夏が終わると「新年度」になる国も多かったな、みたいな、今となってはおぼろげな記憶。
しかしこの空気。どこからともなく家に紛れ込んだ蟋蟀の声。
確かに秋だ。
今年になってようやく好きになった Steely Dan を聴きながら、
(いや、Josie はよくても Aja はまだ、やっぱ好きになれないな、とか)
去年と同じようにバタバタっと畳まれる政権と、それに食いつくメディアを見ている。
というか、見ざるをえない。できればこんなもの、見たくはないのだけど。
政治のことなど、遠い昔は考えなかった。よくわからないし、ダサいし、じれったいし。
昔は産経新聞と朝日新聞読んで、前者の方が歯切れ良い気がしてて、
戦記モノの漫画も読んで、戦車のプラモを沢山作って、
ミリタリーファッションもして、なんとなく、そんなんだった。
戦争に実感が最も遠かった世代、かもしれない。
湾岸戦争のころだって、最初は多国籍軍を応援してたぐらいだ。
まぁ、そう思わされていたんだろうな。
だからって、そのままでいるわけではなく、いつからか反対側の目も養うようになったし、
音楽の好みや弾けるジャンルが広がると同様、いろいろな価値観を知り、
また、いろいろな境遇で暮らしたり仕事をしたりすることで、肌で感じる思いもぜんぜん変わっていった。
いくら俺みたいなのでも、911観て、政権交代見て、311あれば、変わる。
変わらない人もいるだろうけど。
以降、書き出したらとんでもなく長く、収集がつかなくなった。また改めて書く(までもないのかもしれない)。
ともかく、今は政権与党の総裁選が TV をジャックしているが、
それは幾重にもおかしい、ということだけは綴っておく。
- 総裁選は国民に選ぶ権利がない。報道する意味? 選挙権のある選挙で毎回報道を控えるのに?
- 一方向…前世紀型の情報伝達を、この ICT の進化した2021年に、やる?
- それとも IT とか ICT ってそんなもん? ビッグデータ取るだけで所詮片側通行?
- 候補者は表面上の違いがあっても改憲、軍国化で本質的に違いはない。メディア何やってる?
- 「改憲の主役は、あなたです」というポスターが、最初の会見背後に掲載されてたのは何故?
特に最後。
主役をすり替えている。「マイナンバー」という仕組みと名前も同じ。
この、今の危機と全く関係のないポスターは、カメラの向こうの国民に対して刷り込みをかけ、
それ以上に、その場にいる記者とそのメディアに対して、餌を見せつけている。
「これは君たちの次の仕事だ」。「次の稼ぎだ」と言った方がいいかも。
政府がジャブジャブ広告宣伝費をかけて、広告代理店とメディアに改憲広告を出す。
どれほど儲けになるか計り知れない。メディアは公然と、札束で頬を叩かれているようなものだ。
広告主の意向に、逆えるか?
大金を撒いたほうが、勝ち。
いくら信じられない不正が続いても、この国では質されない。
だから、メディアは権力と距離を保たなければならないし、
広告規制が必要だったのに。オリンピックの前に、とっぱらわれてしまった。
そして、オリンピックの饅頭をたっぷりいただいたメディアは、もう戻れない顔をしてる。
確実に巨額の報酬をくれる広告主の意向に沿うよう、事を進めるだろう。
多くの視聴者は、露出の多い人に、吸い寄せられてしまう。
そして。
出来の悪いゲームのつもりで、大人が戯れている間に、
取り返しのつかないことに、なってきた。
一人や数人が気づいても、もう止められない。数百人でもダメだ。
何十万人も、何百万人も、いや、たかだか八千万人が気づけば、止められるのに。
どうなる? ぼくらのこれからは?
もっと、やりたいこと、やるべきことが、いっぱいあるんだぞ。