うぃーん
と面白い音が近場で鳴っている。
漫画版ナウシカの終盤だったか、土鬼では人造妖怪(兵士?)を制御するために
ヒドラ使いがある高周波を利用していた – 歯の間に細工をして。
私の超至近距離では、低周波とも高周波ともいえる、なめらかにつながったその音が
歯の間の細工そのものを作っていた。
不覚にも発生していた、虫歯とやらを削るのって
こんな音やったんや。
削って元に戻るもの、戻らぬものを一瞬思う。
思ったところで取り返しがつかない。詰め物は爪のように伸びはしない。大人しく緩慢に劣化していくだけだ。
高周波といえば、僕は子供の頃から口笛が苦手で、
それができないかわりに会得した甲高い笛は、前歯の間から発生したものだった。
僕は姉と共にそれを「歯笛」と呼んだ。
どうやら、現在世間で言われている「歯笛」とは異なるもののようで、おそらく実際に目の前で吹かないと、誰にも共感してもらえないだろう。そんなつもりもないが。
僕のは隙っ歯を利用した管楽器、というべきものだ。口笛より1オクターブ上が出る。
弦楽器でいうところのハーモニクス、歯も肉すというころだろうか。
あまり自慢にもならないのに、自分はこれができるからちょっとすごいんだ、と思っていた時期もある。誰にも共振されなかったと思う。人間のかわりに猫や犬に伝わっていたのかもしれないし、ヒドラや巨神兵に慕われてたかもと思うと少し恐ろしい。
さて…
なんだか無理やり話を膨らませているが、本来僕にそんな暇はない。
この週末は、ある録音を形にしていかねば。
師というべき人からのお誘いに感謝しつつ、頑張りますにて。
これにて駄文失礼いたしまする。
Have a nice weekend.