アーカイブ: 2022年6月3日

誰が為に歯は並ぶ

うぃーん

と面白い音が近場で鳴っている。

漫画版ナウシカの終盤だったか、土鬼では人造妖怪(兵士?)を制御するために
ヒドラ使いがある高周波を利用していた – 歯の間に細工をして。

私の超至近距離では、低周波とも高周波ともいえる、なめらかにつながったその音が
歯の間の細工そのものを作っていた。

不覚にも発生していた、虫歯とやらを削るのって
こんな音やったんや。

削って元に戻るもの、戻らぬものを一瞬思う。

思ったところで取り返しがつかない。詰め物は爪のように伸びはしない。大人しく緩慢に劣化していくだけだ。

高周波といえば、僕は子供の頃から口笛が苦手で、
それができないかわりに会得した甲高い笛は、前歯の間から発生したものだった。

僕は姉と共にそれを「歯笛」と呼んだ。

どうやら、現在世間で言われている「歯笛」とは異なるもののようで、おそらく実際に目の前で吹かないと、誰にも共感してもらえないだろう。そんなつもりもないが。

僕のは隙っ歯を利用した管楽器、というべきものだ。口笛より1オクターブ上が出る。
弦楽器でいうところのハーモニクス、歯も肉すというころだろうか。

あまり自慢にもならないのに、自分はこれができるからちょっとすごいんだ、と思っていた時期もある。誰にも共振されなかったと思う。人間のかわりに猫や犬に伝わっていたのかもしれないし、ヒドラや巨神兵に慕われてたかもと思うと少し恐ろしい。

さて…

なんだか無理やり話を膨らませているが、本来僕にそんな暇はない。
この週末は、ある録音を形にしていかねば。

師というべき人からのお誘いに感謝しつつ、頑張りますにて。

これにて駄文失礼いたしまする。

Have a nice weekend.

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