう感じる。

残念ながら、メガロポリスや機械化惑星で描かれてきたことは
現実になりつつある。

それはマトリックスやTHX1138や、たぶん沢山の作品で描かれたこととも
共通しているとは思うが

AI と監視カメラ、マイナンバーで完成に近づく超格差、超管理社会。

家畜として飼われる生身の人間は、やがて狩猟され、採取され、養分のカプセルとなる。
あるいは「ネジ」となる。

コロナの中で、シラけた民意を無視してオリンピック開発を進めたトーキョーには
それがダブらずにいられない。

申し訳ないけど、3年近く東京から離れていると、冷めた目でそう見えるものだ。

メーテル。

永遠の女性、みたいなシンボリックな人だが
この界隈は「メーテルは筋が通ってないから、あかん」という評価だ。

エメラルダスがいい。

と、いつになくエメラルド色の湖を眺めながら思った月曜日。
氏はエメラルドが緑色と知らず、彼女のテーマカラーを赤にしたらしい。

あまり人気のなかった「千年女王」を、十年ほど前に観たのだが
あれが結構面白かった。

何が面白いって、政府や科学者たちの隠蔽っぷりだ。現実と物凄い既視感なのだ。
そして、雪乃弥生の姉のセレンが、かっこいいのだ。

あのラーメン屋の娘さんは、やがてプロメシュームになってしまう。

作品同士の繋がりがコロコロ変わったり、死んだキャラがすぐに生き返ったり、
かなりはちゃめちゃだったが、松本零士ワールドは
これからも生き続けるのだろう。

僕らにとっても、教師であり反面教師であり続けるのだろう、と思う。

ハーロックや古代進には憧れないが、トチローはいいなぁ。

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