月が終わる。
泊原発が止まってから、いい一月ではあった。
かけがえのない一ヶ月。色々な事を感じ、考えた。
原発が止まっていると、わくわくした。
今までの「常識」はひっくり返った。
3.11で、3.12で、僕の中ではあのポスター集を見たときから、
完全に色々なものがひっくり返っていたけれども、
実際にno nukeが実現したこの時間(そして今でも止まっている)は
枷が外れた、本当に色々とポジティブな気持ちで満たされた。
もちろんその間も疑念や怒り、呆れはあったけれども、
なにかへの覚悟もできたとも思う。
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連休から、ウォルフレンの本を読んでいる。
1989年。
バブル絶頂、自民党安泰、貿易大黒字という、今と真逆のような時代に発刊された本ながら、
その内容は恐ろしい程、今と通じる。
日本は何も変わっていない。
というよりも、311がなければ、僕などはそれに気付きもせず、この本の内容も読み飛ばしていたかもしれない。というより、読む力が無く、さっさと退散していただろう。
教育、マスコミ、警察、暴力、地方政治、中央官僚、内閣、大企業、労働運動、学生運動、外圧、差別…
これらすべてが絡み合って、日本の「体制:システム」が成り立っている。
そこにはガス抜きも泳がしも接待も逮捕もキャンペーンも婚姻もすべてが登場する。
申し合わせで世の中を渡る多くの人は、ストレスに歪みながらも
定期的に現れる標的に、魚の群れのごとく一斉に喰いついては
日常へもどっていく。
なぜ、どの新聞も同じ一面記事を載せるのか。
スキャンダルで逮捕された人間が一定期間の後、御褒美を貰い高い地位に就くのはなぜか。
なぜ、反対運動は操作されるのか。
なぜ、意味のない政権交代が起こるのか。
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政治家も弁護士も経済人も嘘をつく。
嘘を100回つけば真実にたどり着くと思ってる。
嘘が嫌いな人は真実を求めて理系の道をたどる。
技術者、研究者たち。
だがいつのまにか、彼等は嘘つきの片腕になっている。
そう、彼等に仕事をやれるのは、うそつきたち。
(つづく)