暑さからの逃亡者

夏の終わりは、一味で信州を訪れた。

子供の頃に善光寺や白樺の山道を巡った。長野にはとても清々しい印象が残っている。

その次は大学時代か。音楽サークルの合宿で志賀高原に行った。
とても濃いサークルであったので、ガンボのような印象が残っておる。

また一度、何をとちくるったのか、チャラいスキーに行ったような記憶もある。
これは確か一日で嫌になり、翌朝帰ったはずだ。
テキトーに鈍行列車を乗り継いで、終電後は電話ボックスで野宿した。
誰もいない真冬の中津川が、脳裏のどこかに張り付いている。

その後どうやって京都まで帰ったのか覚えていないし、そこに残った友人がどう楽しんだのかも、今となっては知る由もない。

コロナ前の数年は演奏ツアーで何度か訪れたため、
「めちゃんこ素敵なところ。」 で上書きされている。

そんなタイムトンネルをくぐって


さて2023年。
今回はごく純粋に「避暑」あるいは「逃亡」先として車山高原、別名「霧ヶ峰」を楽しんだ。

南アルプスから南諏訪へ、そこから広大な農地を横切り北上。
要するに降りる IC を間違えたのだが、田畑は壮観だ。

ズームラインとエコーライン、やがてゆるやかに山道に入る。

素敵な食事処を超え、絵に描いたような景色、白樺湖を過ぎる。
なにこれ、っていうぐらいのリゾート地。
幼いころ通ったのはここだろうか? わからない。

左折し、トリッキーにもう一つ左折して山を降りると、ペンション村に入る。
その中の一つに滞在。

めったにこんな贅沢はできないが、多少無理しつつ、褒美でもある。
地元野菜を中心にした食事が、すばらしい。

薄曇りで上弦の月が照る夜空。それでも
あれはアルタイル、あれはヴェガ。あれが土星でアンタレス。
地平近くはフォーマルハウトか?
普段、北斗七星とカシオペアとオリオン以外の星座が認識できないのに。

早朝からヴィーナスラインを走る。
山道でありながら、不思議なくらいにヌケのよい景色。天然の芝生。
ハイジとヤギとペーターが出てきそうだが、いないのはなぜ?

数ヶ月前は野焼きの延焼で、辺り一面が山火事だった。無事だったという山小屋の辺り。

霧ヶ峰ってほんまにキリの世界なんや、一瞬で変わる光と影。

まぁこの調子で綴るときりがない。なぁ牛どん。

松本市内ではいろいろ観たいものはあったが、ごくごく王道な松本城。

白鳥、ちゃんと出番をわかっている。

この夏特に思ったのだが、鳥って自分のテリトリーにシビアで
白い大きな鳥って、人の視野あたり一羽しかいない。

自分がその場でどう輝くか、求められるものを自覚してるかのよう。

それが違ってたのは先日の琵琶湖北で、エリアに白鷺が何羽もいた。
ギャラリーがいないと安心して群れる、ということなんだろうか。

数年前から来たかった「日本ラジオ博物館」。

中町の「蔵シック館」。この手漕ぎポンプは佐鳴湖にもあり、既視感。

ここでは「木の匠たち展 2023」という展示をやっていて、とてもすてきだった。一階中央を陣取っていたのが、法嶋二郎さんのブランド Ambitious Labo
二種類の壁時計、こんな凝ったの見たことないギタースタンド、テルミンを木製ボディに埋め込んだ…これは…テルミンか。音楽への愛がにじんでます。

バターナイフにジャムスプーン。16分音符のようなポールハンガー。経歴も大変興味深く。

自分の道を貫く人って、ほんとすごいよ。いくら時間がかかっても。

Walk. Don’t run.

そんな流れで、諏訪のリビルディングセンタージャパン

想像を超えて、玄人向け店…だけど賑わっている。ここからちゃんとリビルドしていく男女が、若い世代にも多いってことだね。
いつか少し訪問したアンティークの山本商店も思い出す。マドキさん、ランプシェード探しにつきあってくれてありがとう。あれは代官山にあった eau cafe でりえんぬの誕生パーティーの時に僕がベースのヘッドをぶつけて壊したランプの… 長くなるな。

これはその「リビセン」で見つけたシングルレコード。
旅の情報をいろいろ教えてくれた、sugar me さんにかけて。

久々にご挨拶もできたし、よかった!

最後は、霧の谷に上がった花火。小雨も降ってて

これがほんとの、”Fire and Rain” かな。

James Taylor を脳内再生し、中津川を越え…

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