worm drive II

昨夜のつづき

日本では「ウォームギア」というこの歯車、なぜ「ワームギア」と呼ばれないのか。
なんだか、ぬくといような、ほんわかしたような、そんな動きをイメージさせるじゃないか。

ワーム=芋虫やミミズ、でも、ほんわかと言えなくもないが
これは冷徹なぐらい力強く、正確ムヒな道具である。ベースのペグに使われるぐらいだから。

あの強靭な弦を恐ろしいテンションで張る。逆方向からは動きようがない。

ワームのように鈍く、確実で容赦ない。


そんなワームのような時間の流れを感じながらも

なかなか指も体も、筒帯としての胴も思うように操れぬ

不便なものである

風が体を通り抜ける ならば こちらは河畔で一日中水面を眺めていた気持ちに戻るか?

何も起こらず あるいはごく動かないほどに ゆっくりと 変化していった水草と水のせめぎ合い

ゆっくり ただし 休むことがない

ゆっくり ただし やすめない

それって楽なんだろうか 悲惨なのだろうか

『お助け』の超スローモーション・トラックに轢かれるやつ、じゃないんだろうか。

あかん、想像も現実も、ワームギアから逃れられん


キーボードの耳コピや練習をしてて、最近のコのように YouTube で鍵盤を上から撮ってる動画や、上から MIDI イベントが降ってくるガイドって便利だなって思ったりする。
DAW のピアノロールは鍵盤が上下に並んでて、時間が横移動に流れるのだけど、視覚的にわかりやすいとも、わかりにくいともいえる。

実際鍵盤は左右に並んでるんだから、横置きで時間軸が縦の方が、やっぱ音楽の流れとしては、自然じゃないのか???????
と、今朝は結構マジに考えた。

というか、「前後」だともっといいんだろう。

縦スクロールのアプリも実際あるみたいだけど(YouTube で使われてるように)、持ってないし、買う気にはならない。

うんうん唸った挙句、ピアノロールを表示したまま、ディスプレイを90°回転させることにした。

おお!

…おお!!

……おぉぉ…

すごい、と思ったのは束の間、根本的に間違っていることに気づいた。

確かに鍵盤が横に並び、MIDI イベントは上から降ってくるのだ。

だが。高低が左右、逆なのだ。

低音が右に、高音が左にあるのだ。

なんて素晴らしい。この世はとことん間違ってる。

あきらめてディスプレイを元に戻し、わかりにくい上下左右の脳内変換をし、五線譜にし、身体に覚え込ませようとして陽がくれた。

worm drive.

ウォームギア

さぁ今宵はなにを…

疲れた つかれはてている

こんなときはグリーンラインの無人駅で…ただのセメントの踏み台みたいな停留所で

友人の家を初めて訪れるときのことを思いだすとしよう

学生時代に一度だけ訪問した友人は日本では割と近くで

だがそれからも一度しか会っていない 今はどうしているのだか

その停留所で道を聞いた人は、それもその数十秒ぐらいしか人生であわなかったのだが

後から色々と話を聞くことになった、ちょっとした有名人だった

どういう形容詞がいいのだか


つかれはてている。ローギア、ウォームギア、空回り、

それでも自分はそろそろと先に動いている。

この先というもの、誰もが送られていく、およそどんな生命体も流れていく道。

あらがうのもいいだろさ、流れるのも、また。


耳はどこに澄ますべきなのだろう。


今日は身体の角度を少し意識して空気をつかまえた。少しだけ、この形、と思う瞬間。数分。

その数分でいい。


その数分をつかむために、何年も無駄にし続ける。ルーティーン。意識と無意識の交代で育てる、何かのかたち。

 

fushigi-ya

昨日のつづき

– 今日は常に昨日のつづきではある –

へメンウェイストリートというのは
ヘミングウェイストリートとはちがうのだが

実際そういう場所で過ごしたことがあるので
昨日はその題にしてみた

古い集合住宅の並ぶほぼ南北の筋だ

建物のひとつにはすごい旧式のエレベーターがあって

手でワシャワシャと扉を閉める

待ちきれずに階段を使うこともあったっけ

Boylston とのコーナーには楽器屋があって
ほぼ毎日ここでベースやギターを触ってたものだ

アメリカでは試奏はほぼ自由なので
日本の店のように店員がわざわざチューニングをしてくれることもないが
気軽に色々な楽器を試せる

とはいえこの店は新品より中古が主だったのでまた少し違うだろう
なかなか好きな店だった

今はもうない パッタイ屋になったようだ。

Factor も Rick 4008 もここで買った。たしか Ampeg B-15 もだ。

他に危うく買いそうになったのが

キャンディアップルレッドのストラト … Vネックがしっくりきた
白いピックアップカバーの ’76 StingRay … スティングレイは名に反してあまり興味ないが、この個体はマジですごかった
Hipshot D-tuner が付いた Taylor AB-1 … すぐディスコンで高騰したので後悔し、20年越しに他から入手した こちらは記憶よりネックが細い
’80s の黒いプレべ … 仕様は’50s メイプルで、ヴィンテージじゃないので気楽に使えそうだった

もうベースを買うことはないかもね、だが昔は沢山追ったし、たいがいのものを弾いたから良し悪しはすぐにわかる。
おかげで、帰国後しばらくは匿名で試奏の仕事もやらせてもらった。誰と知らずに僕の文で楽器を買った人も、どこかにいらっしゃるだろう。

やはり根は近江商人なのかもしれない。

今、コロナ禍で楽器屋って、どうしているのだろう。
アメリカでもどんな感じなのだろう。

Hemenway を Hemingway としたら、また昨日に戻って
あの番組のギターシーンはヘミングウェイが Key West の家で猫をたくさん飼ってたことと
R.N くんがギターをたくさん持ってることをかけてたのだろう。

で、C.P くんが最初やってたバンドも Hemenway だったと今頃知り、ふしぎなもんだと
ふしぎがってる

ふしぎ屋さんである。

green hemenway street

「かなしきデブ猫ちゃん」を観て

笑い泣きしてたら途中の緑のフライングV持ったヘミングウェイ猫が気になって
音頭にしちゃコードが好みだなと思って

エンドロールまで進んだら、作ったのは長岡の亮ちゃんでしたね。

ど納得でござる。

Tobias のベースが欲しいって言ってたな、みつかったかな。

22.222.2222

大好きなゾロ目でしかも猫の目

この楽しさを噛み締め私は

これといって何もしない

だがひとつ、好きな話を紹介するよ

たぶん局ではいまごろお祭りさわぎだ

あんことベーグル

なかなかもっちりした寝待ち月じゃないか

Earl Scruggs のピッキングに今もわさわさする

うさぎがいっぱいの

フォギーレイクサイド

ブレイクダウン

ふたつの西海岸

昨日続き

Doobies は1970年代だけをみればくっきり前期と後期で分かれ
どっちが好きなのか、と問われれば前期だと答えてきたのだが

昨年あたりから AOR … Yacht Rock に抵抗がなくなってきて
長年能動的に聴けなかった Steely Dan にはまったせいもあり

その流れの後期にも免疫がかなりついたようだ。
M. McDonald の曲もやっぱりいいなと思うこの頃である。

しかし、その境にある “Takin’ It To the Streets” アルバムのバランスは面白い。
P. Simmons と Baxter の “Rio” やその次の Porter による “For Someone Special” かっこいいぞ。
後者の Lyrics はなんともいえないが。

Tom Johnston 好きなんだけどね。

Johnston の曲だろうが McDonald の曲だろうが、変わらずアグレッシブなベースの Tiran Porter やはり只者じゃない。

おさらい

昨日の OX 日記

つまりはものごとはなかなかうまくいかない

できるようでもコケてばかりだ

一度に突き詰めようとするよりも一晩寝る方が

定着するし

そこから波の周期を繰り返す方が

いいとわかってるのだが


Doobie Brothers でも聴くか

両方の

ツインドラムにタイラン・ポーター、最高やね

snow & moon

美しい満月 と 雪

厳密には一つ前の夜中だったな

今宵も作品を発表する段階にあらず

ムーンビームと
ごあいさつでも
しておくぜ


音楽で Chuck といえば

Rainey
Berry
Israels

僕が好きな Chuck はもう一人

Domanico さんである。

West Coast Jazz ~ Pop で活躍し、Carmen McRae のライヴ盤 “The Great American Songbook” でのプレイはあまりに素晴らしい。

この人のベースは空気を変える。Phobe Snow の “Poetry Man”、Joni Mitchell の “Blue Motel Room”。そして Carmen McRae による Carpenters カバーの “Close to You”。

Joni は “Hejira” 録音時、どうもそれまで関わった凄腕たちの仕事っぷりに飽きてたようで、Jaco ばかりがクローズアップされ、Max Bennett や Wilton Felder や、この Chuck Domanico にあまりスポットが当たってない気がする。まぁそんな必要もないくらい、これらの人たちは凄いのであるが。

W.Felder に至っては、サックスプレイヤーとしてあまりに有名だが、ベースも余裕で名曲に参加しまくっている。Max はこの前年の “The Hissing of Summer Lawns” アルバムの数曲で、その時点で大ベテランだったにも関わらず(だからこそ?)、既に Jaco 的なアプローチを昇華していた。

Jaco Pastorious については色々なところで語られ尽くしている気がする。間違いなく最高峰のベースアーティストだし、自分も影響を受けたのは言うまでもない。彼と差を出すために敢えてフレットレスを弾かないという人もいるし、気にせず語彙としてやる人もいる。

僕はあまり気にしない方で、素晴らしいスタイルだから取り入れればいいし、フレットレスでもフレッテッドでも、その上で何か違うこと、その先のことができれば、それは素敵だなと思っている。とかゆーて。

話を Domanico に戻す。

この人のベースは、空間を楽しくしてくれる。Poetry Man などではちょっとタイム感がゆるいんだけど、音楽の天井が広いんだよな。

そう、音楽の底辺なのに、天井が広い。空間が、楽しい。

僕の目標である。

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