どんな理由で まわり出す
指さきから 衣まで
うたうたいに そそのかされ
眠る前の ざわめき
泣きはらした 蠍をなだめて
夜の刺を ほどく
霧の向こうに うかびあがる
越えられぬ 滝
風を我がものに したいかい
それなら 夢をみよう
朝日が 大きな
あくびで 見届ける
たったひとことで トロけた
あたりまえの 自由
最後まで 味方になってくれる
その瞳を 信じてみよ
くらがりも まぶしさも
きみは みてる
広がる空は だれのもの
つばさで 問いかける
心は底が 抜けても
うかび あがる
明日は風が ふかない
それでも 耳すます
June 2021 Ray