特撮的平凡
分刻みの今日が
仮面を外す
診てくれた歯科医も水を刻み
思わぬ虫歯に来月のマトリクス
帰りにこれじゃ間に合わないと
湖畔の公園 片付ける手紙
とはいえ凡人 車内でうずくまり
少しでも外に出れれば
そこは楽園 おっさん達も気付いている
味わうまもなく 帰って続き
分刻み
そんなこと わりとできるものだ。
このまま 自分は
16分音符を
弾かなくなるのだろうと
1年ほど前はわりとそう思っていた。
ゆっくりゆっくり
やがて冷温停止するのだろうなと
意外とそうでもなくて
最近は持続音から細かい音まで
わりと平気で出している。
メトロノームだろうがクリックだろうが
相手にできるのだから不思議
いやそうでもない
虫や鳥を見れば いつだって驚異があたりまえ
フリーハンドは最高精度のグリッド
心のパルスはデジタルの数倍の物理学
とはいえ理想と現実はいつでも白影
凧の上
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