rikai

わかりあうこと

そんなかんたんなことじゃないし
そんな無理難題でもない

わかりあったからってそれがつづくわけじゃない

好きになったからってつづかないこと
いなくなったからって心からは消えないこと

目が
その先数十センチを見て判断しようとしていること
思い通りにならなくても
なったとしても

聴こうとした音がきっときこえるよ
誰かが励ます それはかなう

そうなんだろうと その場に来た僕は思う

聴こうとした音 いくつか交差して
近くでは判断のしようのない レコードができて
周りに居た 誰かだけがわかることもある

僕もそういうのを いくつか知ってる

客観視って 俯瞰って 自分が客や無限遠点になろうとして
なれたとしても

それをそう言っちゃあ おしまいだ
それほど陳腐なものもない

自分ではわからない なのに外には判ってる風に
それが今の世の中だけど
それはちょっと たからものを
台無しにしているように
おもうのだが

———

水の流れのあるこつが
わかったとしよう
アクリルの中にとじこめて
後はみんなに観てもらおう
例えば 一日300ペア

招待するから 観てってくれ
水の色や匂いや 育む命は
僕には 気配しかわからないし
あとは たのむよ

そんなわけで 水族館ができてる
回転扉を抜けて コインを入れて
青い列車の途中
Aquarium

入り口にはくらげがいて
中にはペンギンが飛ぶ
僕には空の上から
それを観た記憶だけが残る

記憶
今は届かない

あの頃はあの人もいたし
あの頃は 君もしらなかった
あの人と偶然 出逢う事もなかった
すれ違うこともなかった

だけで十年と少しが経って
今でも偶然どころか
いくつもの ヒントをもらえてる気がするのは
幸せだよな と思う

一瞬のうちに失った 路線図や
現像も忘れてしまった 35mm フィルムや
弾く事もなく 切れてしまった ダダリオXL

そんな 忘れた空気でも
どんな色をしてるかわからないし
数十センチ先の宙にも出てこないけど

ぼんやりと あたたかく どこかに沈殿して 浮かんで 飛んでいる

あこがれだった人が逝ってしまって
それでも ありがとうと思う

どうにもならない これからも無数の
食いつぶしていく 未来の瞬間も
どこに輝きがあるかも わからない地図も
きっと汽笛と同じくらい 確かな音を
ひろいせかいに 「よみとれ」と
おしつけていく

こわがりもしないで

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